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第3章―時は一刻を争う―

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「バカな…――! お前は黙ってそこで見ているから平然とした口調で言えるんだ! アークⅡはアークよりも以前にまして全ての機能が上回っている。そして、機動力と機能性においても我が軍の新型のドールアームズ。アビスでさえ歯が立たないと言うのにそれでどうやってあの忌まわしい怪物を我々の手で打ち破れと言うんだ!?」

 そう言って声を荒らげると冴嶋に向かって問い詰めた。ピリつくような状況が張りつめる中で、彼は呆れた顔で問い詰めてきた男に言い返した。

「馬鹿が。貴様は余程、無能のようだ。誰が再びアークⅡにアビスで立ち向かえと言った? 一定パターンの戦いだけが、ドールアームズの戦い方だけでは無いだろう!」

問い詰めた男は彼に言い返されると、悔しそうに怒りで自分の唇を噛み締めた。冴嶋は毅然とした態度で再び作戦内容を続けた。

「――いいか、我が本部はここの第15エリアだ! ここのブロックまで敵軍に進軍されて制圧された場合はここの宇宙コロニー第6拠点基地ラケシスをゼノアの法令、第11条に基づき。速やかにソロモンを起動させて基地もろとも爆破させる!」

 その言葉に周囲からは一斉にヤジが飛んだ。

「ソロモンを使って基地ごと『爆破』だと、貴様は正気か――!?」

モニター画面を通して、そこにいた誰もが騒ぐと彼は言い放った。

「もちろん正気だ! これは我々の最終手段だ! 皆も覚えとくがいい、ここの基地はゼノア連合の中でも第6の中間的役割を果たしている! 既に知っての通り現在アザゼルは各地を攻撃しては、侵略、略奪、制圧を繰り返し続けている。それはお前達も知っているだろう!?」

冴嶋は気迫を込めた言葉で訴えた。その表情には様々な思いが込み上がった。

「国や領土を無理やり奪い取ってはその奪われた土地をアザゼルは卑劣にも自分達の支配下に置いているのも事実だ! その勢いは、もはや我々の日々にとっては確実に脅威になりつつある。戦況が苦しくなる一方で、何れはこの世界がアザゼルの支配下に脅かされるのも時間の問題とも言えるだろう。そして世界は今では分断の危機にさえも直面しているのもまた事実だ。今ここで、我々が一斉に立ち上がり。宿敵アザゼルを討たなくては我々の未来には、もはや光さえも途絶えてしまうだろう――!」

彼の力説に一同はハッとなると、モニター越しで思わず息を呑み込んだ。

「この基地を敵軍に奪取された場合は地上にいるゼノア連合の基地並び各連合の国に対して多大な被害と影響を与える事は言うまでもない。ここが第6の中心的役割を任せられた以上は、我々が何としてもここを死守して、任務を全うしなくてはならない。例えそれが以下なる苦しい状況下でも我々が何とかしなくてはならないんだ!」

その瞬間、誰もが一斉に目を覚ました。そして、自分達の心を奮い立たせた。モニター画面の前でそれぞれが勇気を振り絞って立ち上がると、彼ら兵士達は持っている銃を空に向かって撃ち。銃声を一斉に鳴らした。

「やってやる! やってやる! やってやる!」

その時、辺りは異常な兵士達の熱気に包まれた。誰もが最後までついて行くと断言すると、もはや其処には縄張りも躊躇いも全て消え失せて辺りは強い団結力に結ばれた。

「こうなったら最後まで戦い抜いてやるまでだ、どうせ死ぬならアザゼルの野郎共も道連れだ!」

 そこで彼らは自分達を勇気で奮い立たせると、戦いで更なる闘志を燃やした。そして、エリアの指揮官の男が冴嶋に指示を仰いだ。
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