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第5章―生と死の輪舞―(ロンド)
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しおりを挟む「これを君に…――」
整備士は結人の掌に銀のペンダントを手渡した。それを見るなり声を震わせた。
「美岬が大切にしているペンダント……! どうして貴方がこれを…――!?」
「君に渡すように彼から頼まれたんだ……」
「美岬が僕に……?」
「ああ、そうだ…――!」
整備士は彼から頼まれたペンダントを手渡すと、最後に一言伝えた。
「あと彼から一つ伝言ある。『ゴメン』って君に伝えて欲しいって…――」
「ッツ……!」
結人は彼からの伝言を聞かされると、その場でガクンと地面に崩れ落ちた。
「っ…ひっく…! うそ、うそっ…! そんなの嘘だぁ! 美岬が僕にそんなこと…――!」
そこで強く否定すると涙を流しながらペンダントをギュッと握った。肩を震わせて泣くと、整備士は見ぬに見兼ねて声をかけた。すると結人はキッと彼を睨みつけた。
「どうして美岬を行かせたんですか!? そんな状況だってわかっていたんだったら、何で美岬をあんな所に行かせたんですか…――!?」
結人は思わず感情的になるとペンダントを強く握ったまま、やり場のない怒りをぶつけた。
「もし美岬の身に何か起きたら貴方を許さない! 絶対に許さないんだからぁっ!!」
「お、おい……!」
そう言い放つと、結人は泣きながら部屋を飛び出して何処かに走り去った。彼は唖然となると、その場を無言で立ち尽くしたのだった――。
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