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第6章―運命の選択―
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しおりを挟む「この機体はまさかと思うが、DT―hephaestusじゃ…――!?」
「そうだK、ヘパイトスに決まってるじゃろ!」
バッツは上から話しかけてくると、パイロットの搭乗出口から吊り梯子に左足をかけてゆっくりと下に降りてきた。地上に降りるとバッツはそのまま彼に歩み寄った。
「ヘスティアと思ったか? まさか、ヘパイトスに決まってるじゃろ。その目でよく確かめて見るがいい」
彼にそう話すと、年老いた笑い声を上げてケラケラと明るく笑った。
「DT―Hestia新型の狙撃タイプのドールアームズ。だが、これはこの基地に配備されたばかりの新型の機体とは無縁の古いタイプのやつじゃよ」
彼の話しにケイニッフィは疑問をぶつけた。
「おい、バッツじいさん。確かヘパイトスはあの時に無くなったんじゃなかったのかよ? 新型の狙撃タイプのヘスティアがここに配備された時に古い狙撃タイプのは全部、回収されたって聞いたぞ?」
そこで思い出したように話すと彼は再び豪快に笑った。
「ああ、そうじゃよ。ヘパイトスは全部、あの時に回収された。だがなK。物とは時に、新しい物ばかりが良いとは限らない。古い物にもそれなりの個性や、良い所は沢山あるんじゃよ」
そう言ってクシャクシャの顔をほころばせた。
「――そんな理由もあってこのヘパイトスは回収される時に、ワシがわざと隠しておいたんじゃ。そしてこんな時の為にとっと置いたんだ。まあ、このタイプの狙撃ドールアームズは、性能が良いから残して置いても損はないだろ。それにワシの好きな機体でもある。長年これを扱っていたから愛着があるのじゃよ」
彼は誇らしげに期待に愛着を見せた。
「なんと言うか、そこがじいさんらしいな……。ヘスティアよりもヘパイトスのが本来この基地には馴染んでるしな。まあ、上層部が決めたことに、俺達が口出しできないのが残念だが」
ケイニッフィは彼の隣でそう話すと、両腕を組んで上を見上げた。
「――で、そっちの状況はどうだ?」
「ああ、見ての通りじゃよ。今回ばかりは絶体絶命的じゃろう。それに奴らは随分と躍起になっている。こんなことは今まで一度もなかったのに、こんな基地を落としても無駄なだけじゃ」
バッツはそう話すと顎髭を触りながらため息をついた。
「上も下も同じか……。俺達もあいらには随分と手こずらされている。倒してもきりがない。基地の外は奴等に包囲されてるようなものだ。母艦をのぞいて、補給艦や小型艦も何隻かある。それにあの不沈空母もいる状況だ。これはひょっとしたらただ事じゃないぞ」
ケイニッフィが隣で状況を説明すると、バッツは驚いた反応を示した。
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