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第4章―舞い降りた翼―
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しおりを挟む「さぁ、戦争を始めようか――?」
美岬は目の前にいるアレスに向かって呟いた。その眼差しは静寂に秘めた鋭い瞳をしていた。
『何だって言うんだテメェはぁああああっ!!』
カインは激しい怒りに燃え上がると、我を忘れて両肩に搭載されているミサイルポットを、一気に撃ちまくった。しかし、美岬は冷静な様子でその放たれたミサイルを軽々と避けると、持っていた銃でミサイルを全て撃ち落とした。
その俊敏な速さは、他のアビスの機体とは比べようもない程のスピードだった。放ったミサイルを全弾撃ち落とされると、彼はさらに激昂した。
『おらぁああああああああっつ!!』
けたたましく叫ぶと光熱エネルギーの銃をアビスに向けて撃った。空中で体勢を立て直すと、その攻撃をシールドで瞬時にガードした。僅か数秒でここまでの並外れた動きをする目の前のアビスに、カインは今まで以上に激しく燃え上がった。
「くっ、なんてふざけた奴だ……! この俺様に楯突くなんざ100年早いんだよ、クソが散れ!」
アレスは大鎌を構えると、そのまま相手に突撃した。
「こうなったらこのゲーリューオンで真っ二つにぶった切ってやるぜ、死ねぇえええええっ!!」
カインは果敢にも相手に攻めた。美岬はその一瞬を見極めると体勢を反らして攻撃を交わした。
『チィッ!』
攻撃を交わされると、カインは表情を歪めた。そして、再び大鎌を勢い良く振り上げると、その攻撃を美岬はシールドで防いだ。相手の驚異的な動きに彼はさらに激怒した。
こ、この俺様が僅かに押されているだと……!?
バカな、Zナンバーのドールアームズが量産型の出来の悪いドールアームズ如きに押されるなど!
俺はアレスに乗る為だけに生きてきたんだ! こんな雑魚なんかに、こんな雑魚なんかに俺様が…――!
『くそったれぇええええええええっつ!!』
そこで激しい感情を燃やすと、高圧電子砲からスキュラを撃ち放った。放たれたスキュラは一直線に向かって直撃した。
咄嗟にシールドで防いだが、キャノンの威力にシールドの防御力が低下した。美岬は操縦席の前で軽く舌打ちすると次の手段に出た。
敵に被弾したと見せかけて、気が緩んだ隙に勝負に出た。アレスは再び真っ向から突撃しに来た。美岬はその一瞬を見逃さなかった。左手に持っていたシールドを前に投げ飛ばすと敵の視界を一瞬で塞いだ。
シールドがゆっくりと回転して下に落ちるのと同時に、その僅かな間からビームライフルで敵のコックピットをめがけて狙い撃ちをした。その間、僅か数秒での出来事だった――。
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