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5章 東の地
第266話 それぞれの予定
しおりを挟む「護衛はマナスにお願いするしかないですよね。」
「まぁ......そうなるな。」
マナスの分体をカザン君とノーラちゃんの傍に置いておけば護衛としては問題ないだろう。
本体への連絡もすぐに出来るし、戦力としても十分、隠密性も高い。
それに何より分裂出来るマナスはともかく、それ以外の子は置いていくのは流石にね......。
「通信用の魔道具は預けていきますよね?」
「そうじゃな。預けていくつもりではあるが......出来れば改良したものが良かったのう。まだ通信の開始終了を制御する部分は出来ておらぬのじゃ。」
ナレアさんにしてはオンオフの切り替えの機能を作るのにかなり苦戦しているようだ。
元々通信用の魔道具はアースさんの持っていた物を解析して作ったって言っていたしな。
一度アースさんの所に行って通信管理用の大型魔道具って奴を調べた方が......調べて貰った方が良いのかもしれない。
「まぁ、それはとりあえず今まで通り、マナスを通じて連絡開始の合図のやり取りをしましょう。後は何かありますかね?」
「妾達がグラニダを発つ前の話になるが、龍王国のヘネイに連絡を取りたいのじゃ。」
「あぁ......そういえば延ばし延ばしになっていましたね。」
「うむ、差し支えなければ妾が直接ヘネイに会いに行っておきたいのじゃ。檻の件は手紙よりも直接伝えた方がいいじゃろうかなら。」
「僕は構いませんが......。」
ナレアさんの提案に俺は問題ないと伝えてからレギさん達の方を見る。
「いいんじゃねぇか?今こっちは俺達がいるし、グルフとナレアが抜けても問題ないと思うぜ?」
龍王国からここに来るまではゆっくりと来たから十日以上かかったけど、一直線で龍王国に向かうならもっと早く移動出来るはずだ。
「いや、折角じゃからグルフの手は借りずに妾一人で戻ろうと思うのじゃ。」
「ナレアさん一人でってことは......飛んで行くのですか?」
「うむ。あまり長距離を移動したことはなかったしのう。流石に応龍のように三日の距離ということはないじゃろうが、それでも五日程度もあれば余裕で龍王国まで戻れるじゃろう。」
「......大丈夫ですか?」
強化魔法の維持ならともかく、そこまで長い時間天地魔法で空を飛んだ経験は俺もナレアさんもない。
それをいきなり、一人でやらせるのは非常に心配なのだけど......。
「ほほ、心配せずとも大丈夫じゃ。魔力の扱いに関してはケイよりも慣れておるしの、無茶はせぬのじゃ。通信用の魔道具は持って行くし、万が一に備えてマナスにもついて来てもらう。これでどうじゃ?」
俺の心配というか不安そうな声を聞いたナレアさんが笑顔で応える。
まぁ、確かにそれもそうか......俺が飛ぶよりもよっぽど安全だろうね。
「分かりました。一応連絡はこまめにしてくださいね?」
「ほほ、ケイは心配性じゃな。まぁ、了解したのじゃ。ノーラ達に挨拶をしたら早速出るとしよう。」
「じゃぁ、少なくともナレアが戻ってくるまでは待機だな。しかしそれまでずっとここに滞在させてもらうのは悪い気がするな。」
ナレアさんの予定が決まったし、グラニダに残る俺達の方もナレアさんが戻ってくるまでの間どうするかを決める必要があるな。
「一応依頼料も貰いましたし、依頼自体も完了していますからねぇ。」
「んー、でもカザン君達は私達に居て欲しいって言うと思うけどな?」
「......そうかもしれねぇが......一応立場上な。」
「友人として付き合っていくって言ったでしょ?立場上って言うならあまり他人行儀にするのは......カザン君達も悲しいんじゃないかな?」
「そうですね......うん、後で僕がしばらく滞在させてもらえないか頼んでみます。」
俺がそう言うとリィリさんは我が意を得たりといった表情で笑う。
レギさんもリィリさんの言葉に納得している様子だし問題ないだろう。
可能性は低いと思うけど、出ていけと言われた時は前使っていた宿に行けば済むだけだしね。
「しかしナレアが戻ってくるまでの間、どうするかが問題だな。」
「カザン君に頼んで下水掃除でもさせて貰ったら?私はノーラちゃんと暫く一緒に居ようかなと思ってるけど。」
「......ふむ。」
リィリさんの提案にレギさんはまんざらでもなさそうな表情で考え込んでいる。
「僕は......シャル達を労ったり、カザン君の手伝いをしたりですかね。まぁカザン君の手伝いに関してはあまり出来ることはないかもしれませんが......後はカザン君達に渡す魔道具を作っておかないといけないですね。」
シャル達の労いはゆっくり時間を取ってやってあげないとね。
今回も皆にはかなり助けてもらったしね。
いつもの鬼ごっこやかくれんぼの後のグルーミング以外にも何かしてあげたいと思うのだけど......うーん、何かないかなぁ?
新しい遊びは何かないだろうか......。
うーん、たかおに、影踏み、だるまさんがころんだ......あまりぱっと来ない......というか全体的にマナスに有利過ぎるな。
そもそもグルフとマナスはだるまさんがころんだって言えないしな。
後マナスはどっち見ているか分からない。
後は......ケイドロとか?
いや、人数がな......俺、シャル、グルフ、マナス、ファラ......少なすぎる。
これだと普通の鬼ごっこと大して変わらないよな......。
俺がみんなで遊ぶ方法を悩んでいるとナレアさん達がこちらを見ていた。
「また随分と百面相をしておるのう。」
「あれは多分シャルちゃん達の為に何か考えているんじゃないかな?」
「まぁ、そっとしておいてやろう。シャル達もその方が嬉しいだろうしな。」
「そうじゃのう。」
何やら皆がこちらを見ながら話していたようだが、俺に話しかけていたわけではない様なのでそのまま思考に没頭する。
うーん、マナスに分裂してもらったらケイドロは悪くない気がしてきた。
いや、分裂したら能力が少し落ちるみたいだし、それは良くないのかな?
悩ましいけど......一回その辺聞いてみるか。
他には何かあるかな......ボール遊び......ファラは何とかしそうだけど......グルフは難しいか?
缶蹴り......いや、缶がない。
そもそも俺を含めて、競い合いながら勢いよく蹴ったら粉々か壊れなかったとしても遥か彼方まで飛んで行きそうだ......。
そう言えば、この世界のそう言った遊びって何かないかな?
ナレアさん達に聞いてみてもいいかもしれないな。
そう思い顔を上げた所ナレアさんが立ち上がった。
「それではノーラ達に挨拶をしてくるのじゃ。」
「あ、もう出られるのですか?」
「うむ、先延ばしにしていたとは言え、早いに越したことはないからのう。」
「そうですか......ヘネイさんによろしくお伝えください。」
「うむ、帰りにアースの所にも少し寄ろうと思うのじゃ。まぁそこまで遅くなるつもりはないがのう。」
「アースさんの所にですか?」
「通信制御用の魔道具を少し調べてくるのじゃ。」
「あぁ、なるほど。場所は分かるのですか?」
「うむ。大まかな場所は分かっておるのじゃ。近くまで行けばアースに連絡しつつ何とかなるじゃろう。」
「それもそうですね。アースさんにもよろしく言っておいてください。」
「了解したのじゃ。」
そう言ってナレアさんが部屋から出ていく。
ナレアさんが出て行った後でレギさん達にこの世界の遊びについて聞いてみたのだが、あまりシャル達と出来そうな遊びは無かった。
今の所ケイドロが最有力かなぁ。
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