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第7章―消えゆく命の残り火―

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一方その頃、ジョンとリゲル部隊の隊員達は目的地へと到着した。彼は目的の場所に辿り着くと、周りに浮いている岩の欠片を調べた。

「いいかお前達、この辺に一際でかい隕石をみつけたら俺に知らせろ! それが目的のやつだ!」

「了解です……!」

彼らはジョンに指示されると慎重に周りを飛んで調べた。

「どれも同じような形ばかりだ。本当にそんなのあるのかな?」

 カーターが不意に呟くと、アレックスは同じく頷いた。

「ああ、確かにカーターの言う通りだ。どれも同じ形だ。だが、ここまで来た以上。なんとしてもみつけてそれを回収するぞ!」

 アレックスはそう話すと、もう後戻り出来ない事を告げた。

「微小隕石の中にデカイ隕石をみつけろと簡単に言ってくれるじゃねーか。俺にはどれも、同じにしか見えねーぞ?」

マードックは皮肉交じりに愚痴を溢すと、そこで機体をヒューマノイドに変形させた。

「この岩を片っ端からブッ叩けば、中からお探しの物が出てくるんじゃねーか?」

「バカを言うなマードック! そんなことしたら使えなくなるだろ、もっと慎重に行動しろ!」

そう言って注意すると、機体をヒューマノイドに変形させた。
 
 「なあ、アレックス。もしかして軌道から離れてるんじゃないかのか? もしかしたらここには無いかもしれ――」

『バカなことを言うな!!』

 ジョンはその話しに割って入ると、カーターを怒鳴り付けた。

「お前ら知らねーのか!? あれはいつも、俺達の基地周辺をグルグル回ってるだろ! 皆が邪魔くせーから排除しろだの言ってたアレを今探してるんだよ!」

 ジョンのその言葉に彼らは一斉に驚いた。
  
「アレは周回から外れることはねぇっ! 岩の中に誘導装置が取り付けられてる以上、アレは同じ所を毎回グルグル回るように出来てるんだよ! いいから文句を言わずにさっさと探せ! きっとこの辺にあるはずだ!」

 ジョンはそう言って激を飛ばした。アレックスはその話しに不意にと思い出した。

「あの、それはもしかして……。あの邪魔くさい岩のことですか?」

「何?」

「いつも基地の周辺を回っている一際デカイ岩と言えば、あれしかないと思います……」

 アレックスは思い出すと彼に話した。

「ハンバーグが……いえ、うちの隊員にハーングと言う亡くなった隊員がいたんですが。生前に聞いた話しでは、彼はある任務を終えて基地に戻る時、その岩に接触して機体を損傷させたんです。その時に聞いた話では、その接触した隕石の岩は一際デカイ塊と聞きました。そして、その時に――」

「その時になんだ?」

 ジョンが質問すると、アレックスは聞いた事実を話した。

「その時に何かが爆発して、岩の一部が吹き飛んだと聞きました。まさかと思いますが、それじゃないですよね…――?」

 そう言って言葉を濁して話すと、ジョンは驚愕した声をあげた。

『なっ、なんだって!? 貴様、何てことをしてくれやがるっ!!』

 ジョンはその話しに大激怒すると彼を責めた。

「わっ、私じゃありません! それはハーングの仕業です! 誤解です!」

 アレックスが弁解するとジョンは血圧が上がりそうな寸前までキレた。

「どうしてくれるんだ!? 必死でここまで来たのに、肝心なものが無くなっただと!? よくもあの岩をブッ壊しやがったな! これで頼みの綱のプロテクトシールドを作動できる電力源が無くなっちまったじゃねーか!」

 そう言ってジョンは再び、彼に激を飛ばした。アレックスは直ぐに言い返した。
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