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第1章―争いの砲弾―

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 タナトスの空気感染は衰える事もなく。地上を死の世界へと瞬く間に変えると、さらに人々を苦しめた。

 自然が生み出した兵器によって人類は苦しみ。タナトスの脅威的な空気感染により、人類の多くは命を落とし続けた。そして、いつからか人間は争いをすることをやめるのだった。

 黒煙のような空に向かって嘆いた少女の声は、天には届かず虚しくそこで響き渡り。望みも希望も失われて光さえ閉ざした。

 見えない空には暗闇と絶望と死への恐怖だけが永遠と渦巻いた。やがて、タナトスの空気感染は身籠った母体と人体にも悪影響を与えると、生まれてくる子供は皆、直ぐに命を落とし。時には何らかの影響によって奇形児も生まれて来るようになった。そして、ついにはタナトスの猛威は女性に恐るべき牙を向けた。

 正体不明の病気は女性だけがかかるガンを発症させるとそれは体のいたる所に転移して、やがて女性を急激な死へと誘う恐ろしき病気だった。

世界中でその病が発症すると、地球上から女性の数が急激に減少していった。それはまさに、人類最大の危機的到来だった。

 幾年が過ぎた頃。地上は生命を取り戻し、荒廃した土地には再び緑が蘇った。自然はもとの姿や生態系を徐々にとり戻したのだった。

恐るべき空気感染を全世界の各地に拡大し続けていたタナトスの猛威が衰えると、次第にその威力は減少していき。自然と調和される事でタナトスの猛威はその力を失い、世界からその脅威を消し去った。しかし、タナトスの脅威が消えても人類は苦しめられ続けた。

世界は人類が自ら戦争で招いた不の遺産によって体内はタナトスがもたらした傷痕により、大きなダメージを受けた。その爪痕は人間に原因不明の後遺症をのちに与え、さらに人類を苦しめる事となった。

タナトスのもたらした影響により、中でも世界の人口は急激な減少を辿り。世界の人口は、男性が多く残ったが女性の数は減少し続けた。

 女性の大半はタナトスがもたらした女性特有のガンの発症を引き起こす恐るべき病によって次々に減少の勢いを辿ったのだった。そして、男性の寿命はタナトスの影響によって大半が『短命』となった。
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