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ドラゴンと独立宣言の章

とりあえずまずは流通から

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リットリオの問題が片付いたと思った矢先がこれだ。陛下や親父達との関係がなかったらとっくに亡命してたかも知れん。

「邪魔くさい・・・」
「まったくです!」

口に出した俺も大概だが、隣で普通に同意するアレクシアも大概だな。もそっと立場を勉強しないとなー。

「リットリオはなんとかなったし、とりあえず頑張ってる文官の人達の為に流通はなんとかしてやるつもりだ」
「しれっと言いましたがリットリオの案件はかなりややこしい話ではなかったのです?」
「ややこしかった・・・、いろいろとな」

得るものも多かったがそのぶん面倒も多かった。伝が思わず出来たのと、案内があったから大丈夫だったが下手すると年単位で時間がかかったのではなかろうか。

「まぁ、細かい調整をする必要があるだろうが大まかには大丈夫かな」
「誰と話して来たのか凄く気になります、誰と話して来たのです?」
「皇太子殿下とアンジェリーノ侯爵だ」

気になりますとの事なので教えてやるとアレクシアは一瞬フリーズした様子であった。

「今、どちら様と?」
「だから、リットリオの皇太子殿下とその祖父に当たるアンジェリーノ侯爵だな。侯爵とはまた酒でもと約束も取り付けて来たよ」
「うーん、私はヴォル兄をまだまだ過小評価していたのでしょうか・・・?」

アレクシアが首をこてんと傾げる。かわいい。じゃなくて、そんなにすごいことか?
まあ、アレクシアはどちらかというと常識的な部類だし・・・、そうなのか?

「うーん、しかし成り行きで・・・」
「成り行きで他国の皇太子やその祖父にあたるリットリオの要職につく人物と親交を結べるのですか?」

そういわれると難しい。厳しいね。とりあえず俺はやることやって帰ってきたが・・・。
そんなにすごい事とは深く考えたこともなかったがなぁ。

「・・・とりあえずそれは置いとけ、難しいだけだ。きっと運がよかったんだよ」
「運ですかぁ・・・まぁ、そうなるんでしょうか?」

かなり納得いかなそうなアレクシアだが俺たちが話し合うべきはそれじゃない。
木材を流通させ、復興事業を滞りなく進行させることだ。今は木材だけだがこれから大型の資材なんかが必要になったり、大量の物資が必要になったときに流通を考える必要がある。

「木材に関してはしばらくは俺がなんとかするが・・・そのあとだ」
「しばらくでもなんとかなる術があるのが凄い状態なのですが」
「揚げ足ばかりとるな、それより本国にはどうにかならないか?」
「うーん、軍用の馬を動員したいところですが・・・」

そうなると今度はかなり大がかりになる。それに軍用馬は訓練された良馬ばかりだが・・・、そのぶん飼料もケアも専門のものが必要になる。

「どれだけ金がかかるかわからん」
「私でもそれくらいはわかる気がしますよ、馬も生き物ですし・・・病気もします」

軍用馬の扱いに心得のあるアレクシアもその手間とそれにかかるであろう資金などには想像ができたようだった。

「こうなるとぶっちゃけちゃうべきか?」
「何をです?」
「実は生物に頼らない物資の大量輸送ができる乗り物がある」
「そうなんですか?!」
「数はあるが・・・公表するのとまた騒ぎになりそうでな」
「領民のためと納得していただくのは難しいほどですか?」
「そう言われると辛いな、他ならぬ君の頼みなら」

そう言うとアレクシアは微笑みながら俺に歩み寄る。試すような、いたずらっぽい笑みだ。薄いシャツから浮かぶボディラインは魅惑的で、微かな汗の匂いが俺の本能に語り掛けるようだ。

「それは、私が王女だから?それとも・・・」
「もちろん、君だから・・・そうだろ?アレクシア」

俺は逆に彼女の顎を持ち上げてまっすぐ見つめる。火遊びするにはまだまだ若いぞ、アレクシア。

「う・・・その、・・・あのぅ」
「恥ずかしいなら大の大人を試すような真似はよせよ、特に歳上を相手にするときはな」

まっすぐ見つめるとあっという間に彼女は赤くなった。ホレてくれてるって都合のいい考え方もあるが、それを他所に置いたとしても彼女はまだまだ初だな。

「一回、いたしてみるか?」
「それは・・・あの、せめて着替えてから・・・」
「ははは、それは無理な相談だな」

そんな薄いシャツ一枚で俺を試した君が悪い。ドアを閉めて鍵を掛けると彼女を壁に追いやる。

「神を試すものは罰を受ける、なんてどこかの書物にあったが・・・自分より上手の人間にしてみれば誰に対してだって似たようなもんさ。観念するんだな」
「そ、そのお手柔らかに・・・」

俺はアレクシアの言葉をキスで遮ると、笑みを浮かべる。対する彼女は少し怯えた感じだったが・・・まあ、覚悟してもらおう。
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