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三章 エイヴィの翼 前編(入学編)
212、 皆の誕生日 16(公爵家達の密談)
しおりを挟む「嬢。閉会前についてだが」
「ええ。呼び出しの件ね」
「ああ」
アルベラとウォーフは踊りながら笑顔で話し合う。
それは傍から見たら気兼ねない会話に花を咲かせているように見え、二人が公爵家という事以外は何も悪目立ちする要素は無かった。
「あ。ちなみにこの会話、ぼやかしてるから安心して話せ」
「あら……。魔術? それとも道具かしら?」
「秘密だ」とウォーフは返す。
彼は自分が触れている相手との会話にノイズをかける指輪型の魔術具を身に着けていた。
女遊びをするうえで、一定の誰かとの密談に便利なこの道具はウォーフの愛用品だ。
アルベラは試しに周囲の魔力へ意識を向け、それらしいものを見つけられるか試してみる。……が、彼女の実力ではウォーフの体からは一つと言って魔術具らしき物のある場所を探り当てる事は出来なかった。
踊ですれ違うペアも、同じく密談でもしているのか何かしら魔力の使用を感じ取ることが出来たが、流石公爵家、そこらの貴族とは使用する道具や魔術の質が異なるようだ。
(魔術を展開して隠す事も出来るけど……彼ってそんな器用なタイプかしら)
「素敵な道具をご使用のようね。是非今度工房をお教え頂きたいものだわ」
「かかっ! 道具前程か。良い思いさせてくれたらベルルッティ家愛用の工房も教えてやらなくもねーよ?」
「そう。じゃああまり期待しないでおくわ。で、閉会前のがなに?」
「ちょっとは期待させてくれても良かったのによ」とぼやき、ウォーフは本題に入る。
「あの血の使い道についてちと考えてた」
「……? 使い道が予想着いて?」
「いや。何に使うかは全くだ。薬なのか毒なのか、魔術なのか呪いなのか」
「少なくとも解析にはかけられていそうね……。耐性やら体質やら魔力についてやら」
「ああ。だろうな」
「なのにあなたは、あの石が何か知っていて迷わず握ったわね。血から得られる情報はそんなに安くて?」
「んなわけあるか。俺だってそれはタダで出せって言われりゃ抵抗する。……けど相手が相手だ。腐っても王族だろ」
自分と同じ公爵家の生まれである彼が口にする「腐っても」と言う言葉に、アルベラは小さく噴き出し「そうね」と頷く。
彼の言葉の端々に、第三王子をよく思っていない事が伺えた。その点についてはアルベラも同じだったので安心できた。
「んで、だ。……万が一、命にかかわるような代物が出てきたらベルルティ家は第三王子さんと敵対する覚悟だ。俺はやばそうなもん出てきた時点で即逃げるけどあんたはどうだ?」
「『ベルルッティ家』……?」
「俺はそこら辺の承諾、親父から貰ってるんでね」
ニッとウォーフが勝気な笑みを浮かべた。
「―――」
アルベラは表情を崩さないまま、内心ぽかんと、彼を見上げる。
(いつの間にそんな確認を……。今日? 昨日? それよりもっと前……?)
「嬢も問題ないなら、もしもの時は安心して共闘と行けるんだけどな。……あんたは第三が無茶を振ってきた場合、抵抗する術はあんのか? 卿には世話になってるし、嬢を黙って見殺しにはしないつもりではないんだけどな」
「……そう。お爺様に感謝ね。命に関わるなら私も喜んで逃げるわ。その術もある」
「あの魔族か?」
「ええ。あとエリーも」
(それにコントンも)
そのコントンは、今はアルベラの足元にはいない。
彼は今まさに、この話の中心となっている第三王子様の悪だくみについて何か知ることが出来ないか、見てきてもらってるのだ。決して姿は現さず、手を出さず。ただ匂いを嗅いで、会話を聞いて来て欲しいと。
「そうか。なら問題ない」
「ふふ……。私への気遣いもしてくれていたなんて、少し見直しましたわよ、ウォーフ様」
「カカッ。だろ?」
「では、それについて私からも二つ」
「なんだ?」
「あくまで口頭上ではだけど、第四王子様の護衛の彼は呼び出しの件について知らないって。第四王子様は、様子だけだけど知らなそうって感じだったわ」
これはガーロンの褒め殺しダンスの合間、アルベラが気を紛らわすために何とか振った話題だった。
最後に呼ばれるらしい。何かあるのだろうか。貴方はご存じですか。と言った内容をアルベラは彼へ尋ねた。
『私は全く聞いていませんでした。よろしければルーディン様に伺ってみましょうか?』
『いえ……。王族の方に不安を抱くなんて不敬でした。この事はルーディン様にも……他の誰にも秘密でお願いいたします』
『……。はい!!』
何とも強い頷きと真っ直ぐな瞳に身を引いてしまう思いだったが、アルベラが見た限りではガーロンに嘘を付いている様子はなかった。ただただ心配しているようだったのだ。
ウォーフは「ふーん」と言いながら考えるように片眉を寄せる。
「あー……、あのガーロンって野郎か。信用できんのか?」
「あら。信用の度合いでしたら貴方もあの王子様方も私の中では同じくらいなのだけど。出会った時期とか全く同じだし」
「おい、嬢……。見直したとか言ってなかったか? 随分上げて落としてくれるな」
「それはそれでしょう。貴方だって知り合って浅い私をそこまで信用出来て?」
「はっ!」
ウォーフは口端を吊り上げるとアルベラの身をぐっと引き寄せる。
「悲しいねぇ。俺は嬢の事をこんなに厚く思ってるってのに。―――なんならもっと分かりやすく伝えて差し上げようか?」
彼は握ったアルベラの手に力を込めた。
「嬢はこういう強引めな方がお好みか?」
さあ落ちろ。と言わんばかりに見下ろしてくるヒーロー様のご様子に、アルベラは自身の中で急激に感情の温度が下がっていくのを感じた。
「あなた………………今はもっと大事な話をしていたでしょう? オワスレ?」
彼女の凍てついた微笑みと瞳に睨み上げられウォーフは気圧される。
それほどまでにお嬢様の瞳には昂りも感情の揺らぎも見られなかった。
(ちっ。男として凹むんだが……)
ウォーフは握った手の力を戻す。
「わりぃな……発作だ」
「そう。良いお医者様が見つかるといいわね」
アルベラは冷え冷えと返した。その表情からは既に笑みが消えて、見損なったという空気が滲み出ている。
だがウォーフもこれくらいでは本気で傷つきはしないようだ。
「わりぃって」と笑いながら軽いノリの謝罪をし、お嬢様がご希望の通り本筋の話へと戻した。
「……んで。もう一つはなんだ?」
「ああ……考えてみたの。もし最後のお呼び出し、病欠したらあの王子様どうするかしらって」
「信頼がた落ちだろ。いいのか?」
「もう落ちてるようなので、気にする必要なさそうだと思わない? この際ここで歯向かった時の反応を見てみようかと思って。かなり細やかだけど」
「開き直ってやけくそか? それともチクチク言われて拗ねてんのか?」
「そうね。それもあるわ」
「ふーん」
ウォーフは考えるように目を細める。
「……今は辞めておけ。大した問題が起きてない内は従順でいた方がいい。―――だが、大した問題が明らかになったなら堂々と歯向かおうぜ」
「なるほど」
アルベラは大人しく閉会まで残る事にした。
実際の所、病欠も手の一つだと思ったのだが、そうなると共に出る予定だったウォーフがどうなるか気になったのだ。
どうなるも何も、一人で呼び出されるしかないのだろうが。
(ヒーローも、寵愛や恩恵の度合いがあるとはいえ皆神様のお気に入りなんだよな。ここで第三王子と敵対する何かが起きる可能性もあるわけだし……それはちゃんと見て知っておいた方が良いか)
***
ウォーフとの踊りも終え、親しい同級たちと時間を過ごしながらアルベラはその時を待った。
足元にはコントンが戻ってきており、「アイツイイニオイ スキ」とご機嫌だった。
「悪だくみ、悪人、確定かい……」とアルベラはこの国の第三王子様に呆れる。
閉会も間近となった頃。
アルベラはキリエと共にキリエの兄、魔獣学の教員の一人であるザッヘルマと話をしていた。
「明日配られる弟の通信簿を見るのが楽しみだ」「お互い休みをどう過ごすか」「その旅先には、こういう面白い魔獣が生息している。聖獣の巣がある」等を話していると、 一人の使用人がアルベラの元に訪れる。
「―――ディオール様、失礼いたします。こちらへ」
(王子の使いか)
舞踏会にしては早めの時間設定。一八時から二一時までの誕生日パーティーもようやく終わりを迎えるようだ。
「ええ」
アルベラはバスチャラン兄弟に一言告げ、迎えの彼女の後に従った。
会場を見渡すと、同じく使用人に連れられたウォーフの姿を見つけることが出来た。
使用人に連れられるまま目的の場所につくと、第三王子様の執事とルーが共にいた。
ルーはアルベラと目が合うと「悪い」と小さく零す。その顔には、ほんの僅かだが申し訳なさそうな色があった。
「知ってたのね」
アルベラの静かで険のある呟きに、彼は肩をすくめ、余計なことを喋らないようにと執事の後ろへ身を引いた。
そのさらに後ろに、刺青を入れられたエルフの奴隷が自分を睨みつけているのが目に入る。アルベラは興味がないと示すように彼から視線を逸らした。
(今匂いがどうのとか言われたら余計面倒になるじゃない)
「あの石はこのお呼出と関係があって?」
アルベラが言葉を向けたのはルーディンの執事だ。
「はい」
彼は礼儀正しく答えた。
「先に何か教えてもらえるかしら?」
「すみません。主人に口留めされていますので」
「そう。危険はないのね?」
「はい。保証いたします」と言い、彼は九十度に腰を折ってお手本のようなお辞儀をする。
「不安はあるかと思いますが、どうぞお付き合いいただけますと幸いです」
「そう」
(もうこの言葉を信じて成り行きに任せるしかないか。コントンも命を狙う事は無いみたいなこと言ってたし。けど悪だくみは何かしらしてるんだもんな。なんだ? やっぱ呪いか?)
アルベラは表情に気を付けながら壇上の王子様を見上げる。
『ココ サキ イケナイ』
低い声がささやき、アルベラは「ええ」と声にならない位の頷きを落とす。
コントンが先ほど言っていたいのだ。
壇には魔よけの魔術が張られていたと。それを無視して立ち入ることもできたが、触れれば存在がばれてしまうので壇の手前までしか行かなかったのだと。
(何かあったら壇上ではコントンは頼れない……けど、執事さんの言葉を信じるなら危険はない、か。なんだかな)
執事が頭を下げたタイミングでウォーフも到着していた。
「その言葉本当だな」
危険がない、と言う言葉の確認だろう。
彼の言葉に、執事は頭をさげたまま「はい」と静かに答えた。
「そうか。なら楽しみにさせてもらう。……少し残念ではあるがな」
(残念?)
アルベラはチラリとウォーフを見て、彼も見上げた壇上へ視線を戻した。
中央には第三王子。スチュートが立ち上がるところだった。その隣には婚約者様が椅子に腰かけている。反対隣りには第四王子様。その横に護衛として控える礼装姿の騎士様。
そして彼らの後ろには、城の騎士達が控えていた。
(ん……? あの甲冑。ザリアス様と同じ……。うわぁ。騎士団長と副長か。王子様の誕生日だものね。居て当然か)
甲冑の紋章の中に組み込まれた「二」という数字に、アルベラは彼等が城に仕える五つの騎士団の内の「二の騎士団」である事に気付く。
更に気づいたことはもう一つ。
「ウォーフ様」
「なんだ嬢?」
(残念って……)
「まさか何かあった時、騎士長様にケンカ売れるとか楽しみにしてらした?」
「当然」
「脳筋」と棘のあるお嬢様の呟きに、「まあな」と飄々とした声が返される。
二人の元から離れ壇上へ行った執事が、主である第三王子様に何かを耳打ちした。多分準備が整った等の知らせだ。
彼の耳打ちにスチュートが壇下のアルベラとウォーフを見る。
その口元に分かりやすく悪意のある笑みを浮かべると彼は頷き、執事は軽く頭を下げた。
執事の手元にはいつからあったのか青く輝く、実体ではなさそうなベルが持たれていた。
それがチリンチリンと高い音を鳴らし、会場の参加者たちの注目が一斉に王子の元へと向けられた。
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