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第2章―戦いの砲火―
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――タッタッタッ。
整備士と共にA―33アビス格納庫に辿り着いた。中は人影すらなく、とても静かだった。緊迫した状況の中で不意に結人の顔が脳裏に過った。
あのあと、結人は大丈夫だったろうか……?
俺は結人の安否が急に気になってきた。『もし』。その途端、頭に嫌な事を想像してしまい、顔から血の気が一気に引いた。
「ふっ、まさかな……」
自分にそう言って奮い立たせなきゃ、この状況を上手く乗りきれなかった。そして、不安な気持ちを打ち消すように、頭の中でアイツは大丈夫だと自分に強く言い聞かせた。
整備士は格納庫の中を忙しく動き回っていた。外からは、轟音と爆撃の音と激しい銃撃戦が辺り一帯で繰り広げられていた。
果てしなく続く死闘の連鎖は誰が断ち切る事もなく、終わりも無いままにアスファルトに誰かが流した血が流れていた。
「これが戦争か…――。何も変わらずにただ馬鹿みたいに争って、いつまでも進化しない俺達には破壊の道しかもう進むことも選択肢さえも残されていないと言うのか?」
格納庫の入口付近に佇むと、白煙が舞う外の光景を目の前に切なさが混じった感傷感に襲われた。乾いた気持ちが胸の中を通り抜けるとそこで不意に呟いた――。
「俺が変えなきゃいけないんだ! 誰も変えないなら、俺が変えてみせる!」
そう呟くと握った拳を力強く握り締めた。
整備士と共にA―33アビス格納庫に辿り着いた。中は人影すらなく、とても静かだった。緊迫した状況の中で不意に結人の顔が脳裏に過った。
あのあと、結人は大丈夫だったろうか……?
俺は結人の安否が急に気になってきた。『もし』。その途端、頭に嫌な事を想像してしまい、顔から血の気が一気に引いた。
「ふっ、まさかな……」
自分にそう言って奮い立たせなきゃ、この状況を上手く乗りきれなかった。そして、不安な気持ちを打ち消すように、頭の中でアイツは大丈夫だと自分に強く言い聞かせた。
整備士は格納庫の中を忙しく動き回っていた。外からは、轟音と爆撃の音と激しい銃撃戦が辺り一帯で繰り広げられていた。
果てしなく続く死闘の連鎖は誰が断ち切る事もなく、終わりも無いままにアスファルトに誰かが流した血が流れていた。
「これが戦争か…――。何も変わらずにただ馬鹿みたいに争って、いつまでも進化しない俺達には破壊の道しかもう進むことも選択肢さえも残されていないと言うのか?」
格納庫の入口付近に佇むと、白煙が舞う外の光景を目の前に切なさが混じった感傷感に襲われた。乾いた気持ちが胸の中を通り抜けるとそこで不意に呟いた――。
「俺が変えなきゃいけないんだ! 誰も変えないなら、俺が変えてみせる!」
そう呟くと握った拳を力強く握り締めた。
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