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第10話:満たされてもいいですか?(後編)
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それから数日後。黒川はある場所に向かっていた。
来週から試験なので試験前最後の休日だ。
しかし、彼は友麻に呼び出されていた。
(一体何だろう・・・)
そう思いながらも、彼はある喫茶店へ足を運ぶ。
扉を開けると、そこには友麻がいた。
「お待ちしておりましたわ、黒川さん」
友麻はにっこりと微笑んだ。そして、
彼の手を取って席へ誘導する。
「あ、はい、どうも・・・」
彼は戸惑いながらも促されるままに席に座った。
「・・・今日はまたどうして?」黒川には何が何だか分からない。
「それは・・・」友麻が気まずそうにしていると、
後ろから声をかける人物がいた。
「いらっしゃい、何でも好きな物奢ってくれるってさ。」
そう言いながら水を持ってきた店員・・・ユキヤであった。
「さ、茶木先輩?!どうしてここに?」「いや俺のバイト先だし」
「あ、そういう事で・・・でも、ゆ、友麻・・さん、これはどういう?」
ますますわけが分からないといった黒川にユキヤが軽く説明する。
「要はまた俺の勝ちって事だよ」
「え?」
黒川はぽかんと口を開ける。友麻が話を続ける。
「・・・先日の勝負は私の負けでしたの」
珍しく苦々しい口調だ。
「え?じゃあ・・・」
黒川はここでようやく先日の図書館でのやり取りを思い出す。
本に関する知識の勝負・・・友麻はまたも負けてしまったらしい。
「まったく・・・『ピーターパン』の元ネタが、
作者の愛人の息子が見た夢とか、
一体どこでそんな知識仕入れてきますのよ・・・!」
友麻は悔しそうに唇を噛んだ。
「へへ、まあな」
ユキヤは得意気に笑う。黒川はその話を聞いて
ポカンとするしかなかった。
(でも・・・)
黒川は思った。こんなやり取りをしている二人だが、
やはりどこか楽しそうで、仲が良さそうに見えるのだ。
そんな光景を見て、黒川は心が暖かくなるのを感じた。
「そんなわけで妹ちゃんにはこの店の売上に
貢献してもらおうと思ってな。」
ユキヤは笑いながら言った。友麻も負けじと返す。
「ふん、良いですわ!この私が奢って差し上げますのよ!
さぁ!何でも好きな物をお頼みなさい!」
二人の会話を聞きながら、黒川は思わず笑ってしまった。
「そ、そういう事なら・・・遠慮なく」
黒川は店員を呼んで、メニュー表から好きな物を注文した。
***
テーブルでは友麻と黒川が食事を楽しみながら談笑している。
そして少し離れたカウンター席には
いつもとは違う服装の結衣が座っていた。
「わざわざご協力ありがとうございました。」
そしてカウンターに立つユキヤに深々と頭を下げた。
「俺は構わないけど、お姉ちゃんの方はそれでいいのか?」
「はい。これで貸し借りは無しですわ。」
結衣は微笑みながら言った。その笑顔にユキヤは思わずドキッとする。
(この双子・・・普通にしてれば可愛いんだよな)
「?どうかしました?」
不思議そうに自分を見つめる彼女に、ユキヤは慌てて答える。
「い、いや、何でもない!
しかしこんな形で妹ちゃんにお礼でいいの?」
どうやらこれは結衣からの差し金であったようだ。
「ええ、友麻の気持ちはありがたいですが、妹とはいえ
借りを作りっぱなしというわけにはまいりません」
ユキヤが結衣から『友麻に先日のデートの借りを返したい』
と相談を受けたのは先週の事だ。
そして、友麻との勝負を受けて勝ち、
彼ののバイト先である喫茶店に呼び出して、
黒川と食事をする機会を作ってくれと願い出たのだった。
(なるほど・・・姉ちゃんも妹ちゃんのこと考えてるんだな)
とユキヤは心の中で感心した。
「ところで、いいのか?せっかく妹ちゃんが、
君の事ために気をまわしてくれたのに・・・」
先日の結衣と黒川とのデートは、結衣の気持ちを察した
友麻が計画したものだった。
「ええ、構いませんわ。それに・・・」結衣は窓の外に視線を向ける。
「こういう事は私自身が自分で何とかしなければいかない事ですもの」
そこには、楽しそうに談笑する黒川と友麻の姿があった。
(そう・・・)結衣は思った。
(これは、私と彼の問題だもの)
「ま、そういう事なら俺は何も言わないけどさ」
ユキヤはぶっきらぼうに言ったあと、優しく微笑む。
「はい、ありがとうございます。」結衣は一礼した。
「しかし文学全集で予習した友麻に勝つなんて意外でしたわ。」
実は事前に結衣からカンニングの協力を申し出されていたが、
彼はそれを断って実力で勝利していた。
「そんな付け焼刃のにわか知識じゃ俺には勝てないさ」
ユキヤは得意げに笑った。結衣もつられて笑う。
「ふふっ、流石ですわ」
****
「・・・まいどあり!また売り上げに貢献してくれよ!」
「覚えてらっしゃい!次は負けませんのよ!!」
「・・・友麻さん、それじゃ悪役です。」
レジで手を振るユキヤに友麻は悪態をつきつつも
二人は店を後にした。
帰り道、友麻と黒川は街を歩く。
(思えば友麻様と二人きりで歩くのは初めてだな・・・)
黒川はそう考えていた。
すると、友麻が話しかけてきた。
「黒川さん」
「は、はい!」黒川は思わず声が裏返る。
そんな様子を友麻は微笑ましく思った。
「・・・今日、楽しかったですわね」彼は静かに頷いた。
「ええ、そうですね」友麻は黒川の手を取る。
そして優しく握った。
「これからも・・・姉共々よろしくお願いしますのよ」
そう言って、彼女は微笑んだ。
***
そうして試験も終わった後のある休日。
姉妹は屋敷の庭でお茶会を開いていた。
「こんなお天気のいい日にお茶会とは、
心が晴れ晴れとしますわね」
「ええ、本当に」姉妹は紅茶を飲みながら談笑している。
姉妹を挟んだ四角いテーブルの上には
紅茶とお茶菓子が並べられている。
そしてその下には・・・
裸で手足を拘束された黒川が足置きとして転がっていた。
「お前も気持ちいでしょう?文月」「ひゃ・・・ひゃい」
『文月』という従属名で呼ばれた黒川は快感に蕩けた顔で答えた。
彼の肉棒にはローターが巻き付けられている。
流石に地べたではなく、ビニールシートの上に寝かせられているが、
地面のゴツゴツした感じが背中に伝わってくる。
庭は高い塀に囲まれて外から見えることはなかったが、
野外でこんな事をさせられていると思うと妙な興奮があった。
「全く、この変態は・・・そんなに嬉しいのなら
もっとサービスしてあげますわよ」
結衣は黒川見下ろしながら、彼のの肉棒を足で踏みにじる。
「うぐっ・・・!」
あまりの痛みに黒川は思わず声を上げるが、
それはすぐに快感に変わっていく。
「あ、あぁぁぁっ・・ひぅっ!うぅぅ・・・」
そして、ローターによる刺激も相まって彼は絶頂に達してしまった。
「あら、もうイッてしまいましたの?」
「いくら外でも早すぎませんこと?」
姉妹は呆れたように笑う。しかし黒川には言い返す余裕はなかった。
「もしかして試験中はずっと我慢していましたの?」
友麻は黒川の肉棒を足で弄びながら尋ねる。
「は・・・はいぃ・・・」
黒川は恥ずかしそうに答える。その答えに、姉妹は顔を見合わせた。
「もしかして、私たちにこうされるのを心待ちにしていましたの?」
友麻は黒川の肉棒をつま先でグリグリと押しつぶす。
「あぐっ!ご、ごめんなさい・・・」
黒川は謝罪の言葉を口にするが、
それとは裏腹に彼のものは固くなっていた。
「あぁぁ・・・そんな・・・されたらぁ・・!」
そして再び絶頂を迎える。だがローターは止まっていないため、
ペニスに与えられる刺激が続いていた。「あ・・・ああぁあ・・・」
終わらない刺激に黒川は全身をピクピクと振るわせていた。
「あらあら、まだ元気そうですわ」
「これは徹底的にいじめてあげないといけませんわね」
結衣と友麻は黒川を見て笑う。
「も、もう無理です・・・こ・・・これ以上されたら・・・ひぅっ!」
黒川は涙目で訴えるが、姉妹はそれを無視する。
「大丈夫ですよ。ちゃんと私たちが可愛がってあげますから」
結衣と友麻はそう言うと、ローターのスイッチを強にした。
「ひゃううぅうう!!」
強烈な刺激に黒川は絶叫を上げる。
だが、それでも二人は手を緩めない。
「あははっ!文月、すごい声出しちゃってますよ」
「本当ですわね。そんなに気持ちいいんですの?」
結衣と友麻は笑いながら黒川の肉棒を足蹴にする。
黒川はもう何も考えられないくらい、頭の中が真っ白になっていた。
「はぁぅぅ・・・」
黒川は虚ろな目で、されるがままになっている。
「お姉さま、今回はちょっと新しい刺激を与えてみるのはいかがかしら」
「そうですわね。たまには違う方法で責めてみましょうか」
結衣と友麻は、そう言うと一度ローターのスイッチを切った。
「はぁ・・はぁ、はぁ・・・」
(やっと・・・止まった・・・)
黒川は解放されたことに安堵するが、すぐに次の地獄が待っていた。
「それじゃあこれはいかがかしら?」
結衣は黒川にアイマスクをする。「え・・・?なに、これ・・・」
視界を奪われた黒川は不安そうな声を上げる。
「大丈夫、すぐに気持ちよくなりますわ」
(何されるの・・・?!こわい!)
黒川は恐怖で震えていた。そんな彼の頭を撫でながら、結衣は耳元で囁く。
「すぐに怖くなくなりますわ」
そんな声と、じりじりと照り付ける太陽の光を
不安とともに肌で感じ取っていた。
そして不意に体を起こされ、、そのまま黒川の耳を舐め始める。
「ひゃんっ!」
突然の感触に、黒川は思わず声を上げる。
だが、それだけではなかった。
今度は首筋を舐められ、「あぁぁああ・・・」
黒川は切なげな声をあげてしまう。
更に次は思わぬところに舌が当たる感覚に襲われる。
「そ・・・そこは・・・」
そこは剃りあげられた頭皮だった・・・。
ぺろ・・・ぺちょ・・れろぉ・・・
「あ・・・あぁああ・・・そ、そんなとこ・・あぁ・・」
黒川はくすぐったさと、羞恥心と快感が
入り混じったような気持ちになり、悶える。
髪があったら絶対に味わうことのできない感触だ。
「うふふ、どうですか?気持ちいいでしょう?」
結衣は黒川の耳を舐めながら言う。
「はい・・・とても・・・」
黒川は恍惚とした表情で答える。
「頭皮も立派に性感帯になりますのよ」
友麻は黒川の後頭部を舐める。「ひゃうっ!」
黒川は思わず声を上げる。そして、今度は手で頭皮を撫でられる。
「あっ!ああぁぅぅ・・・」
黒川はその感触に身悶える。そして、また耳元で囁かれた。
「可愛いですわよ、とっても・・・」
その言葉に、黒川は顔を赤くする。
「文月、次は足を舐めなさい」友麻は黒川に命令した。
「・・・はい」
黒川は言われるままに、友麻の足に舌を這わせる。
(んんっ・・・)
舌から伝わる感触に黒川は思わず顔をしかめる。
だが、それでも必死に奉仕を続ける。
「あら、また元気になってきましたわね」
結衣は黒川の股間に手を伸ばし、彼の肉棒に触れる。
「ひゃうんっ!」
突然の刺激に、黒川は甲高い声を上げる。
「ふふっ、可愛い声ですわね」
結衣はそのまま黒川のものを手でしごく。
「うぁ・・・ああぁ・・・」
黒川は快感に耐え切れず甘い声をあげる。
「さ、言いなさい。お前が一番されたいことを」
結衣は黒川の耳元で囁く。「はぁ・・・はぁ・・・」
黒川は荒い息をしながら、答える。
「・・・その美しいおみ足で・・・
私の卑しく浅ましいモノを・・・踏みにじってくださいぃ!」
「よく言えましたわね」
結衣は黒川の頭を撫でる。
そして、彼の顔を自分の足の前に持ってきた。
「さ、今度は私のをお舐めなさい」
黒川は言われるままに舌を伸ばす。
そして、ゆっくりと舐める。「あ・・・ああ・・・」
舌に伝わる感触に、黒川は思わず声を上げる。
そして、結衣の足の指を丁寧にしゃぶる。
「いい子ね」
結衣は黒川の頭を優しく撫でる。
黒川はそれが嬉しくて、もっと激しく舐める。
「そろそろいいかしら」
結衣はそう言って黒川の口から足を離した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
黒川は名残惜しそうに、結衣の足を見つめる。
「まだ、舐めたいのですか?この変態!」
結衣は妖艶な笑みを浮かべながら、黒川に尋ねる。
「はい・・・」
黒川は恥ずかしそうに答える。
すると、結衣は彼の股間に足を移した。
「さあ、今度は私たちが足で踏んであげますわ。
変態のお前が一番されたいことなのでしょう?」
そう言うと、結衣と友麻は黒川のものを
左右から挟むようにして踏みつけた。「ああぁああ!!」
強烈な刺激に、黒川は絶叫を上げる。
しかしそれでも結衣の足の動きは止まらない。
「あぁあ!ダメぇええ!!」
黒川は涙を流しながら叫ぶが、姉妹たちは容赦しない。
「ほら、もっと感じなさい!この変態マゾ!」
黒川のものを踏みながら、結衣は言う。
「ひぎっ!ふぐっ!ふぎゃあぁぁぁ!!」
黒川はあまりの快感に意識を失いかけるが、
それでも何とか耐える。しかし、それも長くは続かなかった。
「う・・・あぁあ・・・」
とうとう限界を迎えた黒川は、結衣の足に大量の精液をぶちまける。
「あらあら、こんなに出して・・・」
2人は黒川のものから足を離すと、その足で彼のものを優しく撫でる。
「はぁ、はぁ・・・あぁあ・・・」
黒川はあまりの快感に放心状態になっていたが、
それでもなんとか意識を保っていた。だが・・・。
「ゆい・・さま・・ゆま・・さま・・・ずっと・・・わたしを」
黒川はうわ言のように呟く。
「生意気を言うのではありません。
お前に言われるまでもなく、ずっと可愛がってあげますわ」
結衣はそう言うと、再び黒川のものを踏みつける。「あぁああ!!」
黒川は再び絶頂を迎える。
そうして最後の1滴まで搾り取られた黒川は、
そのまま動かなくなった。
「あら、また気絶してしまいましたか」
結衣は黒川の頭を撫でながら言う。
「仕方ないですわね。今日はここまでにしておきましょうか」
「はい。昼のお楽しみとしては十分でしたわ。」
そう言って、友麻は黒川のアイマスクを外す。するとそこには、
恍惚とした表情を浮かべた彼の表情があった。
その顔を見て、姉妹は思わず笑みを浮かべるのだった・・・。
***
(我ながらどうかしてると思う・・・)
姉妹からあの頭皮舐めをされて以降、
黒川はいつもよりも念入りに頭を剃るようになった自分に気付く。
剃り残しどころかちょっと触ると指がくっついてしまうほど
ツルツルに剃りあげてしまっている。
(どうしよう、あの感触がどうしても忘れられない・・・)
そして暫くの間、自宅にいるときは無意識に
頭皮を触るのが癖になってしまっていた。
(きっとまたああされたくて仕方がないんだろうな・・・)
黒川は、自分がどんどん変態になっていることに気付きながらも、
それでも頭皮を触るのをやめられない。「あぁ・・・」
(また変な性癖に目覚めてしまったら・・・)
そう思うと少し不安になるが、それ以上に期待の方が大きかった。
(でもあのお二方からされたから、
気持ち良いだけかもしれないしな・・・)
あまりに特殊性が高いためか、黒川本人もこれが性癖なのか、
姉妹への好意からによるものなのかで迷っていた。
***
同じ頃、松葉姉妹の屋敷では・・・
「お姉さま、あの子すっかり頭を舐められることに
ハマってしまいましたのね・・・」
友麻が呆れ気味につぶやいた。
「・・・まだ新しい刺激にはまっているだけで、
しばらくしたら落ち着くとは思いますわ。
いくら性感帯になるとはいっても、性器や前立腺ほどの
刺激の強さや中毒性は無いはずですし・・・」
結衣もため息をつきながら言う。「まあ、しばらくは様子を見ましょう」
「それにしても、頭皮舐めなんて、
よっぽど気に入った子にしかやらないのに・・・」
「それだけ、文月の性癖にマッチしたということでしょうね」
結衣は黒川を哀れむように言う。
「まあ、あの子もそのうち飽きるでしょうし・・・」
「お姉さま・・・ひょっとしてあの子をますます
手放したくなくなっているのではないのですか?」
「そ、そんなことは・・・」
結衣は図星を突かれて動揺する。
「あんな素養を持った子、滅多にいませんもの」
「確かに、そうですわね・・・」
結衣は納得する。(まあ、いずれ飽きるでしょう)
そう思いながらも、結衣は黒川への興味が
ますます強くなっていくのだった・・・。
おわり
来週から試験なので試験前最後の休日だ。
しかし、彼は友麻に呼び出されていた。
(一体何だろう・・・)
そう思いながらも、彼はある喫茶店へ足を運ぶ。
扉を開けると、そこには友麻がいた。
「お待ちしておりましたわ、黒川さん」
友麻はにっこりと微笑んだ。そして、
彼の手を取って席へ誘導する。
「あ、はい、どうも・・・」
彼は戸惑いながらも促されるままに席に座った。
「・・・今日はまたどうして?」黒川には何が何だか分からない。
「それは・・・」友麻が気まずそうにしていると、
後ろから声をかける人物がいた。
「いらっしゃい、何でも好きな物奢ってくれるってさ。」
そう言いながら水を持ってきた店員・・・ユキヤであった。
「さ、茶木先輩?!どうしてここに?」「いや俺のバイト先だし」
「あ、そういう事で・・・でも、ゆ、友麻・・さん、これはどういう?」
ますますわけが分からないといった黒川にユキヤが軽く説明する。
「要はまた俺の勝ちって事だよ」
「え?」
黒川はぽかんと口を開ける。友麻が話を続ける。
「・・・先日の勝負は私の負けでしたの」
珍しく苦々しい口調だ。
「え?じゃあ・・・」
黒川はここでようやく先日の図書館でのやり取りを思い出す。
本に関する知識の勝負・・・友麻はまたも負けてしまったらしい。
「まったく・・・『ピーターパン』の元ネタが、
作者の愛人の息子が見た夢とか、
一体どこでそんな知識仕入れてきますのよ・・・!」
友麻は悔しそうに唇を噛んだ。
「へへ、まあな」
ユキヤは得意気に笑う。黒川はその話を聞いて
ポカンとするしかなかった。
(でも・・・)
黒川は思った。こんなやり取りをしている二人だが、
やはりどこか楽しそうで、仲が良さそうに見えるのだ。
そんな光景を見て、黒川は心が暖かくなるのを感じた。
「そんなわけで妹ちゃんにはこの店の売上に
貢献してもらおうと思ってな。」
ユキヤは笑いながら言った。友麻も負けじと返す。
「ふん、良いですわ!この私が奢って差し上げますのよ!
さぁ!何でも好きな物をお頼みなさい!」
二人の会話を聞きながら、黒川は思わず笑ってしまった。
「そ、そういう事なら・・・遠慮なく」
黒川は店員を呼んで、メニュー表から好きな物を注文した。
***
テーブルでは友麻と黒川が食事を楽しみながら談笑している。
そして少し離れたカウンター席には
いつもとは違う服装の結衣が座っていた。
「わざわざご協力ありがとうございました。」
そしてカウンターに立つユキヤに深々と頭を下げた。
「俺は構わないけど、お姉ちゃんの方はそれでいいのか?」
「はい。これで貸し借りは無しですわ。」
結衣は微笑みながら言った。その笑顔にユキヤは思わずドキッとする。
(この双子・・・普通にしてれば可愛いんだよな)
「?どうかしました?」
不思議そうに自分を見つめる彼女に、ユキヤは慌てて答える。
「い、いや、何でもない!
しかしこんな形で妹ちゃんにお礼でいいの?」
どうやらこれは結衣からの差し金であったようだ。
「ええ、友麻の気持ちはありがたいですが、妹とはいえ
借りを作りっぱなしというわけにはまいりません」
ユキヤが結衣から『友麻に先日のデートの借りを返したい』
と相談を受けたのは先週の事だ。
そして、友麻との勝負を受けて勝ち、
彼ののバイト先である喫茶店に呼び出して、
黒川と食事をする機会を作ってくれと願い出たのだった。
(なるほど・・・姉ちゃんも妹ちゃんのこと考えてるんだな)
とユキヤは心の中で感心した。
「ところで、いいのか?せっかく妹ちゃんが、
君の事ために気をまわしてくれたのに・・・」
先日の結衣と黒川とのデートは、結衣の気持ちを察した
友麻が計画したものだった。
「ええ、構いませんわ。それに・・・」結衣は窓の外に視線を向ける。
「こういう事は私自身が自分で何とかしなければいかない事ですもの」
そこには、楽しそうに談笑する黒川と友麻の姿があった。
(そう・・・)結衣は思った。
(これは、私と彼の問題だもの)
「ま、そういう事なら俺は何も言わないけどさ」
ユキヤはぶっきらぼうに言ったあと、優しく微笑む。
「はい、ありがとうございます。」結衣は一礼した。
「しかし文学全集で予習した友麻に勝つなんて意外でしたわ。」
実は事前に結衣からカンニングの協力を申し出されていたが、
彼はそれを断って実力で勝利していた。
「そんな付け焼刃のにわか知識じゃ俺には勝てないさ」
ユキヤは得意げに笑った。結衣もつられて笑う。
「ふふっ、流石ですわ」
****
「・・・まいどあり!また売り上げに貢献してくれよ!」
「覚えてらっしゃい!次は負けませんのよ!!」
「・・・友麻さん、それじゃ悪役です。」
レジで手を振るユキヤに友麻は悪態をつきつつも
二人は店を後にした。
帰り道、友麻と黒川は街を歩く。
(思えば友麻様と二人きりで歩くのは初めてだな・・・)
黒川はそう考えていた。
すると、友麻が話しかけてきた。
「黒川さん」
「は、はい!」黒川は思わず声が裏返る。
そんな様子を友麻は微笑ましく思った。
「・・・今日、楽しかったですわね」彼は静かに頷いた。
「ええ、そうですね」友麻は黒川の手を取る。
そして優しく握った。
「これからも・・・姉共々よろしくお願いしますのよ」
そう言って、彼女は微笑んだ。
***
そうして試験も終わった後のある休日。
姉妹は屋敷の庭でお茶会を開いていた。
「こんなお天気のいい日にお茶会とは、
心が晴れ晴れとしますわね」
「ええ、本当に」姉妹は紅茶を飲みながら談笑している。
姉妹を挟んだ四角いテーブルの上には
紅茶とお茶菓子が並べられている。
そしてその下には・・・
裸で手足を拘束された黒川が足置きとして転がっていた。
「お前も気持ちいでしょう?文月」「ひゃ・・・ひゃい」
『文月』という従属名で呼ばれた黒川は快感に蕩けた顔で答えた。
彼の肉棒にはローターが巻き付けられている。
流石に地べたではなく、ビニールシートの上に寝かせられているが、
地面のゴツゴツした感じが背中に伝わってくる。
庭は高い塀に囲まれて外から見えることはなかったが、
野外でこんな事をさせられていると思うと妙な興奮があった。
「全く、この変態は・・・そんなに嬉しいのなら
もっとサービスしてあげますわよ」
結衣は黒川見下ろしながら、彼のの肉棒を足で踏みにじる。
「うぐっ・・・!」
あまりの痛みに黒川は思わず声を上げるが、
それはすぐに快感に変わっていく。
「あ、あぁぁぁっ・・ひぅっ!うぅぅ・・・」
そして、ローターによる刺激も相まって彼は絶頂に達してしまった。
「あら、もうイッてしまいましたの?」
「いくら外でも早すぎませんこと?」
姉妹は呆れたように笑う。しかし黒川には言い返す余裕はなかった。
「もしかして試験中はずっと我慢していましたの?」
友麻は黒川の肉棒を足で弄びながら尋ねる。
「は・・・はいぃ・・・」
黒川は恥ずかしそうに答える。その答えに、姉妹は顔を見合わせた。
「もしかして、私たちにこうされるのを心待ちにしていましたの?」
友麻は黒川の肉棒をつま先でグリグリと押しつぶす。
「あぐっ!ご、ごめんなさい・・・」
黒川は謝罪の言葉を口にするが、
それとは裏腹に彼のものは固くなっていた。
「あぁぁ・・・そんな・・・されたらぁ・・!」
そして再び絶頂を迎える。だがローターは止まっていないため、
ペニスに与えられる刺激が続いていた。「あ・・・ああぁあ・・・」
終わらない刺激に黒川は全身をピクピクと振るわせていた。
「あらあら、まだ元気そうですわ」
「これは徹底的にいじめてあげないといけませんわね」
結衣と友麻は黒川を見て笑う。
「も、もう無理です・・・こ・・・これ以上されたら・・・ひぅっ!」
黒川は涙目で訴えるが、姉妹はそれを無視する。
「大丈夫ですよ。ちゃんと私たちが可愛がってあげますから」
結衣と友麻はそう言うと、ローターのスイッチを強にした。
「ひゃううぅうう!!」
強烈な刺激に黒川は絶叫を上げる。
だが、それでも二人は手を緩めない。
「あははっ!文月、すごい声出しちゃってますよ」
「本当ですわね。そんなに気持ちいいんですの?」
結衣と友麻は笑いながら黒川の肉棒を足蹴にする。
黒川はもう何も考えられないくらい、頭の中が真っ白になっていた。
「はぁぅぅ・・・」
黒川は虚ろな目で、されるがままになっている。
「お姉さま、今回はちょっと新しい刺激を与えてみるのはいかがかしら」
「そうですわね。たまには違う方法で責めてみましょうか」
結衣と友麻は、そう言うと一度ローターのスイッチを切った。
「はぁ・・はぁ、はぁ・・・」
(やっと・・・止まった・・・)
黒川は解放されたことに安堵するが、すぐに次の地獄が待っていた。
「それじゃあこれはいかがかしら?」
結衣は黒川にアイマスクをする。「え・・・?なに、これ・・・」
視界を奪われた黒川は不安そうな声を上げる。
「大丈夫、すぐに気持ちよくなりますわ」
(何されるの・・・?!こわい!)
黒川は恐怖で震えていた。そんな彼の頭を撫でながら、結衣は耳元で囁く。
「すぐに怖くなくなりますわ」
そんな声と、じりじりと照り付ける太陽の光を
不安とともに肌で感じ取っていた。
そして不意に体を起こされ、、そのまま黒川の耳を舐め始める。
「ひゃんっ!」
突然の感触に、黒川は思わず声を上げる。
だが、それだけではなかった。
今度は首筋を舐められ、「あぁぁああ・・・」
黒川は切なげな声をあげてしまう。
更に次は思わぬところに舌が当たる感覚に襲われる。
「そ・・・そこは・・・」
そこは剃りあげられた頭皮だった・・・。
ぺろ・・・ぺちょ・・れろぉ・・・
「あ・・・あぁああ・・・そ、そんなとこ・・あぁ・・」
黒川はくすぐったさと、羞恥心と快感が
入り混じったような気持ちになり、悶える。
髪があったら絶対に味わうことのできない感触だ。
「うふふ、どうですか?気持ちいいでしょう?」
結衣は黒川の耳を舐めながら言う。
「はい・・・とても・・・」
黒川は恍惚とした表情で答える。
「頭皮も立派に性感帯になりますのよ」
友麻は黒川の後頭部を舐める。「ひゃうっ!」
黒川は思わず声を上げる。そして、今度は手で頭皮を撫でられる。
「あっ!ああぁぅぅ・・・」
黒川はその感触に身悶える。そして、また耳元で囁かれた。
「可愛いですわよ、とっても・・・」
その言葉に、黒川は顔を赤くする。
「文月、次は足を舐めなさい」友麻は黒川に命令した。
「・・・はい」
黒川は言われるままに、友麻の足に舌を這わせる。
(んんっ・・・)
舌から伝わる感触に黒川は思わず顔をしかめる。
だが、それでも必死に奉仕を続ける。
「あら、また元気になってきましたわね」
結衣は黒川の股間に手を伸ばし、彼の肉棒に触れる。
「ひゃうんっ!」
突然の刺激に、黒川は甲高い声を上げる。
「ふふっ、可愛い声ですわね」
結衣はそのまま黒川のものを手でしごく。
「うぁ・・・ああぁ・・・」
黒川は快感に耐え切れず甘い声をあげる。
「さ、言いなさい。お前が一番されたいことを」
結衣は黒川の耳元で囁く。「はぁ・・・はぁ・・・」
黒川は荒い息をしながら、答える。
「・・・その美しいおみ足で・・・
私の卑しく浅ましいモノを・・・踏みにじってくださいぃ!」
「よく言えましたわね」
結衣は黒川の頭を撫でる。
そして、彼の顔を自分の足の前に持ってきた。
「さ、今度は私のをお舐めなさい」
黒川は言われるままに舌を伸ばす。
そして、ゆっくりと舐める。「あ・・・ああ・・・」
舌に伝わる感触に、黒川は思わず声を上げる。
そして、結衣の足の指を丁寧にしゃぶる。
「いい子ね」
結衣は黒川の頭を優しく撫でる。
黒川はそれが嬉しくて、もっと激しく舐める。
「そろそろいいかしら」
結衣はそう言って黒川の口から足を離した。
「はぁ・・・はぁ・・・」
黒川は名残惜しそうに、結衣の足を見つめる。
「まだ、舐めたいのですか?この変態!」
結衣は妖艶な笑みを浮かべながら、黒川に尋ねる。
「はい・・・」
黒川は恥ずかしそうに答える。
すると、結衣は彼の股間に足を移した。
「さあ、今度は私たちが足で踏んであげますわ。
変態のお前が一番されたいことなのでしょう?」
そう言うと、結衣と友麻は黒川のものを
左右から挟むようにして踏みつけた。「ああぁああ!!」
強烈な刺激に、黒川は絶叫を上げる。
しかしそれでも結衣の足の動きは止まらない。
「あぁあ!ダメぇええ!!」
黒川は涙を流しながら叫ぶが、姉妹たちは容赦しない。
「ほら、もっと感じなさい!この変態マゾ!」
黒川のものを踏みながら、結衣は言う。
「ひぎっ!ふぐっ!ふぎゃあぁぁぁ!!」
黒川はあまりの快感に意識を失いかけるが、
それでも何とか耐える。しかし、それも長くは続かなかった。
「う・・・あぁあ・・・」
とうとう限界を迎えた黒川は、結衣の足に大量の精液をぶちまける。
「あらあら、こんなに出して・・・」
2人は黒川のものから足を離すと、その足で彼のものを優しく撫でる。
「はぁ、はぁ・・・あぁあ・・・」
黒川はあまりの快感に放心状態になっていたが、
それでもなんとか意識を保っていた。だが・・・。
「ゆい・・さま・・ゆま・・さま・・・ずっと・・・わたしを」
黒川はうわ言のように呟く。
「生意気を言うのではありません。
お前に言われるまでもなく、ずっと可愛がってあげますわ」
結衣はそう言うと、再び黒川のものを踏みつける。「あぁああ!!」
黒川は再び絶頂を迎える。
そうして最後の1滴まで搾り取られた黒川は、
そのまま動かなくなった。
「あら、また気絶してしまいましたか」
結衣は黒川の頭を撫でながら言う。
「仕方ないですわね。今日はここまでにしておきましょうか」
「はい。昼のお楽しみとしては十分でしたわ。」
そう言って、友麻は黒川のアイマスクを外す。するとそこには、
恍惚とした表情を浮かべた彼の表情があった。
その顔を見て、姉妹は思わず笑みを浮かべるのだった・・・。
***
(我ながらどうかしてると思う・・・)
姉妹からあの頭皮舐めをされて以降、
黒川はいつもよりも念入りに頭を剃るようになった自分に気付く。
剃り残しどころかちょっと触ると指がくっついてしまうほど
ツルツルに剃りあげてしまっている。
(どうしよう、あの感触がどうしても忘れられない・・・)
そして暫くの間、自宅にいるときは無意識に
頭皮を触るのが癖になってしまっていた。
(きっとまたああされたくて仕方がないんだろうな・・・)
黒川は、自分がどんどん変態になっていることに気付きながらも、
それでも頭皮を触るのをやめられない。「あぁ・・・」
(また変な性癖に目覚めてしまったら・・・)
そう思うと少し不安になるが、それ以上に期待の方が大きかった。
(でもあのお二方からされたから、
気持ち良いだけかもしれないしな・・・)
あまりに特殊性が高いためか、黒川本人もこれが性癖なのか、
姉妹への好意からによるものなのかで迷っていた。
***
同じ頃、松葉姉妹の屋敷では・・・
「お姉さま、あの子すっかり頭を舐められることに
ハマってしまいましたのね・・・」
友麻が呆れ気味につぶやいた。
「・・・まだ新しい刺激にはまっているだけで、
しばらくしたら落ち着くとは思いますわ。
いくら性感帯になるとはいっても、性器や前立腺ほどの
刺激の強さや中毒性は無いはずですし・・・」
結衣もため息をつきながら言う。「まあ、しばらくは様子を見ましょう」
「それにしても、頭皮舐めなんて、
よっぽど気に入った子にしかやらないのに・・・」
「それだけ、文月の性癖にマッチしたということでしょうね」
結衣は黒川を哀れむように言う。
「まあ、あの子もそのうち飽きるでしょうし・・・」
「お姉さま・・・ひょっとしてあの子をますます
手放したくなくなっているのではないのですか?」
「そ、そんなことは・・・」
結衣は図星を突かれて動揺する。
「あんな素養を持った子、滅多にいませんもの」
「確かに、そうですわね・・・」
結衣は納得する。(まあ、いずれ飽きるでしょう)
そう思いながらも、結衣は黒川への興味が
ますます強くなっていくのだった・・・。
おわり
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