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第二章

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 会場は、楽団が奏でる穏やかな曲に合わせるように、和やかな雰囲気を漂わせている。
 珍しくルーファスが舞踏会を開くと言い出した時は天変地異の前触れかと疑ったが、当人にエスコートされるララの姿を見て、すべてを察した。

 胸元を赤いバラが飾る、チュールスカートのドレス。色はワインレッド。だがワンショルダーは黒のレースリボンが使われていて、ララには珍しく大人びた印象のドレスだ。

 ニヤけ顔を隠して真面目な顔をするルーファスはどうやらララの許しを得たらしい。

「素敵なドレスね。ララによく似合ってるわ」

 紛れもなく本心だから、手放しで絶賛する。だがララは送り主が送り主なだけに、照れ臭さを隠したような曖昧な表情を返してきた。

「あ、ありがとうございます。……私も、驚きました」

 ちらりと隣に立つ男に目を向けてぼそりと言ったララに、わかるわ。という言葉を伝えるべきか悩む。

 デザイナーに一任したのだろうが、それにしたってララにこれを着せようとは勇気のある人だと思う。私がララに着せるなら間違ってもワインレッドや黒は選ばない。
 それでもララに似合ってるというのは嘘じゃない。結い上げた髪には肩と同じ黒のリボンが飾られて、化粧もいつもより濃い大人びたものになっている。口紅もワインレッドを意識した深い色合いのものを付けてきていた。

「いいだろ。今日のララは、格好良い大人の女ってのがコンセプトだ」
「コンセプトって……まさか、ルーファスがすべてコーディネートしたの?」
「おう。こういうのも意外と楽しいもんだな。オーウェンの気持ちがよく分かったよ」

 あの、ドレスは色しか指定できるところがなかったルーファスが女の子の全身のコーディネートが出来るようになるなんて。

 驚く私の目の前で、得意げなルーファスはララの剥き出しの肩に手を乗せようとして、ペシリと払われていた。
 まだそこまでのお許しは得ていないらしい。けど、ルーファスが考えたドレスを着てくれたのだから、一歩ずつ前進していってるのだと思う。私に協力できることはまだあるかしら。

「私のドレスの話はもういいです! ……エルザさんのドレスは今日も素敵ですね!」

 赤くなった頰を隠すように、ララが話を私へと逸らす。でもこのドレスも贈られたものだから、褒めてくれると嬉しい。
 二の腕の中程から広がるパコダスリーブは黒いレースで、腰から下は反対に真っ白なフレアスカートのドレスだ。歩きやすくて気に入っている。

「ありがとう。ミリエラが贈ってくれたものだから、お礼を言いたくて探してるんだけど……ああ、いたわ。ノエル!」

 手を振って呼びかけると、今日も可愛い弟が振り返った。

 ノエルの隣には綺麗な銀髪を大人しい印象で結い上げた少女が立っている。
 ノエルの恋人のミリエラだ。クリーム色のノエルの髪は会場の照明を受けて金色に輝いていて、銀髪の彼女と並ぶと金銀セットで作られたお人形さんのようだ。声をかけると、今日も淑やかなミリエラは頰を赤く染めて静々とノエルの後ろに隠れてしまった。

「……せっかく贈ったのに見なくてどうするんだよ」
「む、無理です、あまりにお姉様が眩くて……ノエル様、少しの間透明になっていただけませんか。そうすれば見られます」
「また訳の分からないことを……いいからほら、僕の後ろに隠れないで……って、なにメモしてんの!? そんなのどこに隠してたんだよ!」
「ああっ、駄目です、創作意欲が湧いて止まりませんので少々壁になっていていただきたく……っ」
「そのメモあとで絶対にチェックするからね!?」

 少し気になるワードはあるが、仲が良くていいことだ。あの可愛い弟に恋人だなんて、その成長には目が潤む。
 いつも可愛らしいノエルが恋人の前だとちゃんと男の子をしているのも感慨深い。
 同じく感動に眉間を揉んでいたゼンが「女性に対して大きな声を上げるものではありませんよ」とノエルに注意した。

「そうね。女の子を怒鳴るなんて、一番してはいけないことよ。ね、オーウェン」
「そうですね、エルザ。俺も常々そう思っております」

 さりげない嫌味は嫌味で返された。

「うっ……ご、ごめん。気を付ける」

 素直に謝ったノエルの頭を偉い偉いと撫でる。恋人の前だけど、ミリエラは上気した頬に両掌を当てて嬉しそうな様子だから、大丈夫そうだ。

 安心して撫でていると、ミリエラがふと我に返ったように一歩離れて手をファインダーの形にして、こちらを覗き込む仕草を始めた。
 私が着ているこのドレスもミリエラがデザインしたそうで、絵を描くのが趣味らしい。何度かモデルを頼まれて応じたこともあるし、大好きな恋人の絵が描きたいのかもしれない。嬉しそうな姿が可愛くて微笑ましい。可愛い弟に良い彼女が出来て安心だ。



 楽団の奏でる曲に変化があった。ダンスタイムが始まったのだ。
 主催者であるルーファスが、パートナーに手を差し出して、顔を赤くしつつもララはその手にそっと手を重ねた。中央に出て堂々と踊る二人に、周囲からは感嘆の息が漏れ聞こえてくる。
 隣に立つゼンも一つため息のような息を漏らした。

「どうなることかと思いましたが、仲良くやれているようで一安心しました」
「本当にね。ララも膨れっ面だけど照れているだけで嬉しそうだし、安心したわ」

 ルーファスのドレスが功を奏したのか、二人の関係は少しずつでも近付いているように見える。
 ルーファスの粘り勝ちになるのかなと笑って見ていると、ツンとドレスの袖を引かれた。振り返ると、相変わらずノエルの背中に隠れたミリエラが「お姉様は、踊られませんの……?」と小さな声で聞いてきた。
 可愛い催促に小さく吹き出して、隣に立つ恋人を見上げ、どうするの? と目でねだってみる。エメラルドグリーンの瞳が可笑しそうに細められた。

「俺と踊ってくれますか、エルザ。あなたを怒鳴りつける乱暴な男が相手で良ければ」
「あら、知らなかったの? 普段とても丁寧なあなたに怒られるのは、私、結構好きなのよ。喜んで」

 苦笑混じりに「複雑だな」と呟いたオーウェンが差し出してくる手を取った。

 ふと気になって金と銀の二人を振り返る。

「ノエルとミリエラも踊るでしょう?」
「……どうする?」

 ノエルがちらりと後ろの恋人を窺い見るが、ミリエラは首を横に振った。

「踊っていては……じっくり……観察……」

 声が小さくて聞こえづらいが、顔をこちらに戻したノエルが「やめとくよ……」と少し残念そうに答えた。

「ミリエラさん」

 私の手を離して、オーウェンがミリエラの名を呼び、近付く。そしてその耳元に口を寄せ、何事かを呟いた。
 ミリエラのアメジストのような瞳が輝きを増した。

「っ!! 踊ります! わたくし、踊りますわ!! さぁ、ノエル様! お急ぎくださいませ!!」
「うわっちょっ、引っ張るなよ! ほんと、あんた現金すぎるよ!!」

 まるで台風のような騒々しさでノエルを引っ張り、二人は貴族令嬢にあるまじき速度で中央へと駆け出していった。

「……なにを言ったの?」
「近くにいる方が……汗や空気感を味わえて臨場感が格別ですよと」
「臨場感?」

 ダンスは確かに参加した方が楽しいだろうけど……。

「オーウェンがミリエラと仲が良いなんて知らなかったわ」

 耳元で内緒話をするような間柄だったなんて意外だった。少しだけ、拗ねたような気分だ。

「仲が良いというほどではないけど、そうだな……同じものが好きな同志、みたいなものだから、以前から少し話したことがあるだけだよ」
「……ミリエラも魔法オタクなの?」

 知らなかったわと言うと、オーウェンは誤魔化すように笑って再び手を差し出してきた。

「俺達も行こうか。……俺と踊っていただけますか、エルザ」

 愛する恋人の甘い表情に甘い声で申し込まれれば、断る理由なんてひとつもない。

「もちろん、喜んで」

 すでに慣れたオーウェンとのダンスでも、全く飽きない。
 くるりとターンして恋人のたくましい腕で支えられれば、その胸に飛び込んでしまいたくなる。

 見つめれば視線がなんの障害もなく至近距離でぶつかって、同時に笑う。

「愛してるわ、オーウェン」
「愛してる、エルザ」

 囁き合った愛の言葉が被って、また笑う。

「帰ってきてから毎日一緒にいられて、本当に幸せだわ」
「俺もだ。本当に、無事に帰ることができて良かった」

 迷惑をかけた自覚はあるから素直に「心配かけてごめんなさい」と謝罪する。

「本当に、ちゃんと反省しろよ」
「してるわよ。もうお仕事詰めは懲り懲りだわ」
「罰がよほど効いたらしいな」

 意地悪な笑みを向けられて、少し拗ねた気持ちになる。何か文句でも言ってやろうと口を開きかけて、オーウェンの掠れたような声が耳に届いた。

「次は、泣かせたりしないから」

 言葉の意味が知りたくて、首を傾げて無言を返す。穏やかな笑みを浮かべたオーウェンは顔を近づけて「あなたが傷付けられて泣いたりしないように、俺があなたを守ります」と甘く囁いた。
 その言葉も、優しい笑顔も、オーウェンの全てが愛おしくなって、背伸びして唇に触れるだけのキスをした。

「人前だってのに……」
「こういうのは、したいときにするものよ。それとも、嫌だった?」

 オーウェンは「まさか」と答えた。

「もっとしてくれたっていいくらいだ」
「それは無理。人が見てるもの」
「自分からしてきたくせに……っとキングに見られてたらしいな」
「え?」

 そっと視線を向けると、ルーファスは悪戯が成功した子供のような顔をしていて、ララは顔を茹でたタコのように赤く染めている。

「ララったら、大丈夫かしら」
「大丈夫って?」

 恋人からの問いかけに首を傾げてはぐらかし、今は恋人とのダンスの時間を楽しむことにした。あとで必ず確認しておかないと。



 ダンスも終わり、全員でまた集合したところで、私は切り出した。

「ララ。もしかして今日は具合でも悪いんじゃないの?」

 ララはキョトンとした顔をして、首を傾げつつ「そんなことはありませんよ?」と答えた。

「急にどうしたんですか?」
「だって、ララったら、ここに来てからずっと顔が赤くって……熱でもあるんじゃないの?」
「……えっ、か、顔が赤いって、それは……」
「ほら、また赤くなってる」

 そっと額に手を添えると、やや熱い気がしなくもない。

「今日はもう下がった方がいいんじゃないかしら」
「エ、エルザさんってば、どうして急にそんな……って…………あ──────っ!!!」

 ララが何かに気づいたようにポカンと大口を開けて、叫んだ。

「なんだどうし」
「ル、ルーファスさん、耳! 耳貸してください!」
「なんなんだよ、急にって……ああ……そういうことか」

 ララがルーファスに何かを耳打ちし、合点がいったとばかりにルーファスが大きく頷いた。

 そうして私に向けて悪戯めいた視線を送り、わずかに抵抗されるのも意に介さずララの肩を抱き寄せた。

「エルザ。一つ、お前に報告がある」

 ルーファスが口火を切った。

「報告?」

 なにか深刻なことじゃないだろうなと思わず身構える。

 だが、珍しくララが大人しい、というよりもほおを真っ赤に染めた、少し仏頂面のように見えた。
 そんなララの表情を見たルーファスは困ったような、しかし面白そうに笑って──ララの唇に、キスしたのだ。

「……だから、人前で何するんですか!!」

 驚きに思考が止まる私の耳に、耳まで真っ赤なララの抗議が届く。……人前で?

「恋人なんだからこのくらいいいだろ」
「さっきもですけど! 人前なのを怒ってるんです!」

 待ってというように、手のひらを二人に向けて、掲げた。

「……恋人?」

 問い掛ければ、得意げな表情と恥ずかしさを隠すような眉間にシワの寄った顔が返ってきた。



 牢に入った事を、この時やっと後悔した。



「スチルは!!?」
「そんなのあるわけないです!!!」

 真っ赤な顔のララに怒鳴られても構うものか。
 どれだけ悔やんでも、この世界では過去ログなんて読めないのだ。

「見たかったぁー!!」
「見せるわけもないです!!」

 ずっとずっと、画面の外からヒロインと誰かのストーリーを覗き見たいと思っていたのに。
 ああ、よりにもよってメインヒーローとヒロインが結ばれる場に立ち会えないなんて!

 もう二度と牢屋になんて入るものかと、硬く誓う。
 オーウェンの罰よりも何よりも辛い、罰を与えられた気分だった。
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