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第7章―消えゆく命の残り火―

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『ウォオオオオオオオオオーーッ!!』

 カーターは柱を守る為に前に立ちはだかると、敵が放ったミサイル弾を全弾浴びた。その瞬間、激しい衝突が彼の機体を直撃した。

 機体はミサイル弾の攻撃に激しい大ダメージを受けた。カーターの捨て身の行動にアレックスやジェイドは唖然となると、急いで彼の名前を叫んだ。

『カーター!!』

「みんなのおもいを……! もう誰も…――! 俺がみんなを守るんだぁっ!!』

 敵が放ったミサイル弾を全弾浴びても尚、彼はそこに立ち続けた。『守る』という強い思いが、彼自身を強く突き動かした。それは、最後の命が燃え尽きる前の激しい炎のように彼の命もまた、強く光り輝いて燃えた。

カーターが柱の前に立ちはだかって攻撃を防ぐと敵もまた最後の手段を使った。敵は戦闘機から、ヒューマノイドに変形すると、そのまま柱の方に猛スピードで突っ込んできた。

 自爆システムを操作して解除すると、敵のパイロットは迷わずに特攻撃を仕掛けた。それはまさに絶体絶命のピンチだった。カーターは向かってくる敵を前に最後の力を出した。

『オォオオオオオオオオオオーーッ!!』

 敵のパイロットが自らの命を犠牲にして特攻撃を仕掛けに来ると、カーターは向かってくる敵に自らも立ち向かって行った。そこには一切の迷いはなかった。

『カーターやめろっつ!!』

アレックスの脳裏には瞬時に嫌な予感が過った。それはまさに絶望的だった。カーターは柱の手前で特攻しにきた敵を力ずくで受け止めると、そのまま後ろへと押し返した。

 両者共に力のぶつかり合いは激しさを増した。最後の力を振り絞って敵を柱の側から遠ざけるとカーターは相手の機体を離さないまま、宙を目指して高く飛んだ。

その瞬間、彼の記憶が走馬灯のように駆け巡って蘇った。記憶が駆け巡ると、そこにはいつかの『仲間達』との思い出が蘇った。

 今生きている命と消え去った命。そのどちらもまた、彼の記憶には刻まれていた。アレックス、ジェイド、レオン、マードック、ハーング。

 彼らと一緒に戦った日々、共に過ごした時間。そんな思い出が一瞬、風のように記憶となって、彼の身体を通り抜けるとカーターは最後に仲間達に別れを告げた。


 さよならみんな……。


 そう呟いた彼の心は清んだ青い空の樣に穏やかだった。もうそこには、未練なんてもの何一つもなかった。仲間達に別れを告げると、最後にケイニッフィの顔が浮かんだ。カーターはそこで、彼とのいつかの思い出が蘇った――。
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