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2.廃城にてほくそ笑む
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最初は街中のとある地下にある一室ではじまった「悪徳領主を追い落とす作戦」も、いつの間にやら大規模になってきて次は街はずれに。
そしてついには街から馬を使わないと簡単には行き来できない距離にまで離れることになった。
ここは結構な広さだものな、家と言うには憚られるくらいだ。当初は遺棄された屋敷のように振舞っていたのだが、それでも足りず現在は朽ちた城壁で取り囲んでいる。
この場所は街道から遠く離れているし、滅多に人が通ることはないのだけど、念には念をとさ。城壁があれば目隠しにできるから。
更に、興味本位で近づいた者がいた場合には城壁から城までの距離があることで時間的猶予を稼ぐこともできる。
厩舎に馬を預け、居城へ向かう。
開け放たれたままの扉をくぐり、真っ直ぐ執務室へ入った。
「本格的にここで差配するんだろ?」
「そのつもりだが?」
肩にとまったカラスに向け、顎をあげる。
部屋は石壁そのままで、床も磨かれていない石板がそのままに残っていた。
執務机と来客用のテーブル、ソファーがあるのみで他に目に付くものと言えば、テーブルの下に敷かれた魔獣の毛皮くらいのものか。
「もうちょっと何とかなんねえのか、この部屋」
「俺は別に気にしてはいないんだが」
カラスの愚痴に軽い調子で肩を竦める。
彼のぼやきはまだ止まらない。
「裏から操る奴ってのは、豪奢な部屋で高級な酒を傾けるもんだぜ?」
「豪奢なものも、女を侍らせるのも、酒を浴びるのも、コリゴリだ」
「カカカカ。それで身を破滅させていたんだからな。まあ仕方ねえか」
うるさいカラスだ。この特徴的な笑い声は前世からずっとである。
家具や服の趣味も、好みの女のタイプも今世の俺と前世の俺では全く違う。
今の俺の思考を司るのは前世の俺である。前世を思い出す前までの今世のことは、「記憶」として刻まれているだけだった。
ドカッとソファーにもたれかかり、ふうと息をつく。
そこで、コンコンと扉を叩く音がする。
「入ってくれ」
相手が誰かも確認せず、入室を促す。
「失礼いたします」
最初に顔を出したのはアッシュグレーの長い髪をアップにしたメイド姿の少女だった。
メイド姿と便宜上表現してみたのもの、これがメイド姿と言っていいのか悩むところ。
胸元が空いた白いブラウスからは谷間が見え隠れし、スカートも嫌に短い。
「キアーラか」
「黒仮面様、私が来てはなりませんでしたか?」
「いや、最初に来たのが君で少し驚いた」
「あの後、ルクレツィア様の様子を窺いすぐにこちらへ向かいましたので……」
あの後とは俺を呼びに来て、公爵令嬢の元まで先導した後のことだ。
彼女は俺の正体を知る数少ない者の一人である。
「相当急ぎで来てくれたんだな。着替えくらいしてきてくれてもよかったのだけど」
「お気遣いありがとうございます。まずは報告を」
「頼む」
彼女は俺のメイドという立場だったので、外との繋ぎ役をこなしてもらっていた。
いつもいつも、舐めまわすように胸を見てしまってすまん。
あんな格好のまま急ぎで来てくれたのだな……。
ほら、軽く頭を下げただけでもこぼれおちそうになっている。どこがというのは言いっこなしだ。
「概ね計画通りに事が運んでおります。ルクレツィア様派が政権中枢を掌握し、それに呼応した衛兵、騎士によって次々に要注意人物を拘束しております」
「ふむ。衛兵ら武力勢力はどうだ?」
「将軍派の兵は少数にまで切り崩しておりましたが、抵抗を見せたようです。しかし、多勢に無勢、これも長くはないかと」
「分かった。となれば、次は制度改革を迅速にだな」
「はい。全ては御心のままに」
「これから二週間が勝負だ。それまでは過密になるが、交代で休憩を取りつつ乗り切って欲しい」
「黒仮面様もどうか休養をお取りくださいませ」
「事が終わったらゆっくりとさせてもらうつもりだ」
キアーラは無表情のまま、たわわに実った胸の下に腕を置き会釈をした。
報告が終わり部屋を辞そうとする彼女を呼び止める。
「キアーラ。ありがとう。君がいなければここまで来ることができなかった。ある程度落ち着いたら、改めて褒美をと思っている。何か欲しいものはあるか?」
「特には……」
体ごと向き直った彼女は相変わらずの無表情で小さく首を振った。
元来の彼女は余り表情を変えることが無い。悪徳領主ヨハンの前で見せていた嫌そうな顔は彼女の演技である。
んー。特にと言われると悩むな。
「カカカカ」
カラスが突如、けたたましい笑い声をあげキアーラの肩に飛び乗った。
「メルキト様?」
「言いたいことがあるなら、言っておいた方がいいぜ」
「ですから、『特には』と先ほど申し上げたところです」
「それならそれでいいけどな。今のこいつには身分なんて無いぞ。平民ですらないがな」
「そのようなことはありません。黒仮面様は黒仮面様です」
「仮面の姿じゃ女も抱けん」
「こら、メルキト!」
話が変な方向へ行きそうになってきたので、カラスのメルキトを追い払おうと彼女の肩へ手を伸ばす。
カラスはヒラリと彼女の肩から降りて俺の手を躱す。
空をきった俺の手は彼女の肩へ触れる。
一方でキアーラは頬を僅かに朱色に染め、目を泳がせた。
「私でよければ、いつでも抱いてくださって構いませんので。これまでもこれからも、黒仮面様の正体を語ることはございません。あなた様のお顔を知る者はごく少数でなければならないことも理解しております。その中で女となりますと」
「それ以上は語らなくていい。メルキトの戯言に付き合う必要は全くない。余計な気苦労はせずともよい」
「……は、はい」
僅かに肩を揺らした彼女は今度こそ部屋を去って行く。
「全く……いつもいつも」
「そうだ。俺からも一つ願い事がある」
愚痴をこぼすもこのカラスはまるで悪びれた様子がない。
それどころか、願い事までしてくるとは。
「なんだ?」
「止まり木を用意してくれるか? 机の上は案外疲れる」
「それくらいならすぐに準備するさ」
再びソファーに腰を下ろし、肘を曲げ右腕を前に出す。
そこへカラスが止まり、満足気に嘴をあげる。止まり木を準備するまでは、腕にでも止まっておいてくれ。
――この日、悪徳領主ヨハン・フェンブレンは牢に繋がれ、フェンブレン前伯爵の末娘であるルクレツィアが新たな当主となった。
この交代劇を裏から主導した黒仮面のことを知る人物は極々僅かである。
「なんてな」
「何がだ?」
つい心の中で考えていたことの続きが口に出てしまう。
それに対し、カラスが疑問を口にする。
「いや、三年でよくここまでやれたなあと考えていたんだよ」
「かなり綱渡りだったがな」
ヒヤヒヤしたことは一度や二度じゃない。いくつかの幸運があり、此度の領主交代劇まで辿り着くことができた。
古ぼけた指輪を見やり、目を細める。
そう、この計画は三年前のあの日から始まったんだ。
◇◇◇
――三年前。
「全く、教育がなってないぞ」
「それはそれは、大変申し訳ありません。ヨハン様」
平身低頭で揉み手をする小男に向け、ふんと鼻を鳴らす。
メイド? 今朝、追い出してやった。メイドたるもの朝から晩まで俺に奉仕するものだろう。そのために金を払ってやっているのだからな。
家事は家事でこなせ。だが、俺への奉仕も忘れてはならん。
あのメイドときたら、初日だというのに俺の元へ来なかったんだぞ。
メイド長にもきつく言っておかねばな。メイド長が男ならむち打ちでもしてやるんだが、俺は女をいたぶる趣味はない。幸運だったな、メイド長よ。
「それで、次はつれてきたんだろうな?」
「もちろんでございます。ささ、ご覧ください。どの娘も極上でございますぞ」
小男がパンパンと手を叩く。
ゾロゾロと入ってきた女たちはどれも趣味じゃない。中には10代前半にも見える少女まで混じっているじゃないか。
「明日また連れてこい!」
バーンと机を叩き、立ち上がった俺様は大股でこの場を立ち去るのだった。
そしてついには街から馬を使わないと簡単には行き来できない距離にまで離れることになった。
ここは結構な広さだものな、家と言うには憚られるくらいだ。当初は遺棄された屋敷のように振舞っていたのだが、それでも足りず現在は朽ちた城壁で取り囲んでいる。
この場所は街道から遠く離れているし、滅多に人が通ることはないのだけど、念には念をとさ。城壁があれば目隠しにできるから。
更に、興味本位で近づいた者がいた場合には城壁から城までの距離があることで時間的猶予を稼ぐこともできる。
厩舎に馬を預け、居城へ向かう。
開け放たれたままの扉をくぐり、真っ直ぐ執務室へ入った。
「本格的にここで差配するんだろ?」
「そのつもりだが?」
肩にとまったカラスに向け、顎をあげる。
部屋は石壁そのままで、床も磨かれていない石板がそのままに残っていた。
執務机と来客用のテーブル、ソファーがあるのみで他に目に付くものと言えば、テーブルの下に敷かれた魔獣の毛皮くらいのものか。
「もうちょっと何とかなんねえのか、この部屋」
「俺は別に気にしてはいないんだが」
カラスの愚痴に軽い調子で肩を竦める。
彼のぼやきはまだ止まらない。
「裏から操る奴ってのは、豪奢な部屋で高級な酒を傾けるもんだぜ?」
「豪奢なものも、女を侍らせるのも、酒を浴びるのも、コリゴリだ」
「カカカカ。それで身を破滅させていたんだからな。まあ仕方ねえか」
うるさいカラスだ。この特徴的な笑い声は前世からずっとである。
家具や服の趣味も、好みの女のタイプも今世の俺と前世の俺では全く違う。
今の俺の思考を司るのは前世の俺である。前世を思い出す前までの今世のことは、「記憶」として刻まれているだけだった。
ドカッとソファーにもたれかかり、ふうと息をつく。
そこで、コンコンと扉を叩く音がする。
「入ってくれ」
相手が誰かも確認せず、入室を促す。
「失礼いたします」
最初に顔を出したのはアッシュグレーの長い髪をアップにしたメイド姿の少女だった。
メイド姿と便宜上表現してみたのもの、これがメイド姿と言っていいのか悩むところ。
胸元が空いた白いブラウスからは谷間が見え隠れし、スカートも嫌に短い。
「キアーラか」
「黒仮面様、私が来てはなりませんでしたか?」
「いや、最初に来たのが君で少し驚いた」
「あの後、ルクレツィア様の様子を窺いすぐにこちらへ向かいましたので……」
あの後とは俺を呼びに来て、公爵令嬢の元まで先導した後のことだ。
彼女は俺の正体を知る数少ない者の一人である。
「相当急ぎで来てくれたんだな。着替えくらいしてきてくれてもよかったのだけど」
「お気遣いありがとうございます。まずは報告を」
「頼む」
彼女は俺のメイドという立場だったので、外との繋ぎ役をこなしてもらっていた。
いつもいつも、舐めまわすように胸を見てしまってすまん。
あんな格好のまま急ぎで来てくれたのだな……。
ほら、軽く頭を下げただけでもこぼれおちそうになっている。どこがというのは言いっこなしだ。
「概ね計画通りに事が運んでおります。ルクレツィア様派が政権中枢を掌握し、それに呼応した衛兵、騎士によって次々に要注意人物を拘束しております」
「ふむ。衛兵ら武力勢力はどうだ?」
「将軍派の兵は少数にまで切り崩しておりましたが、抵抗を見せたようです。しかし、多勢に無勢、これも長くはないかと」
「分かった。となれば、次は制度改革を迅速にだな」
「はい。全ては御心のままに」
「これから二週間が勝負だ。それまでは過密になるが、交代で休憩を取りつつ乗り切って欲しい」
「黒仮面様もどうか休養をお取りくださいませ」
「事が終わったらゆっくりとさせてもらうつもりだ」
キアーラは無表情のまま、たわわに実った胸の下に腕を置き会釈をした。
報告が終わり部屋を辞そうとする彼女を呼び止める。
「キアーラ。ありがとう。君がいなければここまで来ることができなかった。ある程度落ち着いたら、改めて褒美をと思っている。何か欲しいものはあるか?」
「特には……」
体ごと向き直った彼女は相変わらずの無表情で小さく首を振った。
元来の彼女は余り表情を変えることが無い。悪徳領主ヨハンの前で見せていた嫌そうな顔は彼女の演技である。
んー。特にと言われると悩むな。
「カカカカ」
カラスが突如、けたたましい笑い声をあげキアーラの肩に飛び乗った。
「メルキト様?」
「言いたいことがあるなら、言っておいた方がいいぜ」
「ですから、『特には』と先ほど申し上げたところです」
「それならそれでいいけどな。今のこいつには身分なんて無いぞ。平民ですらないがな」
「そのようなことはありません。黒仮面様は黒仮面様です」
「仮面の姿じゃ女も抱けん」
「こら、メルキト!」
話が変な方向へ行きそうになってきたので、カラスのメルキトを追い払おうと彼女の肩へ手を伸ばす。
カラスはヒラリと彼女の肩から降りて俺の手を躱す。
空をきった俺の手は彼女の肩へ触れる。
一方でキアーラは頬を僅かに朱色に染め、目を泳がせた。
「私でよければ、いつでも抱いてくださって構いませんので。これまでもこれからも、黒仮面様の正体を語ることはございません。あなた様のお顔を知る者はごく少数でなければならないことも理解しております。その中で女となりますと」
「それ以上は語らなくていい。メルキトの戯言に付き合う必要は全くない。余計な気苦労はせずともよい」
「……は、はい」
僅かに肩を揺らした彼女は今度こそ部屋を去って行く。
「全く……いつもいつも」
「そうだ。俺からも一つ願い事がある」
愚痴をこぼすもこのカラスはまるで悪びれた様子がない。
それどころか、願い事までしてくるとは。
「なんだ?」
「止まり木を用意してくれるか? 机の上は案外疲れる」
「それくらいならすぐに準備するさ」
再びソファーに腰を下ろし、肘を曲げ右腕を前に出す。
そこへカラスが止まり、満足気に嘴をあげる。止まり木を準備するまでは、腕にでも止まっておいてくれ。
――この日、悪徳領主ヨハン・フェンブレンは牢に繋がれ、フェンブレン前伯爵の末娘であるルクレツィアが新たな当主となった。
この交代劇を裏から主導した黒仮面のことを知る人物は極々僅かである。
「なんてな」
「何がだ?」
つい心の中で考えていたことの続きが口に出てしまう。
それに対し、カラスが疑問を口にする。
「いや、三年でよくここまでやれたなあと考えていたんだよ」
「かなり綱渡りだったがな」
ヒヤヒヤしたことは一度や二度じゃない。いくつかの幸運があり、此度の領主交代劇まで辿り着くことができた。
古ぼけた指輪を見やり、目を細める。
そう、この計画は三年前のあの日から始まったんだ。
◇◇◇
――三年前。
「全く、教育がなってないぞ」
「それはそれは、大変申し訳ありません。ヨハン様」
平身低頭で揉み手をする小男に向け、ふんと鼻を鳴らす。
メイド? 今朝、追い出してやった。メイドたるもの朝から晩まで俺に奉仕するものだろう。そのために金を払ってやっているのだからな。
家事は家事でこなせ。だが、俺への奉仕も忘れてはならん。
あのメイドときたら、初日だというのに俺の元へ来なかったんだぞ。
メイド長にもきつく言っておかねばな。メイド長が男ならむち打ちでもしてやるんだが、俺は女をいたぶる趣味はない。幸運だったな、メイド長よ。
「それで、次はつれてきたんだろうな?」
「もちろんでございます。ささ、ご覧ください。どの娘も極上でございますぞ」
小男がパンパンと手を叩く。
ゾロゾロと入ってきた女たちはどれも趣味じゃない。中には10代前半にも見える少女まで混じっているじゃないか。
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バーンと机を叩き、立ち上がった俺様は大股でこの場を立ち去るのだった。
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