11 / 24
2
しおりを挟む「おい。同居相手が出来たのか?」
「いいねぇ。美味い料理が出来る恋人が出来て」
「俺らにゃ縁遠いからなぁ」
「大層なご身分で」
「羨ましいもんだぁねぇ」
男の嫉妬は醜い、と言われるがここには男しか居らん!他人の視線など気にする環境じゃないとばかりに、騎士達が薬の配達に来た隣の薬師に絡むのは致し方無いことだ。
騎士達に嫉妬で囃し立てられた薬師はバツが悪そうに言葉にした。
ーー両親が亡くなったから妹と同居を始めた、と。
困惑気味に説明する薬師に、両親の訃報を知らなかったとはいえ囃し立てたことを皆が謝罪した。
だが日々、たなびく香りに騎士達の気力が散漫になるのも困ったもの。
とうとう、ある騎士達は隣の薬師を強襲する算段を立てた。
強襲を算段したのは警備隊第一班に所属する、
セグル・ラットゥーガ、
ジャンゴ・バーリー、
ライ・ロッゲン、
オリュザ・バルダーナ、
の、四人だ。
セグルは面倒だ、と言い、このまま薬屋に特攻かける、と息巻いた。
セグル・ラットゥーガは体躯良く大らかで豪快な性格だ。だが三十一歳にして考えるより行動で困る人物だ。脳筋が理由で女にモテないのだが。それを本人は知らない。
ジャンゴは薬師の兄から警戒されるのも都合が悪いだろう、とセグルを抑えいくつか提案を出した。
ジャンゴ・バーリーは筋骨隆々で一番背が高い。二十九歳でセグルより年下だが周りを見てから動く、意外に冷静な人物なためセグルのブレーキ役を任されている。
あん?飯食わせろ!って店に行きゃいいんじゃね?と安直な意見を口にするライは短気すぎる。
すぐ人に威嚇するライ・ロッゲンは目付きも鋭く二十三歳に見えない。すぐさま向かおうとするのをジャンゴが止めた。
オリュザはジャンゴの提案でいいんじゃない?とあまり考えていない口調でへらりと笑っている。だがオリュザ・バルダーナは二十二歳と言う若さで一班まで上がった人物だ。人間観察にすぐれ軽口で人を躱す。実は腹黒だと知る人ぞ知る人物。
話し合いの結果、薬師に薬の相談と称して近づくこととした。
1
お気に入りに追加
74
あなたにおすすめの小説
私、平凡ですので……。~求婚してきた将軍さまは、バツ3のイケメンでした~
玉響なつめ
ファンタジー
転生したけど、平凡なセリナ。
平凡に生まれて平凡に生きて、このまま平凡にいくんだろうと思ったある日唐突に求婚された。
それが噂のバツ3将軍。
しかも前の奥さんたちは行方不明ときたもんだ。
求婚されたセリナの困惑とは裏腹に、トントン拍子に話は進む。
果たして彼女は幸せな結婚生活を送れるのか?
※小説家になろう。でも公開しています
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
お妃さま誕生物語
すみれ
ファンタジー
シーリアは公爵令嬢で王太子の婚約者だったが、婚約破棄をされる。それは、シーリアを見染めた商人リヒトール・マクレンジーが裏で糸をひくものだった。リヒトールはシーリアを手に入れるために貴族を没落させ、爵位を得るだけでなく、国さえも手に入れようとする。そしてシーリアもお妃教育で、世界はきれいごとだけではないと知っていた。
小説家になろうサイトで連載していたものを漢字等微修正して公開しております。
こおりのほしのねむりひめ(ほのぼのばーじょん)
京衛武百十
ファンタジー
厚さ数キロの氷に閉ざされた自由惑星<ハイシャイン>。その氷の下に僅かに残された人間の世界に生まれ育った浅葱(あさぎ)は、十三歳を迎え一人前の砕氷(さいひ)となるべく先人達が永久凍土を掘り進めた氷窟に挑む。そこで彼女が事故のようにして巡り会ったのは、氷点下四十度の中で眠り続ける、女性の姿をした何者かであった。浅葱はそれを<ねむりひめ>と名付け、村へと連れ帰ろうとするのだが……。
筆者より。
なろうで連載していた「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」の、表現をマイルドにした<ほのぼのばーじょん>です。「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」を読むときの感じで読もうとするとずっこけるようなものしたいと思います。科学的な考証とかにはなるべく拘りたくない。と、思います(努力します)。
ちなみに筆者自身は登場人物達を三頭身くらいのデフォルメキャラという感じで脳内再生しています。
失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる