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行動を見抜いていたかのように、振り返った蝋燭の炎に照らされた表情はガイザックを嘲笑するような顔つきであった。
「私が寝たら、困るのか」
「……もう限界……、兵士の奴らで誤魔化してきたけど……。……呪いって……厄介だ」
ガイザックの口からぼそぼそと言い訳のように紡がれる言葉は、まるで切羽詰ったように掠れていた。
「<砂漠渡り>を始めて一ヶ月、いつ泣きを入れてくるかと待っていたが、オマエは相変わらず強がるからな。ようやく…………餌が欲しくなったのか」
奴隷の中でも性奴に掛けられる呪術は、主人と体液を交わすことで欲情を満たすことができる。
しかし、交わさない期間が長ければ飢えて欲情する間隔が狭まり、遂には一日中欲情し続け、それが長く続けば気が狂って廃人になるという恐ろしいものであった。
「……ほしい……ハミル様……」
近づいただけでうっすらと香る体液の匂いに喉を鳴らし、欲情しきった目を潤ませると、ドサッと抱えていま大剣を地面に放り出した。
どんなに憎悪しても、逃げ出そうと思っても逃げ出せない理由は、全て身にかけられた呪術がそうすることを許さないからであった。
逃げる機会など……いつでもあった……。この体さえ……。
「いつもは小憎らしいことばかり言ってるお前も、この時だけは素直で可愛いと思える」
ハミルは腰に腕を回すと、ガイザックの腰に巻かれている真っ赤な紐を解いた。
はらりと上着も下肢を隠していた布も地面に落ち、全裸の躯が蝋燭の炎の下で露になる。
体の体毛を全て呪術で削がれ、背中には呪いの痣が紫色に浮き上がって見えた。
ハミルはガイザックの頬を指先でいとおしむ様に撫でて、首を掴むと、思い切り地面へと体を叩きつけた。
体内の官能の波に気をとられていたガイザックは、ドサリと地面へと体勢を崩してつんのめり、腕で体を支えながら屈辱に唇をきつく噛みしめた。
……………それでも……欲しくて……狂いそうだ。
嘲笑と侮蔑に満ちた表情で、毎回繰り返される言葉。
……いつになっても慣れやしない……。
「餌をもらう時には、ちゃんと教えた芸をしないといけないよ」
一度体臭を嗅いでしまうと、それ以上は耐え切れなかった。
堅い砂の地面に腕を突き直し、ガイザックは尻をハミルへと捧げる様に掲げて、15年の歳月で教え込まれたように両方の太腿が地面につくほど開いた。
身を灼く熱を冷ましてくれるのであれば、屈辱も羞恥も全て受け入れられた。
死刑よりも重罪とされる罪人に与えられたこの呪術を用いた刑は、主人の殺害と共に自殺することも出来ない様な呪いであり、人の尊厳を徹底的に奪うようなものであった。
狂った方がましだと極限まで抗い続ける男たちもいたが、狂う前に肉欲に溺れて素に戻れなくなるか、狂いきって便所のように使われるかどちらかで、完全に死に至る者は少ない。
……だが……ガイザックだけは他の奴らとは違っていた。
刑が執行され、呪術を受けた直後に、ハミルの元にやってきた彼は、打ちひしがれても絶望もしていなかった。
"俺を殺さなかったことは多分、この国の不覚となると思うぜ。生かして飼い殺すつもりかもしれないが、そう上手くいくかな"
こいつを手に入れたいと思い、周囲の反対を押し切って後宮へと引き入れた。
先代の王を殺した大罪人。大陸一の剣士で、先代の王の側近の騎士であった彼は王を殺し逃亡すると、無政府組織の一団に身を投じた。
国の英雄が、大悪人へと転身したのだ。
子供の頃から憧れていた存在だっただけに、直ぐには信じられなかった。
ハミルは足元で欲情を露に乱れる性奴と化したガイザックを見下ろして、侮蔑に満ちた冷たい瞳で見下ろした。
ただのいやらしい肉奴隷となった男を見下ろすのは、子供の頃の羨望の気持ちを裏切られた憎しみでいっぱいだった。
「穴を……拡げるので……早く…ご慈悲を…」
目の前でガイザックは自ら腕を回し、開いた臀部の中心に指を当てて挿し込み、ぐっと指を外側に引いて内部の肉を広げた。
餌の前には自分で、尻の穴を広げて解す事はしっかりと教え込んである。
目の前で、挿し込まれた指は器用に中を掻き回して、粘膜の水分で回りに潤いを与えて解し始めたのを、無感慨にハミルは見下ろした。
「……見て…ください……ァ……ゥク…ン…」
クチャ、ペチャっと水音が響き始めて、ガイザックの鼻にかかった喘ぎが早くなってくるのが分かった。
一ヶ月も交わらなければ、通常の性奴であれば欲情に耐え切れずに狂ってしまっているところだろう。
少し苛立っているのは分かったが、それ以上を悟らせなかった。泣き喚く姿を見たいと思って、放置しつづけて様子を見ていた。
……そう思うこと自体が、気持ちを奪われているということなのかも知れぬが。
「いやらしい穴だな。もうべちょべちょにしてしまって……。ただ、ここだと外の兵士にも丸見えだ。お前はいいかもしれんが、私は好まない。寝所までその格好で這ってついて来い」
「私が寝たら、困るのか」
「……もう限界……、兵士の奴らで誤魔化してきたけど……。……呪いって……厄介だ」
ガイザックの口からぼそぼそと言い訳のように紡がれる言葉は、まるで切羽詰ったように掠れていた。
「<砂漠渡り>を始めて一ヶ月、いつ泣きを入れてくるかと待っていたが、オマエは相変わらず強がるからな。ようやく…………餌が欲しくなったのか」
奴隷の中でも性奴に掛けられる呪術は、主人と体液を交わすことで欲情を満たすことができる。
しかし、交わさない期間が長ければ飢えて欲情する間隔が狭まり、遂には一日中欲情し続け、それが長く続けば気が狂って廃人になるという恐ろしいものであった。
「……ほしい……ハミル様……」
近づいただけでうっすらと香る体液の匂いに喉を鳴らし、欲情しきった目を潤ませると、ドサッと抱えていま大剣を地面に放り出した。
どんなに憎悪しても、逃げ出そうと思っても逃げ出せない理由は、全て身にかけられた呪術がそうすることを許さないからであった。
逃げる機会など……いつでもあった……。この体さえ……。
「いつもは小憎らしいことばかり言ってるお前も、この時だけは素直で可愛いと思える」
ハミルは腰に腕を回すと、ガイザックの腰に巻かれている真っ赤な紐を解いた。
はらりと上着も下肢を隠していた布も地面に落ち、全裸の躯が蝋燭の炎の下で露になる。
体の体毛を全て呪術で削がれ、背中には呪いの痣が紫色に浮き上がって見えた。
ハミルはガイザックの頬を指先でいとおしむ様に撫でて、首を掴むと、思い切り地面へと体を叩きつけた。
体内の官能の波に気をとられていたガイザックは、ドサリと地面へと体勢を崩してつんのめり、腕で体を支えながら屈辱に唇をきつく噛みしめた。
……………それでも……欲しくて……狂いそうだ。
嘲笑と侮蔑に満ちた表情で、毎回繰り返される言葉。
……いつになっても慣れやしない……。
「餌をもらう時には、ちゃんと教えた芸をしないといけないよ」
一度体臭を嗅いでしまうと、それ以上は耐え切れなかった。
堅い砂の地面に腕を突き直し、ガイザックは尻をハミルへと捧げる様に掲げて、15年の歳月で教え込まれたように両方の太腿が地面につくほど開いた。
身を灼く熱を冷ましてくれるのであれば、屈辱も羞恥も全て受け入れられた。
死刑よりも重罪とされる罪人に与えられたこの呪術を用いた刑は、主人の殺害と共に自殺することも出来ない様な呪いであり、人の尊厳を徹底的に奪うようなものであった。
狂った方がましだと極限まで抗い続ける男たちもいたが、狂う前に肉欲に溺れて素に戻れなくなるか、狂いきって便所のように使われるかどちらかで、完全に死に至る者は少ない。
……だが……ガイザックだけは他の奴らとは違っていた。
刑が執行され、呪術を受けた直後に、ハミルの元にやってきた彼は、打ちひしがれても絶望もしていなかった。
"俺を殺さなかったことは多分、この国の不覚となると思うぜ。生かして飼い殺すつもりかもしれないが、そう上手くいくかな"
こいつを手に入れたいと思い、周囲の反対を押し切って後宮へと引き入れた。
先代の王を殺した大罪人。大陸一の剣士で、先代の王の側近の騎士であった彼は王を殺し逃亡すると、無政府組織の一団に身を投じた。
国の英雄が、大悪人へと転身したのだ。
子供の頃から憧れていた存在だっただけに、直ぐには信じられなかった。
ハミルは足元で欲情を露に乱れる性奴と化したガイザックを見下ろして、侮蔑に満ちた冷たい瞳で見下ろした。
ただのいやらしい肉奴隷となった男を見下ろすのは、子供の頃の羨望の気持ちを裏切られた憎しみでいっぱいだった。
「穴を……拡げるので……早く…ご慈悲を…」
目の前でガイザックは自ら腕を回し、開いた臀部の中心に指を当てて挿し込み、ぐっと指を外側に引いて内部の肉を広げた。
餌の前には自分で、尻の穴を広げて解す事はしっかりと教え込んである。
目の前で、挿し込まれた指は器用に中を掻き回して、粘膜の水分で回りに潤いを与えて解し始めたのを、無感慨にハミルは見下ろした。
「……見て…ください……ァ……ゥク…ン…」
クチャ、ペチャっと水音が響き始めて、ガイザックの鼻にかかった喘ぎが早くなってくるのが分かった。
一ヶ月も交わらなければ、通常の性奴であれば欲情に耐え切れずに狂ってしまっているところだろう。
少し苛立っているのは分かったが、それ以上を悟らせなかった。泣き喚く姿を見たいと思って、放置しつづけて様子を見ていた。
……そう思うこと自体が、気持ちを奪われているということなのかも知れぬが。
「いやらしい穴だな。もうべちょべちょにしてしまって……。ただ、ここだと外の兵士にも丸見えだ。お前はいいかもしれんが、私は好まない。寝所までその格好で這ってついて来い」
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