猛獣のツカイカタ

怜悧(サトシ)

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「や、め、っ……も、むり……だ、さわ、ん……ッくあああ……ッく、ああ……」
 余程圧迫が苦しいのか、悲鳴をあげて体をのたうたせる工藤の顔を見つめて、串崎は言い聞かせる。
「いい?これからは、排泄も全部アタシの目の前でするのよ。甲斐」
「い……や……やだ、ああ、ああァ……」
 やはり、どんなに苦痛だとしても一筋縄ではいかなようである。
「駄々こねないで。甲斐、出したいんでしょ。ちゃんとうんこするとこ見ててくださいって言ったら出させてあげるから」
「あァ、く……くッうう……いや…だッ」
 串崎の提案にも頭をすぐに振ることはなく、酷い圧迫で痛む内臓に、工藤は身震いを繰り返す。
「ちゃんと言うまでそのままよ」
「……ッは……ッく」
 工藤は頭をシーツに押し付けて、苦しさにしゃくりあげているようである。本当に意地をとことん張ろうとする様に、串崎は呆れ返ったような口調で更に追い詰めようとする。
「本当に学習しない子ね。早く言わないと、文言増やすわよ。そうね、甲斐の汚いお尻の穴からうんこひりだすところを見ててくださいにしたほうがいいかしらね?」
 串崎の言葉に、これ以上我慢することが無意味なのと、更に恥辱を増す結果になることがわかって、工藤は焦って首を左右に振る。
「いうっいう…いうか…ら、あああ、ううう」
「うふふ、もう顔を真っ赤にして涙でぐちゃぐちゃになってて、可愛いわ」
 工藤の泣き顔に、串崎はひどく興奮したような表情を浮かべると、工藤の腰の下に金だらいを据える。
「……う、ううう……うんこ…するとこ……っ見て……み、て…くださいッ……ッ」
「わかったわ、いいわよ。しなさい」
 アナルプラグを抜くと、既に限界を達していたのか、びしゃびしゃと金だらいに音をたてて水っぽい便液を放ち、あとからゆっくりと軟便が落ちていく。
「……ふ、あああ、ぐああ、あああああ、ああ」
 普通のプラスティックの容器ではなく金属のたらいに放つ音は部屋に淫靡に響いて、工藤はまざまざと今おこなわれていることを脳裏に焼きつけさせられた。
「沢山だしたわね。綺麗にしてあげるわね」
 頭を撫でながら、再度シリンジに常温にしている水を入れて中へ注ぎ込む。
「……も、いや…だ…や、だ」
 再び注がれるのを嫌がる工藤の腹を、無慈悲に串崎はぐいっと押し込み無理に排出させる。
「中洗わないと駄目でしょ」
「あ、ッは…ああ、はあ……ああ」
「いいこね、甲斐。もう一回洗うわよ」
「も……ッ…や……っ、ああ、や、だッ……」
 再びシリンジを挿し込んで内部に水を入れて、ほとんど透明な液体が出るのを確認してから、
「綺麗になったわ。ゆっくり拡げましょう」
 串崎はそっと工藤の黒髪を撫でて、ゴム手袋を嵌めたままの指先でアナルが傷ついてないかを確認する。
「く……う……も、かんべ、んしろ、よ」
「昨日は指しか入れてなかったものね。急にで苦しかったわよね。だから、今日はコレを入れて、少しづつ拡げましょう」
 頭を撫でながら怖くないわよと囁かれ、目の前に小さい風船のようなものがついた器具をさらされて、工藤は唇を震わせた。
「ン……で……そんなことッ」
 怒りに震えても逃げる術もなく、器具をローションに濡らして少しづつ内部へと入れていく。
 異物感に眉を寄せて、工藤はその感触を嫌がるように目を閉じる。
「甲斐が、いいこになるためよ。怒らせた人に体で侘びを入れるためってトラさんは言ってたわ」
「ッ……っつ、は」
 極道の中で、衆道の風習は昔はよくあった話である。本当に信頼できる関係を築くために必要とされた。
 男であることを捨てさせられて、再度男だと認めさせるためにどんな汚れ仕事でも率先してするようになるというプライドの駆け引きだ。
 佐倉は工藤の処分の代わりに、組長にその取引を持ちかけるつもりなのである。
 大体組長である親に銃を向けた工藤は、悪くすれば破門された上でこっそり殺されかねなかった。
 それは分かってはいた。
「大丈夫。すぐここは、おちんちんが好きな穴になるから。そうすれば、貴方も辛くなくなるわ」
 工藤は目を見開き、首を振る。
 そんな心配は要らん世話である。身体のつらさなんてどうにでもなる。
 確かにすぐに体を差し出せといわれたら、舌を噛んで死ぬか、組長を道連れに殺していたかもしれない。
 佐倉もそれを見越して、ここに連れてきたのだろう。
「これを5分おきに一ミリづつ拡げていくわ、まずはこの大きさから入れていくわね」
「や……め、ろッ、ざけ、ンな」
 このままここにいたら、あの組長に体を差し出す運命なのだと知り、工藤は必死で抵抗しようと試みる。
「甲斐。貴方……死にたくないんでしょう?」
 そうだ、俺はこんなところで犬死にはしたくない。だからといって衆道という方法で男でなくなるのも嫌だ。それくらいなら……死ぬ、か?
 いやだ……こんなとこで死ぬのは、嫌だ。
 葛藤する工藤の顔を、串崎ははかるようにじっと見返した。
「自覚が必要ね。貴方はもう男じゃないわ。今日は薬は使わないわ。だから貴方のここがおまんこになってくのを、ゆっくり見て自覚しておくのよ」
 逃げられはしないのよと冷たく告げた串崎は、少しだけポンプに空気を送って、ゆっくりと内部に器具を慣らすように動かした。

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