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ドラゴンと独立宣言の章

トラックのあれこれ その2

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トラックの件は凡その目処がついた。続々と改良されていっているしハーフトラックなども開発されているようなので折に触れて戦車なども開発していこう。今は金属のチェーンに木を貼り付けてキャタピラ見たくしているがそれもプレス機が開発されれば大量生産が可能になる。無限軌道は男のロマンなのである。

「さて、次は服飾のデザインか・・・ぶっちゃけそれはそのままでもいいかな」

金属製のボタンに黒色の制服、腰にはサーベルを装備させ、騎士の鎧ほど華美ではないがベルトを締めて皺一つない新品の制服を身に纏った兵士達はとても凛々しい。そんな彼らが堂々たる行進を見せればとても映えるだろう。警察隊には日本軍風、黒狼隊や歩兵連隊にはドイツ軍風の制服を支給してデザインで所属を判りやすくするようにしておいた。
記憶を頼りに作ってみたが型紙を起こして作ってみるととてもかっこよかった。日本軍の服装に至っては懐かしささえ覚えるできばえに個人的に褒章をとらせることにした。固辞されてしまったが・・・。金属製では無いので防御に関しては些か不安だが彼らの強靭な肉体を持ってなせる業である。狼人族でも防具は最低限度の物ばかりだったし、全身鎧はどうやらほぼ儀礼用らしい。それに上着の布地はそれなりに厚手の物を使っているのでちょっとした刃物では肌までは届かないだろう。くたびれてたら判らないが。もともと獣人達は馬に乗ったりする事が少なく、狼人族達の様に森の中に住んでいる者は悪路を整地するヒマもなかったため必然的に馬車や馬を使う事ができなかったのだという。そうなると当然自力で走り回るので重装備は無理になってくる。金属も希少なので武器や生活用品に優先され、なにより彼らは動物や魔物由来の毛皮や強靭な皮膚を持つので防具を強化しなくても弓矢から身を守る術をもっているのだ。

「服装で部隊を識別するのは良いアイデアだったな・・・防具にすると苦情が多かったから」

一度金属鎧を導入しようとしたところ重い・熱い・毛が金属の隙間に挟まって痛い、抜けるなどの苦情が殺到し、さらに毛皮による防御に劣る事が判明してしまい金属鎧はあえなく廃止されてしまった。金属製にするくらいなら魔物の毛皮を服の裏地に使用すると革鎧よりも頑丈になったし苦情も収まったので採用し、なおかつデザインも宜しいとの事だった。やはり軍服のデザインはカッコいいのだ。

「お疲れ様です」
「アウロラか」

服装の決定と選抜した警察隊のメンバーを選定したところでアウロラが部屋に入ってきた。

「此度は私共の我儘を聞いてくださりありがとうございます。旦那様のお力添えで皆無事に子を身篭りました」
「ダークエルフ達の事か?気にするな」
「でも・・・不義を働かせるような事を・・・」
「何度も言わせるな、願いを叶えただけだ。だが次に来る時は人数を考えてくれるとありがたい」
「今回は急な事でお願いしただけです・・・ホントなら私だって旦那様と子を・・・」
「なんだって?」
「あっ、いえ・・・なにも・・・」
「そうか、だが俺も早くアウロラとの子が欲しいぞ」

口ごもった彼女の願望を此方から答えてやるとアウロラは耳まで真っ赤になった。可愛い奴。

「だ、旦那様は意地悪です・・・」
「はっはっは、そうかもな」

抱きしめてキスすると嬉しそうな顔をする。やはり俺の女は彼女達じゃないとな。

「美しい女はたくさん居る、だが俺が本当に独占したい女はそうそう居ない。それでも四人も居るというのは我ながらとても強欲な事だ・・・こんな男ですまないな」
「いいのです、そのうちの一人になれたのですから。ですが私も強欲ですからその中で一番を目指すまでですよ」

アウロラはそう言うと俺に口付けて微笑む。しかし彼女達にとって子供を産むというのはとても重要な事だ。ダークエルフやエルフにとっては一族の繁栄に関して重要で例え母親同士が憎みあっていても子を産む際にはそのような立場さえ水に流してお互いに協力するという。ドラペディアにはエルフのお産をダークエルフが手伝ったという事も僅かながら存在する。
そして俺の妻となったシロナも名家の家の産まれなので世継ぎは欲しいだろうし、なによりアレクシアは王家の人間だ。兄が国王となるだろうと考えても彼女や彼女の子にお鉢が回ってこないとも限らない。なにより妻としての立場として国民や仲間がそう望む事もある以上早く子の顔を見せてあげたいものだ。

「四人目が決まったばかりだが・・・子供はいつできるだろうか」
「そうですねぇ・・・こればかりは授かりものですし」
「難しいハナシだ・・・」 

アウロラを抱きしめたまま考えていると彼女の匂いが俺の鼻に届いた。

「あれ?これってシロナもつけてた奴だな」
「ええ、最近流行っているんですよ」

どうやら温泉などを開設した際にブンロク経由で石鹸が持ち込まれたようだ。そしてその中に匂いをつけたり香水として売りに出したりする者が現れたようで毛並みにこだわる獣人達や人に近い獣人達の間で人気なようだ。
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