いつか、キラキラする日

僕らの日常

才能？

学級委員としてクラスメイトを観察している佐倉さんには僕が男子のリーダーみたいに見えたようだ
だけどそれは僕が特に目立った真似をしたわけじゃなくて


「うちのクラスの男子は大体キミに話しかけるよね」


佐倉さん曰く、クラスの男子は僕にリーダーシップを委ねているという
そんなわけない


「お前はさあ、ダメなやつに受け入れられるんだよな」


ガンモくんが言うには、ダメなやつは無害なダメ人間を見ると安心するらしい
自分より格下で嫌味がないやつ


ひどいな…
しかし言い方はひどいけど怒りは覚えなかった
なんか腑に落ちたというか


これまで目立った生き方はしてこなかったから注目を浴びて角がたつ事もなかった
ブサイクだからといってそれでイジメにあった事もない


女子とイケメン界隈の男子以外からは普通に声をかけられたし、美少女ではない女子となら普通に喋れる
喋る機会はないけどな←


ただしこれだけは言える
親友と呼べる友はいない
深く友情を感じた事はなかった
親友が欲しいと思う時期もあったがその感情は一過性のものだった


僕に用があるやつが声をかけてくる
遊びに誘ってくれる
思い起こせば、友達と遊びに出掛ける時は決まって誘われた時だけだ


みんないいやつだった
ほとんどが自然消滅的に音信不通になった
ケンカ別れしたやつも中にはいたが、大概が僕に対して飽きたんだと思う


というか、ガンモくんの話でいうと、きっと需要がなくなったんだと思う
自分より格下で無害で御しやすい人材なら、何かのタイミングでその存在が不必要になった時に関係は切れるんだろう


ここらへんは薄っすら気づいていた
ガンモくんの言い方はひどいがあながち外れてない
僕にとってはどうでもいい事だし


「けどそれがお前の属性、才能だからな」