262 / 282
ドラゴンと独立宣言の章
とりあえずまずは流通から
しおりを挟む
リットリオの問題が片付いたと思った矢先がこれだ。陛下や親父達との関係がなかったらとっくに亡命してたかも知れん。
「邪魔くさい・・・」
「まったくです!」
口に出した俺も大概だが、隣で普通に同意するアレクシアも大概だな。もそっと立場を勉強しないとなー。
「リットリオはなんとかなったし、とりあえず頑張ってる文官の人達の為に流通はなんとかしてやるつもりだ」
「しれっと言いましたがリットリオの案件はかなりややこしい話ではなかったのです?」
「ややこしかった・・・、いろいろとな」
得るものも多かったがそのぶん面倒も多かった。伝が思わず出来たのと、案内があったから大丈夫だったが下手すると年単位で時間がかかったのではなかろうか。
「まぁ、細かい調整をする必要があるだろうが大まかには大丈夫かな」
「誰と話して来たのか凄く気になります、誰と話して来たのです?」
「皇太子殿下とアンジェリーノ侯爵だ」
気になりますとの事なので教えてやるとアレクシアは一瞬フリーズした様子であった。
「今、どちら様と?」
「だから、リットリオの皇太子殿下とその祖父に当たるアンジェリーノ侯爵だな。侯爵とはまた酒でもと約束も取り付けて来たよ」
「うーん、私はヴォル兄をまだまだ過小評価していたのでしょうか・・・?」
アレクシアが首をこてんと傾げる。かわいい。じゃなくて、そんなにすごいことか?
まあ、アレクシアはどちらかというと常識的な部類だし・・・、そうなのか?
「うーん、しかし成り行きで・・・」
「成り行きで他国の皇太子やその祖父にあたるリットリオの要職につく人物と親交を結べるのですか?」
そういわれると難しい。厳しいね。とりあえず俺はやることやって帰ってきたが・・・。
そんなにすごい事とは深く考えたこともなかったがなぁ。
「・・・とりあえずそれは置いとけ、難しいだけだ。きっと運がよかったんだよ」
「運ですかぁ・・・まぁ、そうなるんでしょうか?」
かなり納得いかなそうなアレクシアだが俺たちが話し合うべきはそれじゃない。
木材を流通させ、復興事業を滞りなく進行させることだ。今は木材だけだがこれから大型の資材なんかが必要になったり、大量の物資が必要になったときに流通を考える必要がある。
「木材に関してはしばらくは俺がなんとかするが・・・そのあとだ」
「しばらくでもなんとかなる術があるのが凄い状態なのですが」
「揚げ足ばかりとるな、それより本国にはどうにかならないか?」
「うーん、軍用の馬を動員したいところですが・・・」
そうなると今度はかなり大がかりになる。それに軍用馬は訓練された良馬ばかりだが・・・、そのぶん飼料もケアも専門のものが必要になる。
「どれだけ金がかかるかわからん」
「私でもそれくらいはわかる気がしますよ、馬も生き物ですし・・・病気もします」
軍用馬の扱いに心得のあるアレクシアもその手間とそれにかかるであろう資金などには想像ができたようだった。
「こうなるとぶっちゃけちゃうべきか?」
「何をです?」
「実は生物に頼らない物資の大量輸送ができる乗り物がある」
「そうなんですか?!」
「数はあるが・・・公表するのとまた騒ぎになりそうでな」
「領民のためと納得していただくのは難しいほどですか?」
「そう言われると辛いな、他ならぬ君の頼みなら」
そう言うとアレクシアは微笑みながら俺に歩み寄る。試すような、いたずらっぽい笑みだ。薄いシャツから浮かぶボディラインは魅惑的で、微かな汗の匂いが俺の本能に語り掛けるようだ。
「それは、私が王女だから?それとも・・・」
「もちろん、君だから・・・そうだろ?アレクシア」
俺は逆に彼女の顎を持ち上げてまっすぐ見つめる。火遊びするにはまだまだ若いぞ、アレクシア。
「う・・・その、・・・あのぅ」
「恥ずかしいなら大の大人を試すような真似はよせよ、特に歳上を相手にするときはな」
まっすぐ見つめるとあっという間に彼女は赤くなった。ホレてくれてるって都合のいい考え方もあるが、それを他所に置いたとしても彼女はまだまだ初だな。
「一回、いたしてみるか?」
「それは・・・あの、せめて着替えてから・・・」
「ははは、それは無理な相談だな」
そんな薄いシャツ一枚で俺を試した君が悪い。ドアを閉めて鍵を掛けると彼女を壁に追いやる。
「神を試すものは罰を受ける、なんてどこかの書物にあったが・・・自分より上手の人間にしてみれば誰に対してだって似たようなもんさ。観念するんだな」
「そ、そのお手柔らかに・・・」
俺はアレクシアの言葉をキスで遮ると、笑みを浮かべる。対する彼女は少し怯えた感じだったが・・・まあ、覚悟してもらおう。
「邪魔くさい・・・」
「まったくです!」
口に出した俺も大概だが、隣で普通に同意するアレクシアも大概だな。もそっと立場を勉強しないとなー。
「リットリオはなんとかなったし、とりあえず頑張ってる文官の人達の為に流通はなんとかしてやるつもりだ」
「しれっと言いましたがリットリオの案件はかなりややこしい話ではなかったのです?」
「ややこしかった・・・、いろいろとな」
得るものも多かったがそのぶん面倒も多かった。伝が思わず出来たのと、案内があったから大丈夫だったが下手すると年単位で時間がかかったのではなかろうか。
「まぁ、細かい調整をする必要があるだろうが大まかには大丈夫かな」
「誰と話して来たのか凄く気になります、誰と話して来たのです?」
「皇太子殿下とアンジェリーノ侯爵だ」
気になりますとの事なので教えてやるとアレクシアは一瞬フリーズした様子であった。
「今、どちら様と?」
「だから、リットリオの皇太子殿下とその祖父に当たるアンジェリーノ侯爵だな。侯爵とはまた酒でもと約束も取り付けて来たよ」
「うーん、私はヴォル兄をまだまだ過小評価していたのでしょうか・・・?」
アレクシアが首をこてんと傾げる。かわいい。じゃなくて、そんなにすごいことか?
まあ、アレクシアはどちらかというと常識的な部類だし・・・、そうなのか?
「うーん、しかし成り行きで・・・」
「成り行きで他国の皇太子やその祖父にあたるリットリオの要職につく人物と親交を結べるのですか?」
そういわれると難しい。厳しいね。とりあえず俺はやることやって帰ってきたが・・・。
そんなにすごい事とは深く考えたこともなかったがなぁ。
「・・・とりあえずそれは置いとけ、難しいだけだ。きっと運がよかったんだよ」
「運ですかぁ・・・まぁ、そうなるんでしょうか?」
かなり納得いかなそうなアレクシアだが俺たちが話し合うべきはそれじゃない。
木材を流通させ、復興事業を滞りなく進行させることだ。今は木材だけだがこれから大型の資材なんかが必要になったり、大量の物資が必要になったときに流通を考える必要がある。
「木材に関してはしばらくは俺がなんとかするが・・・そのあとだ」
「しばらくでもなんとかなる術があるのが凄い状態なのですが」
「揚げ足ばかりとるな、それより本国にはどうにかならないか?」
「うーん、軍用の馬を動員したいところですが・・・」
そうなると今度はかなり大がかりになる。それに軍用馬は訓練された良馬ばかりだが・・・、そのぶん飼料もケアも専門のものが必要になる。
「どれだけ金がかかるかわからん」
「私でもそれくらいはわかる気がしますよ、馬も生き物ですし・・・病気もします」
軍用馬の扱いに心得のあるアレクシアもその手間とそれにかかるであろう資金などには想像ができたようだった。
「こうなるとぶっちゃけちゃうべきか?」
「何をです?」
「実は生物に頼らない物資の大量輸送ができる乗り物がある」
「そうなんですか?!」
「数はあるが・・・公表するのとまた騒ぎになりそうでな」
「領民のためと納得していただくのは難しいほどですか?」
「そう言われると辛いな、他ならぬ君の頼みなら」
そう言うとアレクシアは微笑みながら俺に歩み寄る。試すような、いたずらっぽい笑みだ。薄いシャツから浮かぶボディラインは魅惑的で、微かな汗の匂いが俺の本能に語り掛けるようだ。
「それは、私が王女だから?それとも・・・」
「もちろん、君だから・・・そうだろ?アレクシア」
俺は逆に彼女の顎を持ち上げてまっすぐ見つめる。火遊びするにはまだまだ若いぞ、アレクシア。
「う・・・その、・・・あのぅ」
「恥ずかしいなら大の大人を試すような真似はよせよ、特に歳上を相手にするときはな」
まっすぐ見つめるとあっという間に彼女は赤くなった。ホレてくれてるって都合のいい考え方もあるが、それを他所に置いたとしても彼女はまだまだ初だな。
「一回、いたしてみるか?」
「それは・・・あの、せめて着替えてから・・・」
「ははは、それは無理な相談だな」
そんな薄いシャツ一枚で俺を試した君が悪い。ドアを閉めて鍵を掛けると彼女を壁に追いやる。
「神を試すものは罰を受ける、なんてどこかの書物にあったが・・・自分より上手の人間にしてみれば誰に対してだって似たようなもんさ。観念するんだな」
「そ、そのお手柔らかに・・・」
俺はアレクシアの言葉をキスで遮ると、笑みを浮かべる。対する彼女は少し怯えた感じだったが・・・まあ、覚悟してもらおう。
0
お気に入りに追加
2,385
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる