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目覚めたら…
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しおりを挟む彼と一緒にいられた時間は、あっという間だった。日本に帰って来て僅か5日後。司はまた海外に仕事に行った。売れっ子のカメラマンだから当たり前かと、自分に言い聞かせた。でないとこの関係は長くはもたない。その証拠に5日目の朝、朝起きたら隣で眠っているはずの司が居なかった。
隣で眠っていた彼のシーツは冷たかった。きっと、俺が起きる前に早く出掛けたんだと不意に思った。散々愛し合ったのに、司の奴はいつもこうだった。
せめて出掛ける前に俺に行ってきますか、おはようの挨拶くらいあってもいいはずだ。なのに司の奴は、置手紙すら残していなかった。ボンヤリとしながら彼の事を思うと急に虚しくなってきた。
「本当に俺のこと愛してるのかよ…――?」
虚しい気持ちでソッと呟いた。ただ冷たいベッドの白いシーツには、彼の残り香があったくらいだった。寂しくて膝を抱えると2人で愛し合ったベッドの上でため息をつきながら目覚めた。
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