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第6章―狂気への目覚め―
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「どうしたのお義父様?」
「ああ、ちょっとお前の顔を見に来たんだ……」
「まあ、そうなの?」
お父様は何故か、ぎこちない表情で目を伏せた。
「そうだ。どうだ瞳子、パーティーは楽しかったか?」
「ええ、凄く楽しかったわ! みんな私の誕生日を祝ってくれたの! それにね、お友達から素敵なプレゼントを頂いたわ! ねぇ、見てこのクマの縫いぐるみ。凄くカワイイでしょ? 私こんな愛らしい縫いぐるみが前から欲しかったの!」
私は彼にクマの縫いぐるみを見せて無邪気に、はしゃいだ。でも、お義父様の表情はどこか暗く悲しそうだった。
「あら、どうしたのお義父様……?」
椅子に座っている彼の足下にしゃがみ込むと、手を重ねた。すると私の顔をジッと見てきた。その瞳は何故か、物言いたげな目をしていた。
「瞳子……」
「何、お義父様……?」
「いいや、なんでもない…――」
そう言って椅子から立ち上がると、扉の前まで歩いた。ドアノブに手をかけると一言言った。
「そうだ瞳子。彼から連絡が来たんだ。明日辺りに着物が届くそうだ。楽しみにしてなさい」
「まあ、着物が出来たの!?」
「ああ、そうだとも。じゃあ、私は部屋に戻る。おやすみ瞳子」
「おやすみなさい。お義父様」
部屋から出て行く彼におやすみの挨拶を言うと、自分のベッドの中に潜り込んだ。
「ああ、ちょっとお前の顔を見に来たんだ……」
「まあ、そうなの?」
お父様は何故か、ぎこちない表情で目を伏せた。
「そうだ。どうだ瞳子、パーティーは楽しかったか?」
「ええ、凄く楽しかったわ! みんな私の誕生日を祝ってくれたの! それにね、お友達から素敵なプレゼントを頂いたわ! ねぇ、見てこのクマの縫いぐるみ。凄くカワイイでしょ? 私こんな愛らしい縫いぐるみが前から欲しかったの!」
私は彼にクマの縫いぐるみを見せて無邪気に、はしゃいだ。でも、お義父様の表情はどこか暗く悲しそうだった。
「あら、どうしたのお義父様……?」
椅子に座っている彼の足下にしゃがみ込むと、手を重ねた。すると私の顔をジッと見てきた。その瞳は何故か、物言いたげな目をしていた。
「瞳子……」
「何、お義父様……?」
「いいや、なんでもない…――」
そう言って椅子から立ち上がると、扉の前まで歩いた。ドアノブに手をかけると一言言った。
「そうだ瞳子。彼から連絡が来たんだ。明日辺りに着物が届くそうだ。楽しみにしてなさい」
「まあ、着物が出来たの!?」
「ああ、そうだとも。じゃあ、私は部屋に戻る。おやすみ瞳子」
「おやすみなさい。お義父様」
部屋から出て行く彼におやすみの挨拶を言うと、自分のベッドの中に潜り込んだ。
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