15 / 193
第2章―戦いの砲火―
6
しおりを挟む
「2人ともやめないか! 今は戦闘中だぞ!? 少しは私語を慎みたまえ!」
2人がふざけあっていると壁際に寄りかかっていた少年が注意してきた。彼の見た目は、金髪と黒髪が混ざったメッシュのツンツンヘアだった。そして、長身で2人よりも背が高く雰囲気からにして真面目でしっかりしてそうな性格だった。
彼は眉間にシワを寄せると、不謹慎とばかりに怒った顔をした。金髪と黒髪が混ざった彼の名前は神宮寺隼人と言う名前だった。彼は2人の隊長だった。隼人は険しい表情を2人の前で見せた。結人は叱られると肩を落として悄気た。
「す、すみませんでした……! 隼人隊長、以後きおつけます…――!」
隼人は両腕を組むと少し呆れた顔で言い返した。
「やれやれ……。結人君には本当に困ったなぁ、いつまでも入隊部員の気分じゃ、困るよ。結人君には軍人としての自覚が足りないように見える。こんなことを言うのもなんだが、もっとしっかりしてもらわないと俺が困る……!」
そう言って隼人は呆れると、部下である結人に敢えてキツい一言を浴びせた。
「っ……!」
結人は隼人にその事を指摘されると、悔しくて思わず自分の唇を噛み締めた。その隣で美岬は、彼の話しを黙って聞くといきなり突っかかった。
「――だいたい戦闘中って、いつもの事じゃないですか。今さら特別な感じで言わないで下さいよ、隼人隊長」
美岬の生意気な言葉に隼人は頭の中かがカッとなった。そして、思わず感情的になった。
「なっ、お前もう一度言ってみろ……!」
隼人は彼の胸ぐらをグイと掴むと力任せに自分の方に引き寄せた。怒る彼とは違い、美岬はあくまでも冷静だった。そして、胸ぐらを掴まれると鋭い瞳で彼を睨みつけた。
「本当のことを言って何が悪いんですか?」
「何っ!?」
「じゃあ、隊長がこの争いを止められると言うんですか? 今さら始まってしまった争いを、俺達子供がここでいくら言い争っても事態は何も変わりませんよ。そう思いませんか、隼人隊長?」
美岬の鋭い言葉に思わず、隼人は握った右手の拳が僅かに怒りで震えた。 結人は、そんな険悪な2人のムードの中を割って入った。
「まあまあ、2人とも落ち着いて……!?」
その場で明るく話しかけると、やんわりと仲裁した。だが、2人は睨み合い今にも喧嘩しそうな雰囲気だった。一触即発しそうな状態に逆に空気が読めてない結人に対して、2人からの鋭い視線が突き刺さった。
突き刺さる冷たい視線に思わず苦笑いを浮かべると、部屋の中を何喰わぬ顔で徘徊した。ついでに嫌な空気が漂っているこの場の雰囲気を変える為に結人は必死で下手ながらも明るい口笛を吹いてみせた。
2人がふざけあっていると壁際に寄りかかっていた少年が注意してきた。彼の見た目は、金髪と黒髪が混ざったメッシュのツンツンヘアだった。そして、長身で2人よりも背が高く雰囲気からにして真面目でしっかりしてそうな性格だった。
彼は眉間にシワを寄せると、不謹慎とばかりに怒った顔をした。金髪と黒髪が混ざった彼の名前は神宮寺隼人と言う名前だった。彼は2人の隊長だった。隼人は険しい表情を2人の前で見せた。結人は叱られると肩を落として悄気た。
「す、すみませんでした……! 隼人隊長、以後きおつけます…――!」
隼人は両腕を組むと少し呆れた顔で言い返した。
「やれやれ……。結人君には本当に困ったなぁ、いつまでも入隊部員の気分じゃ、困るよ。結人君には軍人としての自覚が足りないように見える。こんなことを言うのもなんだが、もっとしっかりしてもらわないと俺が困る……!」
そう言って隼人は呆れると、部下である結人に敢えてキツい一言を浴びせた。
「っ……!」
結人は隼人にその事を指摘されると、悔しくて思わず自分の唇を噛み締めた。その隣で美岬は、彼の話しを黙って聞くといきなり突っかかった。
「――だいたい戦闘中って、いつもの事じゃないですか。今さら特別な感じで言わないで下さいよ、隼人隊長」
美岬の生意気な言葉に隼人は頭の中かがカッとなった。そして、思わず感情的になった。
「なっ、お前もう一度言ってみろ……!」
隼人は彼の胸ぐらをグイと掴むと力任せに自分の方に引き寄せた。怒る彼とは違い、美岬はあくまでも冷静だった。そして、胸ぐらを掴まれると鋭い瞳で彼を睨みつけた。
「本当のことを言って何が悪いんですか?」
「何っ!?」
「じゃあ、隊長がこの争いを止められると言うんですか? 今さら始まってしまった争いを、俺達子供がここでいくら言い争っても事態は何も変わりませんよ。そう思いませんか、隼人隊長?」
美岬の鋭い言葉に思わず、隼人は握った右手の拳が僅かに怒りで震えた。 結人は、そんな険悪な2人のムードの中を割って入った。
「まあまあ、2人とも落ち着いて……!?」
その場で明るく話しかけると、やんわりと仲裁した。だが、2人は睨み合い今にも喧嘩しそうな雰囲気だった。一触即発しそうな状態に逆に空気が読めてない結人に対して、2人からの鋭い視線が突き刺さった。
突き刺さる冷たい視線に思わず苦笑いを浮かべると、部屋の中を何喰わぬ顔で徘徊した。ついでに嫌な空気が漂っているこの場の雰囲気を変える為に結人は必死で下手ながらも明るい口笛を吹いてみせた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ハッチョーボリ・シュレディンガーズ
近畿ブロードウェイ
SF
なぜか就寝中、布団の中にさまざまな昆虫が潜り込んでくる友人の話を聞き、
悪ふざけ100%で、お酒を飲みながらふわふわと話を膨らませていった結果。
「布団の上のセミの死骸×シュレディンガー方程式×何か地獄みたいになってる国」
という作品が書きたくなったので、話が思いついたときに更新していきます。
小説家になろう で書いている話ですが、
せっかく アルファポリス のアカウントも作ったのでこっちでも更新します。
https://ncode.syosetu.com/n5143io/
・この物語はフィクションです。
作中の人物・団体などの名称は全て架空のものであり、
特定の事件・事象とも一切関係はありません
・特定の作品を馬鹿にするような意図もありません
チャンス・オブ・ア・ライフタイム 《両性で見た目美女能力者になった俺は憧れのヒーローになる》
月影光貴
SF
宇宙からの隕石により特殊能力などに目覚める生物達
未だに、漫画や特撮のスーパーヒーローに憧れ続けているお喋り躁鬱不眠病弱無職のクソ野郎こと梶原貴音(カジハラ タカネ)(22歳)が、地球に降り注いだ隕石の物質が原因で世界中の一部の生物が異能などに目覚め、自分も典型的なスーパーヒーローの様な能力を手に入れた事と身体の変化(両性化)に気がつき己の夢(ヒーロー)の為に行動するが......
レジェンド・オブ・ダーク 遼州司法局異聞
橋本 直
SF
地球人類が初めて地球外人類と出会った辺境惑星『遼州』の連合国家群『遼州同盟』。
その有力国のひとつ東和共和国に住むごく普通の大学生だった神前誠(しんぜんまこと)。彼は就職先に困り、母親の剣道場の師範代である嵯峨惟基を頼り軍に人型兵器『アサルト・モジュール』のパイロットの幹部候補生という待遇でなんとか入ることができた。
しかし、基礎訓練を終え、士官候補生として配属されたその嵯峨惟基が部隊長を務める部隊『遼州同盟司法局実働部隊』は巨大工場の中に仮住まいをする肩身の狭い状況の部隊だった。
さらに追い打ちをかけるのは個性的な同僚達。
直属の上司はガラは悪いが家柄が良いサイボーグ西園寺かなめと無口でぶっきらぼうな人造人間のカウラ・ベルガーの二人の女性士官。
他にもオタク趣味で意気投合するがどこか食えない女性人造人間の艦長代理アイシャ・クラウゼ、小さな元気っ子野生農業少女ナンバルゲニア・シャムラード、マイペースで人の話を聞かないサイボーグ吉田俊平、声と態度がでかい幼女にしか見えない指揮官クバルカ・ランなど個性の塊のような面々に振り回される誠。
しかも人に振り回されるばかりと思いきや自分に自分でも自覚のない不思議な力、「法術」が眠っていた。
考えがまとまらないまま初めての宇宙空間での演習に出るが、そして時を同じくして同盟の存在を揺るがしかねない同盟加盟国『胡州帝国』の国権軍権拡大を主張する独自行動派によるクーデターが画策されいるという報が届く。
誠は法術師専用アサルト・モジュール『05式乙型』を駆り戦場で何を見ることになるのか?そして彼の昇進はありうるのか?
ジョン船長の日記 【週間連載長編作品】
Grisly
SF
今から少し先の未来。
ジョン船長の航海日記が発見される。
それは古びた本だったが、
宇宙の数々の星々を旅して来た
彼の記録が遺されていた。
人々は夢中で読み、また見ぬ宇宙へと
思いを馳せるのだった。
装甲を纏い戦う者達
ブレイブ
SF
未知の物質が発見され、未知の物質はアルカディアと命名され、アルカディアが適応すれば人に驚異的な力を与える。人をほおっては置けない白黒忌子はただの学生として過ごしていたが、特異災害、アドヴァルサの侵略攻撃の中、忌子の想いによって力が目覚めた
「メジャー・インフラトン」序章5/7(僕のグランドゼロ〜マズルカの調べに乗って。少年兵の季節 JUMP! JUMP! JUMP! No2.
あおっち
SF
海を埋め尽くすAXISの艦隊。
飽和攻撃が始まる台湾、金門県。
海岸の空を埋め尽くすAXISの巨大なロボ、HARMARの大群。
同時に始まる苫小牧市へ着上陸作戦。
苫小牧市を守るシーラス防衛軍。
そこで、先に上陸した砲撃部隊の砲弾が千歳市を襲った!
SF大河小説の前章譚、第5部作。
是非ご覧ください。
※加筆や修正が予告なしにあります。
アルビオン王国宙軍士官物語(クリフエッジシリーズ合本版)
愛山雄町
SF
ハヤカワ文庫さんのSF好きにお勧め!
■■■
人類が宇宙に進出して約五千年後、地球より数千光年離れた銀河系ペルセウス腕を舞台に、後に“クリフエッジ(崖っぷち)”と呼ばれることになるアルビオン王国軍士官クリフォード・カスバート・コリングウッドの物語。
■■■
宇宙暦4500年代、銀河系ペルセウス腕には四つの政治勢力、「アルビオン王国」、「ゾンファ共和国」、「スヴァローグ帝国」、「自由星系国家連合」が割拠していた。
アルビオン王国は領土的野心の強いゾンファ共和国とスヴァローグ帝国と戦い続けている。
4512年、アルビオン王国に一人の英雄が登場した。
その名はクリフォード・カスバート・コリングウッド。
彼は柔軟な思考と確固たる信念の持ち主で、敵国の野望を打ち砕いていく。
■■■
小説家になろうで「クリフエッジシリーズ」として投稿している作品を合本版として、こちらでも投稿することにしました。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる