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いざ行かん、リットリオ
夜の街でやんちゃする
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夜分遅く。 飲み屋でのどんちゃん騒ぎが収まってしばらく。
ヒューイと並んで飲み屋の酒を飲み干した俺は賞金を丸々呑み代に店に渡してついでに酔いつぶれたヒューイの介抱と宿泊を任せて夜の街へと繰り出した。
夜の街は魔石を使った街灯が煌々と輝き、夜中にも関わらず熱気が残っている。
「あらお兄さん、遊んでいかない?」
「いいとも、ちょいと呑みたいがいいのがあるか?」
「もちろんよ。」
猫なで声というのはこういうことをいうのだろう。色町の女性が俺を店に呼び込む。店の中では多数の女性が男性と楽しく会話している。
「ヒュー、なかなかの美人ぞろいだな。」
「あら、私はどうなの?」
「言わせるのか? 意地悪だな。」
腰に手を回して案内される席に座る。それから間を置かずに酒が運ばれてきた。
「おや、随分と早いな。」
「うふ、此処にきてシラフでハナシをする方はいないものアナタだってそうでしょう? お酒の匂いさせてるくせに。」
「なるほど、なかなか気が利いてる。」
そういわれて出された酒を豪快に一本飲み干した。この体になってからそこいらの酒はみんな水みたいなもんだ。
「豪快な呑みっぷりね。」
女性は嬉しそうに笑う、酒代を稼ぐと貰いが多くなるのだろう。稼ぎは少ないが女は長持ちするし体が萎びても大丈夫な手堅い商売だ。
しかしそんな商売をしつつ大きく稼ぐ方法を知っている。
「すみませんお客様、先に飲み物の代金を。」
ほら来た、会計を先に済ませるのは珍しくもないだろうがタイミングが早すぎる。普通ならもっと酔ってから巻き上げるつもりだろうが俺が酔わないと知って飲まれる前にやるつもりか?
「無粋だな・・・いくらだ?」
「はい、金貨20枚です。」
「知らなかった、王侯貴族が飲むような酒を俺に出してくれたのか?」
目の前の男性は細身で普通の男だが懐になんか持ってやがるな・・・、ナイフかな。
「ではお支払いいただけない?」
「酒場ででた酒と同じ味の酒に金貨を出す価値があるとは思えないしサービスも悪い、男に酌させる趣味はないぜ。」
男は狐のような顔つきになり、後ろに回した手をなにやらゴソゴソと動かしている。すると店の奥からゴツい男がゾロゾロと出てきて出入り口の道を塞ぐ。
「困りますねー。」
「困ったらどうする?」
「ちょっとばかり手荒くなります。」
俺はこれ以上無いくらい笑顔になって立ち上がると狐顔の男に言った。
「教育してやるぞ若造ども、タダとはいかんがな。」
「ぐへっ・・・かんべんしてくら・さい・・・。」
店の中は男達のうめき声があちこちから聞こえる素敵な状態になった。店が少しばかり壊れてしまったが大したヤツはいなかったな。
「最初からそういえば良いのに、客には最低限の礼を払うもんだ。」
「うう・・・こんなころしてタダですむろおもってんのか・・・。」
「おお、思ってないぜ、次に突っかかってきたらお前の背骨をへし折って店を解体してやる。」
「ひぃぃ・・・俺達はカリグラファミリーの一員ら・ぞ。」
狐顔の男は怯えながら精一杯の恫喝をしてくる。正直軍隊に比べたらヤクザごとき怖くないがな。
「そうかそうか、で、カリグラファミリーの本部ってどこだよ?」
「き、聞いてろうすんらよ・・・。」
「決まってんだろ、キチっと型にはめてやる。ヤクザが堂々としてるなんて我慢ならねえ。」
俺は狐顔の男を担ぎあげるとコマ付きの椅子に乗せて歩き始めた。 もちろん案内させるためだ。
「ひぃぃ、場所を教えるから一人れいっれくれえ・・・!」
「その場合俺が本部につけなかったらお前を八つ裂きにするぞ。」
「うぅぅ・・・アンら、マフィアか・・・?」
「バカヤロー、ヤクザ者が道を堂々と歩くわけねえだろ。」
狐顔の男を押しながら俺は指示された道を悠々と歩いていった。
リットリオ公国の歓楽街。そこは大人たちが浮世の垢を落とすための娯楽の場であり、刹那的な快楽を求めて男女が問わず交わる場所でもある。
そしてそんな場所を取り仕切るのは何時だって善良な民ばかりとは限らない。
むしろ人々の欲望の権化とも言うべき場においてはむしろ善意が薄いものほど大成しやすい。
リットリオ公国自身はサマル王国よりも法律や貞操観念は厳しい。そんなこの国に歓楽街が流行るというのは皮肉なハナシである。
「カリグラファミリーの本部はこの建物れす。」
椅子に乗せられたまま狐顔の男は歓楽街の一角にある豪奢な建物を指差した。
「ぼったくりの店だけでアレだけ儲けがでるとは思えないな。ほかに何をやらかしてる?」
「金を貸してます・・・、この屋敷も貴族から借金とスキャンダルをダシにして分捕ったんで。」
「なるほどな、じゃああの家は俺がもらってやろう。」
もういいぜ、と俺が解放してやると男はほうほうの体で逃げ出していった。悪党だが小物だ、出来ることはたかがしれてるだろう。
「さて、リットリオでのごみ掃除としゃれ込むか。」
小細工は好かない、真正面から堂々と乗り込んでやる。
「いよう、此処はカリグラファミリーのボスの屋敷かい?」
門にツカツカと近づいていくと見張り番らしい大男がぎろりと睨みつけてくる。
「そうだぜ、命が惜しけりゃ帰れ。」
「そうもいかねえ、ビジネスのお話だ。」
「ビジネス?」
男はそう言うと俺の服装をジロジロと見ながら品定めをしてくる。
「おいおい、俺の服なんて見たって用件は伝わらねえよ・・・せっかく金貨ザックザクのビジネスだってのに。」
もちろん嘘、ジョークを飛ばして大男の頭の中身を査定してやる。おー、悩んでる悩んでる。コイツバカだな。
「うーん、ボスならわかると思ったがお前さんの一存で断ったことにしとくぜ。」
「ま、まてよ!そのハナシほんとか?」
引くそぶりを見せると男は早速食いついてきた。こんなんじゃ初心者向けどころじゃないぜ。
「もちろんだとも、通してくれたらビジネスの成功と同時に分け前をやるぜ。」
「ほ、ホントか?」
「あー、いいともさ兄弟。リッチになろうぜ!」
肩を組んで有りもしない報酬を約束してやると男は上機嫌で門を開け、屋敷の入り口まで案内してくれた。
「しかしホントにでけえなあ。」
「ああ、オレもそうおもう。」
「分け前がありゃこの二周りくらい小さい屋敷がかえるかもなあ。」
実際コイツらの儲けを分捕ったらそれ以上の金は有るかもしれないが・・・。
屋敷に入れられると男と手を振って別れた。
建物の中は趣味の悪い草食でやたらと金ぴかしてるか下手糞な絵画が飾られている。俺の金じゃあないが庶民が落とした金がこんなことに使われていると思うと泣けてくるぜ。
「よう、ボスは何処にいるんだ?」
「あ? アンタだれだ?」
エントランスをうろついていると今度は別の男が。見た感じ傭兵崩れといったところ。
「ビジネスの仕掛け人さ、ボスに言わなきゃおれはクビになっちまう。」
「なんのビジネスだ? 娼館と金貸しと・・・後は人買いもやってるぜ。」
「女衒は得意だが休業中だ、とにかく俺が得意なのは金稼ぎでね。」
みかじめを稼がなきゃな、とそれっぽく膨らました麻袋を取り出して見せる。すると疑い半分だった男は心当たりがあるのか勝手に納得してくれた。
「みかじめを払いにきたのかよ、そう言えばいいのによ。」
「センスがないぜ、もっと言葉を選ばなきゃ。」
おどけた様子で言ってやると男はフンと鼻を鳴らして俺を案内してくれる。
ヒューイと並んで飲み屋の酒を飲み干した俺は賞金を丸々呑み代に店に渡してついでに酔いつぶれたヒューイの介抱と宿泊を任せて夜の街へと繰り出した。
夜の街は魔石を使った街灯が煌々と輝き、夜中にも関わらず熱気が残っている。
「あらお兄さん、遊んでいかない?」
「いいとも、ちょいと呑みたいがいいのがあるか?」
「もちろんよ。」
猫なで声というのはこういうことをいうのだろう。色町の女性が俺を店に呼び込む。店の中では多数の女性が男性と楽しく会話している。
「ヒュー、なかなかの美人ぞろいだな。」
「あら、私はどうなの?」
「言わせるのか? 意地悪だな。」
腰に手を回して案内される席に座る。それから間を置かずに酒が運ばれてきた。
「おや、随分と早いな。」
「うふ、此処にきてシラフでハナシをする方はいないものアナタだってそうでしょう? お酒の匂いさせてるくせに。」
「なるほど、なかなか気が利いてる。」
そういわれて出された酒を豪快に一本飲み干した。この体になってからそこいらの酒はみんな水みたいなもんだ。
「豪快な呑みっぷりね。」
女性は嬉しそうに笑う、酒代を稼ぐと貰いが多くなるのだろう。稼ぎは少ないが女は長持ちするし体が萎びても大丈夫な手堅い商売だ。
しかしそんな商売をしつつ大きく稼ぐ方法を知っている。
「すみませんお客様、先に飲み物の代金を。」
ほら来た、会計を先に済ませるのは珍しくもないだろうがタイミングが早すぎる。普通ならもっと酔ってから巻き上げるつもりだろうが俺が酔わないと知って飲まれる前にやるつもりか?
「無粋だな・・・いくらだ?」
「はい、金貨20枚です。」
「知らなかった、王侯貴族が飲むような酒を俺に出してくれたのか?」
目の前の男性は細身で普通の男だが懐になんか持ってやがるな・・・、ナイフかな。
「ではお支払いいただけない?」
「酒場ででた酒と同じ味の酒に金貨を出す価値があるとは思えないしサービスも悪い、男に酌させる趣味はないぜ。」
男は狐のような顔つきになり、後ろに回した手をなにやらゴソゴソと動かしている。すると店の奥からゴツい男がゾロゾロと出てきて出入り口の道を塞ぐ。
「困りますねー。」
「困ったらどうする?」
「ちょっとばかり手荒くなります。」
俺はこれ以上無いくらい笑顔になって立ち上がると狐顔の男に言った。
「教育してやるぞ若造ども、タダとはいかんがな。」
「ぐへっ・・・かんべんしてくら・さい・・・。」
店の中は男達のうめき声があちこちから聞こえる素敵な状態になった。店が少しばかり壊れてしまったが大したヤツはいなかったな。
「最初からそういえば良いのに、客には最低限の礼を払うもんだ。」
「うう・・・こんなころしてタダですむろおもってんのか・・・。」
「おお、思ってないぜ、次に突っかかってきたらお前の背骨をへし折って店を解体してやる。」
「ひぃぃ・・・俺達はカリグラファミリーの一員ら・ぞ。」
狐顔の男は怯えながら精一杯の恫喝をしてくる。正直軍隊に比べたらヤクザごとき怖くないがな。
「そうかそうか、で、カリグラファミリーの本部ってどこだよ?」
「き、聞いてろうすんらよ・・・。」
「決まってんだろ、キチっと型にはめてやる。ヤクザが堂々としてるなんて我慢ならねえ。」
俺は狐顔の男を担ぎあげるとコマ付きの椅子に乗せて歩き始めた。 もちろん案内させるためだ。
「ひぃぃ、場所を教えるから一人れいっれくれえ・・・!」
「その場合俺が本部につけなかったらお前を八つ裂きにするぞ。」
「うぅぅ・・・アンら、マフィアか・・・?」
「バカヤロー、ヤクザ者が道を堂々と歩くわけねえだろ。」
狐顔の男を押しながら俺は指示された道を悠々と歩いていった。
リットリオ公国の歓楽街。そこは大人たちが浮世の垢を落とすための娯楽の場であり、刹那的な快楽を求めて男女が問わず交わる場所でもある。
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むしろ人々の欲望の権化とも言うべき場においてはむしろ善意が薄いものほど大成しやすい。
リットリオ公国自身はサマル王国よりも法律や貞操観念は厳しい。そんなこの国に歓楽街が流行るというのは皮肉なハナシである。
「カリグラファミリーの本部はこの建物れす。」
椅子に乗せられたまま狐顔の男は歓楽街の一角にある豪奢な建物を指差した。
「ぼったくりの店だけでアレだけ儲けがでるとは思えないな。ほかに何をやらかしてる?」
「金を貸してます・・・、この屋敷も貴族から借金とスキャンダルをダシにして分捕ったんで。」
「なるほどな、じゃああの家は俺がもらってやろう。」
もういいぜ、と俺が解放してやると男はほうほうの体で逃げ出していった。悪党だが小物だ、出来ることはたかがしれてるだろう。
「さて、リットリオでのごみ掃除としゃれ込むか。」
小細工は好かない、真正面から堂々と乗り込んでやる。
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門にツカツカと近づいていくと見張り番らしい大男がぎろりと睨みつけてくる。
「そうだぜ、命が惜しけりゃ帰れ。」
「そうもいかねえ、ビジネスのお話だ。」
「ビジネス?」
男はそう言うと俺の服装をジロジロと見ながら品定めをしてくる。
「おいおい、俺の服なんて見たって用件は伝わらねえよ・・・せっかく金貨ザックザクのビジネスだってのに。」
もちろん嘘、ジョークを飛ばして大男の頭の中身を査定してやる。おー、悩んでる悩んでる。コイツバカだな。
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「ま、まてよ!そのハナシほんとか?」
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「ああ、オレもそうおもう。」
「分け前がありゃこの二周りくらい小さい屋敷がかえるかもなあ。」
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「よう、ボスは何処にいるんだ?」
「あ? アンタだれだ?」
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「女衒は得意だが休業中だ、とにかく俺が得意なのは金稼ぎでね。」
みかじめを稼がなきゃな、とそれっぽく膨らました麻袋を取り出して見せる。すると疑い半分だった男は心当たりがあるのか勝手に納得してくれた。
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