偶然が生んだ最強種

大路

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4.黒龍襲来

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 テリーside

 昨日散歩の途中に拾い食いしたお弁当が悪かったみたいで調子が悪くて今日の散歩は連れて行ってもらえなかった。

 でももう体調は完璧!!
 テツが帰って来たら遊ぼう!

 暇だな・・・

 ガチャ!!

 あっ帰ってきた!

「ギャンギャン!!」

「テリーちょっと静かにしてくれ!」

 相変わらずテツが居ないと僕には直樹が何を言って   いるのか分からない。

 あれ??

 テツが居ない?

 何か直樹もウロウロして落ち着きがない。

「テリー!どうしよう、テツ異世界に行っちゃった」

 何か悲しそうに話しかけてくるけどよく分からない。


 良し!!




 取り敢えず噛もう!!



「痛テテェーー」

「何やってんだお前は!!」

 やっぱり直樹は面白い。
 まぁテツが帰ってくるまで寝てよう。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 真っ暗な部屋で目を覚ました。
 隣のゲージを見るけどテツは居ない。
 テツが居ないと不安だ。
 だってテツは僕の頼りになる面白いお兄ちゃんだから
 色々な思い出が浮かんでくる。

「テツー!あの大きなシェパードとかいう奴やっつけてよう」

「いやいや無理だから」

「じゃあ僕が先に行くねー!」

「無理無理無理無理!!」

 そう言いながら首を咥えて引っ張ってくれたり。

「テツー!あの大きな車とか言うのやっつけてよう」

「無理無理無理無理!!」

 そう言いながら首を咥えて引っ張ってくれたり。

 テツは無理無理無理無理が口癖だ。
 本当に頼りになるお兄ちゃんだ!



 あれ?



 何かあの地面グニャグニャしてる。
 一瞬テツかと思ったけどテツはあんなにグニャグニャしていない
 でもあの地面の向こうからテツの匂いが薄っすらする

 良し行ってみよう!!

 そう言えば直樹が良くやってたゲームとかいうやつに似てるなぁ
 僕はあのゲームとかいうやつのドラゴンとか言うのが大好きだっ た。

 カッコいいし空を飛べるのが良い!!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 テツside

 朝目を覚まし昨日の相談をしようと夜中に練習した紙と墨を持ってムーサ王の部屋に向かう。
 少し慣れてきたのかすれ違うメイドさんが普通に挨拶してくれる。

 ムーサ王の部屋の前に着きノックをする。
 中から返事が聞こえたので中に入る。
 ムーサ王以外にも家臣の人達が数人居た。

「ゆ、勇者殿、お、おはようございます」

「ガルァ!」

「ひっ!!」

 いやいやお前は慣れろよ!
 まぁ良いかと背中に乗せていた紙と墨を降ろし爪に軽く着け文字を書く。
 かなり書きづらいが何とか読めるだろう。

「ひ、と、が、た、に、な、れるかも」

 それを読んだムーサ王に頷く。

「そ、それは本当ですか?勇者殿!」

 横から大臣と呼ばれる年配の男性が言う。
 正直分からないがやってみる価値がある事を何とか伝える。
 それに昨日の会話を聞いてしまった事も伝えた。

「駄目で元々やってみましょう!」

 大臣がそう言うので進化に必要なモンスターが何処に居るか聞くとそれに関する書籍と案内人を用意してくれる手筈になった。

 何とか伝わって良かったが疲れた。
 話せる様に進化したいものだよ。

 ホッとした瞬間!

 !?

 とてつもない音と共に城が揺れた。
 外から慌てた兵士が入ってくる。

「ま、ま、街に黒龍が現れましたーー!!」

「何だと!!」

 ムーサ王達も慌てた様子で狼狽えている。

 うん???

 今様子を探ろうと嗅覚に意識を持って行くと

 何でテリーの匂い??

 俺は急いで城を飛び出し匂いの元へ向かう。
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