299 / 316
第23章ー少年と隊長ー
5
しおりを挟む
ヴァジュラはタルに入ったお酒を美味しそうに飲んでいた。
『ダッハッハッハッ、良い飲みっぷりだ!』
「どうだ美味いだろ~? まだまだあるから、じゃんじゃん飲めよー!」
ハルバートは上機嫌に笑うと、ヴァジュラに酒をススメながらも自らもタルに入ったお酒を手で掬って飲み始めた。
「くあ~っ!! うめぇ、最高だ! やっぱりここの名産品の酒は美味いぜ!! この大陸はクソだが酒だけは美味い! な、そうだろ相棒」
彼は極上のお酒に酔いながら更にタルの中に入ったお酒を手で掬って飲み続けた。ヴァジュラもハルバートと一緒に舌でチビチビとお酒を味わった。ユングは見てはいけない光景に唖然となると、そこで固まりながら顔をひきつらせた。
「くぅーっ、上物のお酒はうめぇな! サラミやチーズと一緒に飲んで食ったらマジで最高!」
そう言ってタルに入ったお酒を一心不乱に、無我夢中で飲み続けた。ヴァジュラも彼に負けじとお酒をチビチビと飲んだ。2人の息の合った見事な連携プレイにユングはただ呆然と黙って見ていた。
「あ~片手で掬って飲むのも面倒だ! おい、ヴァジュラちょっと顔を退けろ!」
ハルバートはそう言ってタルの脇に自分の両手をつくと、躊躇いもなく頭ごと中に突っ込んで飲んだ。
えぇ~~っ!!
目を疑うような信じられない光景に、そこで仰天した声を上げた。
嘘、し、信じられない……!!
ハルバート隊長、タルの中に頭を入れてお酒を飲んでる……!!
あの人、よっぽどお酒が好きなんだ……! 何か凄く見ちゃいけないものを見た気がする……!
ユングは遠巻きで観察しながらも、彼が大のお酒好きだと言うことがわかった。
『ぷっはーっ!! マジでうめぇ! ヤバい、美味すぎて止まらねー!』
彼は好きなだけ飲むとタルから頭をあげた。辺りにはお酒の臭いが漂った。あれだけあったタルの中身も、お酒が半分くらい減っていた。ハルバートはヴァジュラにも同じことをススメた。
「どーよ、お前もやれ。この方がいっぱい飲めるぞ?」
ヴァジュラは彼に命令されると、見よう真似でタルの中に顔を入れて飲んだ。タルの中に口を突っ込むと、そのままタルを宙に浮かせた状態でゴクゴク飲んだ。
ハルバートは手拍子で音頭をとりながら一気飲みさせたのだった。ユングは見ていられなくなると残念な顔で深いため息をついた。
『ダッハッハッハッ、良い飲みっぷりだ!』
「どうだ美味いだろ~? まだまだあるから、じゃんじゃん飲めよー!」
ハルバートは上機嫌に笑うと、ヴァジュラに酒をススメながらも自らもタルに入ったお酒を手で掬って飲み始めた。
「くあ~っ!! うめぇ、最高だ! やっぱりここの名産品の酒は美味いぜ!! この大陸はクソだが酒だけは美味い! な、そうだろ相棒」
彼は極上のお酒に酔いながら更にタルの中に入ったお酒を手で掬って飲み続けた。ヴァジュラもハルバートと一緒に舌でチビチビとお酒を味わった。ユングは見てはいけない光景に唖然となると、そこで固まりながら顔をひきつらせた。
「くぅーっ、上物のお酒はうめぇな! サラミやチーズと一緒に飲んで食ったらマジで最高!」
そう言ってタルに入ったお酒を一心不乱に、無我夢中で飲み続けた。ヴァジュラも彼に負けじとお酒をチビチビと飲んだ。2人の息の合った見事な連携プレイにユングはただ呆然と黙って見ていた。
「あ~片手で掬って飲むのも面倒だ! おい、ヴァジュラちょっと顔を退けろ!」
ハルバートはそう言ってタルの脇に自分の両手をつくと、躊躇いもなく頭ごと中に突っ込んで飲んだ。
えぇ~~っ!!
目を疑うような信じられない光景に、そこで仰天した声を上げた。
嘘、し、信じられない……!!
ハルバート隊長、タルの中に頭を入れてお酒を飲んでる……!!
あの人、よっぽどお酒が好きなんだ……! 何か凄く見ちゃいけないものを見た気がする……!
ユングは遠巻きで観察しながらも、彼が大のお酒好きだと言うことがわかった。
『ぷっはーっ!! マジでうめぇ! ヤバい、美味すぎて止まらねー!』
彼は好きなだけ飲むとタルから頭をあげた。辺りにはお酒の臭いが漂った。あれだけあったタルの中身も、お酒が半分くらい減っていた。ハルバートはヴァジュラにも同じことをススメた。
「どーよ、お前もやれ。この方がいっぱい飲めるぞ?」
ヴァジュラは彼に命令されると、見よう真似でタルの中に顔を入れて飲んだ。タルの中に口を突っ込むと、そのままタルを宙に浮かせた状態でゴクゴク飲んだ。
ハルバートは手拍子で音頭をとりながら一気飲みさせたのだった。ユングは見ていられなくなると残念な顔で深いため息をついた。
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる