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第5章―生と死の輪舞―(ロンド)
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しおりを挟む「ガッハッハッハッ! そーら、さっきの勢いはどうした!? 貴様如き、このゲルマンが直ぐに葬り去ってくれる!」
「ウォオオオオオオオオッ!!」
そこで彼は狂戦士覚醒装置を最大出力で上げた。すると忽ち力が沸き上がった。まるで、泉の如くそれは大いなる力を与えた。機体とのシンクロ率が最大限に達すると、ゲルマンはそれを我が身のように自由自在に使いこなした。
「ガッハッハッハッハッ! これがバーサーカーシステムの限界を越えた力か! おお、感じる! 感じるぞ! 燃え盛る魂の開放を、私は戦う為に生まれた狂戦士だ! その喜びを糧に、私は戦うのだ! 戦って戦って奴ら虫ケラどもに絶望的な迄の圧倒的な死を与えてやる!」
その時ゲルマンの精神は既に、異常事態を引き起こした。彼はバーサーカーシステムを無理やり最大に上げた事で本来の冷静さと人格を捨てた。そこにいるのは殺戮に燃える狂戦士の彼だった。カインはゲルマンの見事な迄の豹変ぶりに感銘し、心を震わせて褒めた。
「ふっ、はははっ……! あははははははっ! 素晴らしい、素晴らしいぞゲルマン!! お前はついにやったのか!? それでこそ真の狂戦士に相応しい! ならば最後まで戦うのだ! 奴らを生かさず殺せ!」
「イエス、マイロード!」
カインは狂戦士覚醒装置を最大に上げた彼の狂気ぶりにそこで驚愕と興奮と歓喜した。何故なら、それは自身の絶対的な死をもたらす行為だった。
レゾナシステムに比べてバーサーカーシステムは通常を遥かに越えた力の負荷がパイロットの肉体と精神にもかかる。
これを使う事によりパイロットは間違いなく命を落とすと言われている。そのリスクの大きさに、アザゼルのパイロットでさえもその領域に安易に踏み込む者はいない。それ程までも危険とされていた。しかし、ゲルマンはその領域に自ら踏み込むことで大いなる力を手に入れた。彼はもはや、人ではなくなった。あるのは殺戮に燃える戦士としての純粋な本能だった――。
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