上 下
146 / 193
第7章―消えゆく命の残り火―

30

しおりを挟む
「お前、本当にこんな場所に装置があるって思ってるのか!? どうみても柱を設置できるものは見当たらないがな!」

 ジョンは焦りの色を浮かべながら質問をぶつけると、カーターは即座に行動に出た。

「送られたデータを確認しましたが、確かにこの場所に装置が埋まってます!」

「その根拠はっ!?」

「40年前のデータによるとこの辺りにプロテクトシールドを起動できる装置があったと記録されてます……! おそらく今はこの電力源の柱と同様に何かで擬装されていると思われます…――!」

 カーターはそう伝えると、送られたデータから詳しい位置を特定した。

「ありました! 自分について来て下さい!」

 詳しい位置を特定すると急がしそうに次の行動に出た。少し移動するとそこで止まってジョンに指示を出した。

「ジョン隊長、この金属板を剥がして下さい!」

「ここかっ!?」

「はい、恐らくこの金属板を剥がせば隠されてる装置が見つかるはずです!」

「よし、わかった! お前を信じる!」

 ジョンはカーターにもう片方の柱を預けると、アームで金属板を無理矢理こじ開けた。金属板を無理矢理こじ開けるとその裏側には無数のパイプと小さな電飾パネルが埋っていた。

 見た感じ、人が指で押して操作するサイズの板だった。ジョンは見つけたのもつかの間に顔から冷や汗をかいて絶句した。

「なる程、これまたやっかいだ。これを操作するにはドールアームズから降りて人で操作するしかないな」

 ジョンは思わず息を呑み込むと不意に呟いた。そして、覚悟を決めた。

「よし、俺は今からこの機体から外に出てパネルを操作する! つまり俺は丸腰だ! だから何かあったら頼んだぜ……!」

彼は自らの危険を顧みずに、機体から外に出るとパネルを操作すると一言カーターに伝えた。

「む、無茶な! やめて下さいジョン隊長……! 宇宙そとは危険です! 機体から出て、パネルを操作するなんて無謀ですよ! それに今は、戦闘状態です! 僕達の仲間や、第2部隊の仲間が僕達をサポートしてるといえでも、攻撃されてもおかしくない状態です! 他に良い作戦を…――!」

『だまれっ!!』

カーターの心配なんかお構い無しにジョンは覚悟を決めるとヘルメットを深く被り、スーツに内蔵されてる酸素ボタンを押した。
しおりを挟む

処理中です...