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第2章―戦いの砲火―
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「さあ、ジョン早く退くんだ! いつまで其処にいる気だっ!? プロキオンは既に正面にいるんだぞ、またヴァリトラの餌食になりたいのか!? 聞こえているなら早く後退しろ!!」
切羽詰まる状況の中でケイニッフィは、自らの危険も顧みないで、必死な顔で彼に話しかけた。するとジョンは咽び泣く声で悲しく呟いた。
「くそっ、俺のせいだ! 俺がアイツらを殺したんだ! 俺がアイツらを誘わなければ…――! チャールズ、ニコライ、アーネスト、ケイト! っぅ……! わぁああああああああああっ!!」
絶望的な悲しみに心を打ちのめされると、そのまま操縦桿を握り締めながら大声で泣き続けた。いつもは強気な男が突然泣き出した事に彼は傍で驚いた。そして、彼の部下を失った気持ちを察すると、どんな言葉をかけたらいいのかわからなくなった。だが、この状況をそのままにしておく事も出来ず。ケイニッフィは自分の心を鬼にすると泣き崩れる彼に話しかけた――。
「ふざけるな! それで泣けば、死んだ部下達が返って来ると思ったかジョン……! お前の部下だけじゃない、シルマ部隊に他の巻沿いに遭った部隊もだ!」
その言葉に彼は泣くのを止めて口を閉ざした。
「今は悲しみに暮れている場合じゃないんだ! お前はカペラ部隊の最後の『生き残り』だぞ!? こんな所で無駄死になんて、俺は絶対に許さないからな! 少しでも自分の部下達やシルマ部隊のあいつらに詫びる気持ちがあったら、その重たいケツをあげて早く下がれ!」
ケイニッフィは抑えていた感情を剥き出しにしてそのことをキツく言うと、彼は悲しみに暮れながらも我に返った。
「お前達よく聞け、命が欲しかったらプロキオンと残りの船にはこれ以上近づくな! 次に敵からヴァリトラを喰らったら俺達空戦部隊は全滅だ! 今は一人でも多くコロニーを防衛して欲しい! そして、ジョン! お前も泣いてる暇があったら一緒に戦え、敵は俺達に優しくなんてしてはくれないぞ!」
混乱する中で彼は無線機を通して仲間達に向けて一斉に告げると、防衛に専念するように命じた。そして、全体の指揮をとった。
去り際にジョンに一言話すと自分の乗っている戦闘機を左回りに旋回させて、コロニーの方へと戻った。ケイニッフィにその事を言われると彼は不意に呟いた。
「ケッ、一丁前なこと言いやがって……。昔は鼻垂れ坊主だった癖に、偉そうなことを俺様に言いやがって本当にムカつく野郎だぜ。でもよう――」
ジョンは操縦桿をグッと強く握ると、ふと微笑を浮かべた。
「ケイニッフィ、やっぱりお前は大佐と呼ばれる男だけにあるぜ!」
彼は心の中で何かが吹っ切れたように突然叫ぶと、操縦桿を握ったままその場から飛びたった。そして、自分も仲間と一緒に防衛に参加した。
「待たせなたな、K! 俺も共に参加するぞ! 死んだ仲間の分まで俺がしっかりと戦ってやる!さあ、行くぞおぉおおおおっ!!」
ジョンは前を見て力強くそう言うと敵の戦闘機を勢い良く撃ち落として3機撃墜に成功した。ケイニッフィは彼が悲しみから吹っ切れた事がわかると何も言わずに後に続いた。
「ああ、そうだともジョン……! 戦うんだ、命ある限り…――!」
2人の強い思いがそこで一つに重なると戦闘機を加速させながら敵の戦闘機を次々に撃破した。そこには誰も絶つことができないような強い絆が存在した。そして、2人は己の命を燃やしながら敵と勇敢にも戦い続けたのだった――。
切羽詰まる状況の中でケイニッフィは、自らの危険も顧みないで、必死な顔で彼に話しかけた。するとジョンは咽び泣く声で悲しく呟いた。
「くそっ、俺のせいだ! 俺がアイツらを殺したんだ! 俺がアイツらを誘わなければ…――! チャールズ、ニコライ、アーネスト、ケイト! っぅ……! わぁああああああああああっ!!」
絶望的な悲しみに心を打ちのめされると、そのまま操縦桿を握り締めながら大声で泣き続けた。いつもは強気な男が突然泣き出した事に彼は傍で驚いた。そして、彼の部下を失った気持ちを察すると、どんな言葉をかけたらいいのかわからなくなった。だが、この状況をそのままにしておく事も出来ず。ケイニッフィは自分の心を鬼にすると泣き崩れる彼に話しかけた――。
「ふざけるな! それで泣けば、死んだ部下達が返って来ると思ったかジョン……! お前の部下だけじゃない、シルマ部隊に他の巻沿いに遭った部隊もだ!」
その言葉に彼は泣くのを止めて口を閉ざした。
「今は悲しみに暮れている場合じゃないんだ! お前はカペラ部隊の最後の『生き残り』だぞ!? こんな所で無駄死になんて、俺は絶対に許さないからな! 少しでも自分の部下達やシルマ部隊のあいつらに詫びる気持ちがあったら、その重たいケツをあげて早く下がれ!」
ケイニッフィは抑えていた感情を剥き出しにしてそのことをキツく言うと、彼は悲しみに暮れながらも我に返った。
「お前達よく聞け、命が欲しかったらプロキオンと残りの船にはこれ以上近づくな! 次に敵からヴァリトラを喰らったら俺達空戦部隊は全滅だ! 今は一人でも多くコロニーを防衛して欲しい! そして、ジョン! お前も泣いてる暇があったら一緒に戦え、敵は俺達に優しくなんてしてはくれないぞ!」
混乱する中で彼は無線機を通して仲間達に向けて一斉に告げると、防衛に専念するように命じた。そして、全体の指揮をとった。
去り際にジョンに一言話すと自分の乗っている戦闘機を左回りに旋回させて、コロニーの方へと戻った。ケイニッフィにその事を言われると彼は不意に呟いた。
「ケッ、一丁前なこと言いやがって……。昔は鼻垂れ坊主だった癖に、偉そうなことを俺様に言いやがって本当にムカつく野郎だぜ。でもよう――」
ジョンは操縦桿をグッと強く握ると、ふと微笑を浮かべた。
「ケイニッフィ、やっぱりお前は大佐と呼ばれる男だけにあるぜ!」
彼は心の中で何かが吹っ切れたように突然叫ぶと、操縦桿を握ったままその場から飛びたった。そして、自分も仲間と一緒に防衛に参加した。
「待たせなたな、K! 俺も共に参加するぞ! 死んだ仲間の分まで俺がしっかりと戦ってやる!さあ、行くぞおぉおおおおっ!!」
ジョンは前を見て力強くそう言うと敵の戦闘機を勢い良く撃ち落として3機撃墜に成功した。ケイニッフィは彼が悲しみから吹っ切れた事がわかると何も言わずに後に続いた。
「ああ、そうだともジョン……! 戦うんだ、命ある限り…――!」
2人の強い思いがそこで一つに重なると戦闘機を加速させながら敵の戦闘機を次々に撃破した。そこには誰も絶つことができないような強い絆が存在した。そして、2人は己の命を燃やしながら敵と勇敢にも戦い続けたのだった――。
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