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怪しい商人と骨董品
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しおりを挟むその日、夜の屋敷に怪しい商人が青年に会いに訪れた。老いた執事は怪しい商人を出迎えると、直ぐに主の部屋に招き入れた。青年はその怪しい商人が来るのを待ちきれない様子だった。怪しい商人は、青年の前で優雅にお辞儀をすると、部屋の中に古めかしい骨董品をズラリと並べた。青年は興味津々な様子で部屋の中に並べられた骨董品をジッと眺めたのだった。
「さあ、今宵はどれをお買い上げになりますか? ローゼフ様は私の一番のお客様です。貴方様が好きそうな物を世界中から集めてきました」
商人は上品な口調で青い目をした金髪の青年にそう話した。
「フン、相変わらず口だけは上手いな。悪くない趣味だ。そこにある絵画と天使の像を2体頂こうとしよう」
青年は他にも骨董品を手当たり次第に買い漁った。
「おい、この綺麗な水晶は何だ?」
彼はそう言って、水晶玉を手にした。
「その水晶は霊的な物でございます。それを覗く事で死んだ死者に会えると聞いております」
「そうか、ではこれもコレクションの1つに加えてやろう。お前の集めた骨董品は、どれも興味深い物ばかりだ。ここでは簡単に手に入らない物も直ぐに手に入るから楽でいい、次も頼んだぞアーバン」
青年は商人の肩に手をのせると怪しく微笑んだ。商人は彼に骨董品を売ると、並べた骨董品を綺麗に片付けた。そして、自分の荷物を馬車に乗せると屋敷から去って行ったのだった。
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