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第61話:そして僕らの向かうところは?(その1)

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「白石さーん!ここのマイクどうした?」
「あ、今持っていきます!」
すみれは今日、友達と一緒に短期のイベントスタッフバイトに参加していた。
このイベント会場にはたくさんのブースがあり、それぞれのお店や企業の宣伝をしている。
その宣伝用のマイクなどの備品のチェックをしていたのだが、うっかり忘れていたようだ。

急いで取りに行き戻ってこようとすると、ちょうど目の前にスーツ姿の男性がいた。
男性はすみれの顔を見ると立ち止まり、「調子はどうですか?白石さん」
「ああ藤田さん、おはようごさいます」
藤田と呼ばれたこの男性はイベントの主催会社の社員で、すみれたちの指導担当だ。

年齢は20代後半ぐらいだろうか?しかし年齢にそぐわない貫禄と落ち着きを見せていた。
身長は高く体格も良く、短く刈り上げた髪型が似合っている男らしいイケメンだった。
そんな彼がすみれを見て少し驚いたような顔をしていた。

「備品の配置は予定通り済んでいますか?」
「はい、バッチリです。……あの何か問題でもありましたでしょうか?」
「いえ、ただ随分雰囲気が変わったものだと思ってね」
「えっと、そうですね……。まぁ色々とありまして……」
「ふむ、それは何よりです。それでは頑張ってください」
「ありがとうございます。失礼します」
軽く挨拶を交わしてその場を離れることにした。

「すみれ、大丈夫?」友人が声をかける。
「え?別に何でもないけど・・・」
「だって、あの人ちょっと怖そうじゃん」
「うん?確かに目つきは鋭いかもだけど、怖いってほどじゃないよ」
「へぇ~そうなんだ。でもなんか、あんたの事見て驚いてなかった?」
「気のせいだよきっと。それより早く片付けよう」

その後もテキパキと仕事をこなしたすみれだったが、
先ほどの男性の事が頭から離れずにいた。
(なんだろう?私、何か変なことしちゃったかな?)

そして休憩時間。
すみれは友人たちと談笑していた。
「しかしここ若い社員さん多いよね~」
「知らないの?ここってが大学生の女性が立ち上げたって有名なんだよ?!
だから雇っている社員の平均年齢も他よりもグッと若いんだって。」
「ほほう。つまり私たちのようなピチピチの女子大生が
いっぱいいるというわけじゃな?!」
「そうそう!しかもここの会社の男性陣は
みんな若くてカッコいいっていう噂なんだから!」
「おぉっ!!これは期待できるのぅ!!」

彼女たちがはしゃぐ中、友人の一人がすみれに言う。
「でもすみれはあんまり関係ないかな~」
「どういうこと?私は年増っぽいって言いたいの??」
すみれはムッとした表情を見せる。
 
「違うわよ。あんたが彼氏持ちだからよ。しかもあっちの方がゾッコンだって」
「そ・・そんなことは・・・」すみれが顔を赤らめてそう言いかけた時、
スマホからメッセージ受信の音がする。

「ほれ見なさい!」
「はいはい。私の負けですよーだ」
すみれは苦笑いを浮かべながらスマホを確認する。
するとユキヤからのメッセージが届いていた。
『お疲れ様。俺はこれからバイトだけどそっちはどう?』

「何?やっぱ彼氏から?もうすぐ休憩時間終わるから
返事なら急いだほうがいいよ。」
そう聞いてすみれは慌てて返事を打とうとするも、
焦るあまり手を滑らせてスマホを落としてしまう。
「あっ!」あわや床に落ちそうになったスマホだが、
通りすがりの人間が身をかがめて受け取った。

スマホを受け止めた人物は藤田だった。
「すみません。拾っていただいてありがとうございます。」
「いえ、気にしないでください。
しかし休憩時間とはいえ勤務時間内ですからね。
あまりはしゃぎ過ぎないようにお願いします。」
そう言って眉一つ動かさずにスマホをわたすと、藤田は立ち去った。

「相変わらずクールねぇ。」
すみれの友人たちは口々にそう言った。
「さっきの人、ちょっと怖くなかった?」
「そう?結構優しそうな雰囲気してたと思うけど」
そんな友人たちの評価に
「・・・ちょっと無愛想だけど、理不尽に怒ったりはしないから」
とすみれがフォローした。

「まぁあんたは優しいもんね。」
「ところであんた、返事打たなくていいの?」
「ああ!わすれてた!!」
「・・・やれやれ」

****

同じ日。
ユキヤはユキヤでバイトに勤しんでいた。
カウンターには相変わらず浅葱がいる。「最近彼女さんとはどうっスか?」
この挨拶ももはや定番だ。
「う~ん、なんか最近ちょっと予定が合わないんですよね~」
「えっ、何か心当たりはないっスか?!」
こうして浅葱が相談に乗る流れも定番だ。

「それが全然ないんだよな~・・・もうすぐホワイトデーなぐらいですかね?」
「それじゃないっスか?!きっとプレゼントを催促されてるっス!」
「・・・プレゼントは一応考えてますがね」
それを聞い浅葱は一瞬考えて、
「・・・もしかしたら、彼女さん自身欲しいものが出来て、
それをなかなか言い出せずにいるとか?」
「・・・なるほど。確かにあり得るかもですね」
「でも、なんで俺に黙ってるんだろうな・・・」
「ひょっとしたら、学生じゃ手が出ないほど高価なものか・・・
あるいはよっぽど言い出しにくいものか?」「前者だと困るなあ。」
「後者となると・・・例えば」
「例えば?」

「・・・さっちゃんの後ろの処女とか?」

「ちょっ、いきなり何うんですか!!それにセクハラです!それは!!!」
ユキヤは顔を真っ赤にして返す。
「へへへ冗談っス。」
「全く、笑えないですから・・・。」
本当に笑えなかった。

「大体女の子がどうやって奪うんですか・・・」
「そこはほら、色々と方法があるっスよ・・・例えば・・・」
「お願いですからそれ以上言わないで!!」
ユキヤも流石に必死になって止める。

「まぁとにかく、彼女が何を欲しがっているかは分からないっスけど、 
まずは彼女の気持ちを確かめないとダメだと思うっスよ。」
「・・・ですよね。」
「お返しを期待してるなら、なおさらっス。」
「・・・分かりました。ちょっと聞いてみます。」

****

「では、今日は皆様お疲れさまでした。
明日は撤収作業もありますからよろしくお願いします。」
夕刻、イベント初日が無事に終了し、藤田がすみれたちに挨拶する。
「はい、ありがとうございました。」
すみれたちもそれに答える。
「それじゃ、またね。」
「おう、バイバ~イ。」
「・・・さよなら。」
それぞれ別れのあいさつを交わし、帰路につく。

「あ、白石さん・・・」藤田がすみれに声をかけた。「はい?」
「いえ・・・何でもありません。失礼しました。」
「??????」
すみれは不思議そうな顔をしてその場を後にした。

****

「ホワイトデーのプレゼント?」

夜、ユキヤがすみれに尋ねる。
「ああ、そういえば今月だったね。」
「・・で、何が欲しいのかなってさ・・・ひぅ!」
ユキヤがそう言い終わらないうちにすみれがユキヤの乳首を引っ張った。
現在プレイの真っ最中である。(聞くタイミングを誤ったかも・・・。)

「ん~?そんなこと急に聞かれてもな~?」
「うぐぅ・・・!やめろってぇ!」
今度はユキヤの乳首をつねるすみれ。
「う~ん、そうだな~・・・」
しばらく考えるそぶりを見せるすみれ。
そしてユキヤの身体をペロリと舐める。
「はぅん・・・」
ユキヤの口から声が出る。その瞬間、すみれがユキヤの耳元でささやく。
「ユキちゃんのおっぱいかな?」
「ひぃっ・・・」ユキヤの顔が青ざめた。

「冗談だってば。ユキちゃんがくれるものなら何でも嬉しいよ」
「ほんとかよぉ・・・」
「本当だよ。だからさ、あんまり深く考えなくていいんだよ」
「分かったよ・・・」
(といっても、本当になんでもいいわけじゃないからなぁ)
ユキヤは少し不安になった。

それを見たすみれが「・・・なんて顔してんの?」
とユキヤのわきの下に舌を這わせる。
「ふわぁぁっ!ちょっ!くすぐってえよ!」
「ほれほれ、笑って笑って♪」
「ちょっ!やめっ!あはははははははははははははっ!!」
ユキヤが身をよじらせるが、頭上で手首を拘束されているため
逃げられない。
「・・・なんか、お前最近舐めるの多くないか?」
「今のユキちゃんの身体、舐めやすいもん。」
すみれがユキヤの腋を撫でながら言った。
そこに腋毛は存在していない。「そういう問題じゃねえだろ!?」
以前体毛を処理されて以降、相変わらず伸び出した傍から
すみれにすべて処理されていた。

そのせいで最近は色んな所が敏感になった気がしている。
(すみれは楽しそうにしてるけど・・・男としてどうなんだろう)
ユキヤは自分の境遇に少し悲しくなった。

「ほらここなんか特に敏感だし」
すみれはユキヤの股間を指でつついた。
「ちょっ・・・そこは関係ねぇだろ!」
「でもほら、こんなにビンビンに勃起しちゃってるし」
「う・・・それは・・・」
「まあ、この状態では何もできないよね?」
「・・・くそっ」
「このまま放置しちゃおうかな~」
「・・・勘弁してくれ」

「じゃあ、私が手伝ってあげるね?」
すみれがユキヤのペニスを握り、上下にしごき始めた。
「はぅっ・・・」
「ユキちゃん、気持ちいい?」
「・・・別に。」
「素直じゃないな~」
そんなユキヤを見て、すみれを両手で捏ねるように優しく触っていく。
「はぅん・・・」
ユキヤが喘ぎ声を上げる。「うりゃうりゃ」すみれは手を緩めない。
「や、やめろってぇ・・・」
「もう、ユキちゃんはかわいいなぁ」
「うぅ・・・」
「自分じゃどうにもできないもんね」
「うるせえ・・・」
そんな言葉とは裏腹にユキヤの顔は真っ赤になっていく・・・
「ほーら、おちん○んビクビクしてきたよ?」
「あ、あぁっ・・・!」
ユキヤの息遣いが激しくなり、射精感が高まっていく。

「そろそろイキたい?」
「あ、ああ・・・」
「じゃあさ、自分でお願いしてみてよ」
「うぅ・・・」
「ほら早く」
「・・・」
「言わないとイカせてあげないよ?」
「ぐぅぅ・・・」
「さっきみたいに乳首いじっちゃおうかな~?」
すみれがユキヤの乳首を摘む。「ひぅぅぅ・・・」

「ほ~れほれ」
「や、やめてぇ・・・」
「じゃあ、言って?」
「うぅ・・・」
「言ってくれなきゃ手ぇ放しちゃうよ」
「ぐぅぅ・・・」
「あ~あ、残念だな~」
「・・・て」
「ん?何?聞こえなかった」
「・・・いか・・・せて」
「ん~?よく分からないな~?」
「・・・いかせてください・・・お願いです」
「何を?」
「俺の・・・ち○ぽを・・・いかせて下さい!」
ユキヤが顔を赤くしながら懇願する。

「ふふん、良くできました♪」
すみれはそう言うと、ユキヤの口に何かをはめる。
「・・・・!?」
「近所の人にうるさいって言われちゃったんだよね?
だからさ、今日はこれつけてようか?」

「むぐうっ!?」

とまどうユキヤにすみれは続ける。
「さすがにこれをつけるのは初めてだけどさ、
きっとユキちゃんも気に入ると思うよ」
口にはめられたのはボールギャグだった・・・。
「ふふふ、似合ってるよユキちゃん♪」

「ふがぁっ!」(外せよ!)
「怒ってもしょうがないでしょ。ユキちゃんが声落せないんだから」
「んぐぅ・・・」
だからといって手足の自由だけでなく、声まで奪われるのは納得いかない。

「ふー!ふー!」
ユキヤが声にならない抗議をする。
「もう、聞き分けが悪いと朝まで放置しちゃうよ!」
「んんんんんん!!!!!」
その一言が効いたのか、一気に大人しくなる。
「じゃ、続きしよっか」
すみれがユキヤのペニスを優しくしごいていく。
「んん・・・んぅぅ・・・」それでもユキヤの表情は不満で一杯だった。

「気持ちいいでちゅねー」
「んんっ・・・!」
「ほら、我慢しないで出しちゃいなよ」
「ふぐっ・・・むぐぅうう・・・」
「ほらほらほら」
「んっんん・・・!!!」
ユキヤの身体が大きく痙攣し、大量の精液が放出される。

「いっぱい出たね~」
すみれがユキヤのペニスをティッシュで拭き取る。
「ふぅぅぅ・・・」
ユキヤは肩を上下させながら呼吸を整えていた。
「気持ちよかった?」
「ヒュー、ヒュー・・・」響くのは呼吸音ばかりだった。
「返事しないとまたくすぐっちゃうぞ?」
「うっうっ・・・はぅ!」必死に声を出す。
「おー、えらいえらい」すみれが微笑む。「んん・・・」

「ま、とりあえずさ、お風呂入ってきなよ。汗かいたし」
すみれはそう言ってボールギャグを外す。
「・・・ぷはぁ!はぁ、はぁ・・・もうこんなのは勘弁してくれよ・・・」
ユキヤは拘束を解かれると、呼吸を整えて浴室へと向かった。

(今日は甘々で優しくしようと思ったけど・・・ああいう反応が可愛くて、
つい、あんなふうに弄んじゃうんだよなぁ・・・)
ユキヤの反応を思い出し、思わず笑みを浮かべるすみれ。
(私が欲しいもの・・・それはきっとユキちゃんのすべて)

ユキヤのすべてが愛おしかった。
(だから一杯気持ちよくしてあげて、すべてを奪いたい・・・)
すみれはベッドに寝転ぶ。そして目を閉じた。
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