冷たい月を抱く蝶

第5章―少女と着物―

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「畏まりました。では、この生地で着物をお作り致します。作るのに日数ほどお時間がかかりますが、よろしいですか？」

「ああ、構わんよ。ではあとは頼んだ」

　おじ様は返事をすると、お義父様と握手をして屋敷から出て行った。私は初めて着る着物にワクワクした。一人でニコニコしているとお義父様が不思議そうに話しかけてきた。

「どうした瞳子？」


「なんでもないわお義父様。ただちょっと楽しみなの。だって初めて着物を着るんですもの。ワクワクしてしまうわ」

　｢ふふふっ、そうか。実は私も楽しみなんだ。きっとお前の着物姿は綺麗だろうな。きっとその綺麗な黒髪に良く似合うはずだ」

「まあ、お義父様ったら……！」

　私はその言葉に頬が赤くなった。手が肩に触れると、私は彼の隣に寄り添ったのだった――。