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満願成就
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そんなことより折角のカツ丼が冷めてしまうので、座布団の上に座ると、富田君に食べようと促した。
「とんだ、ビッチ発言にびびるわ」
「ビッチ?ちげえよ、俺は結構一途だぞ。安心しろ、お前のしか入れる気はねぇから」
決めたことは絶対に守るし、ビッチだったら誰でもいいって意味になるけど、そんなことは絶対にない。
「あのな。どこが好きかって聞かれて、最低な答えは顔と体なんだぞ」
げんなりとした表情だが、それでもどこか嬉しそうなのでいいのではないかと思う。
どっちにしろ、セックスの虜になったのも大きな一因でもある。
もぐもぐとカツ丼を食べ始めながらまだ不満がありそうな富田君に告げる。
「俺はさ、まだ富田君のことは体しかしらねーからよ。体だけでも情は移るし、唯一ちゃんと知ってる体を好きだと言ってんだが、それって問題あるのか?」
いつも終わると身体を綺麗に拭いてくれたりとか、なんだかんだ気遣ってくれていたのも知ってるし、だから気持ちが動いたのはある。
だけど、まだそこまでしか知らない。
「問題は、ねえけど」
「でも、たまに優しく笑った時は、すごく可愛いって思うぞ。普段は眉のとこがしわしわになってて、恐い顔してるからな。……メシ冷めるから早く食えよ」
箸を咥えて、まだカツ丼に手をつけていない富田君に促すと、うんと頷いていただきますと食べ始める。
「本当は、オレは眞壁にテッペンとって欲しかったんだ。だから派閥に入った。……そのためなら、何でもできたのに」
食べながらぽつりぽつりと胸の中を吐露する様子に、俺はつきんと心が痛む。
テッペンをとるのが面倒とかいうのは俺の事情だ。
派閥があるっていうことは、それを目指す集まりなんだということは、前に五十嵐さんに聞いたことがある。
下の気持ちに誠意で返してあげてなかったのは俺の方である。
富田君の言葉に心からゴメンと謝った。
「…………元々、そういう争い苦手で、今の派閥は面倒みてくれた五十嵐さんていう先輩から預かっただけだからさ。ちゃんと1年だった富田君たちに言ってなくてゴメン。喧嘩はさ、大事なもん守るためだけでしかしたくねえんだ」
分かってくれるとは思えなかったけど、でも自分の気持ちだけで周りを振り回しているのは、十分分かっている。
それでもついてくる人だけ、周りにいればいいと傲慢に考えていた。
「分かってンよ。アンタがオヒトヨシなのはさ。でも、なんで脅迫してたオレも許してくれんだよ……」
泣いて引き止めた癖に、釈然としていないようだった。
「気持ちよかったし、別に最初からイヤじゃなかったし。脅迫されてるってあんま思ってなかった」
最初から嫌じゃないって言ったら、なんだか本当に淫乱みたいだけど。
「でも、続けてると癖になるし、違う欲がでちまうからな」
「……脅迫じゃなかった…………か。そうだよな……」
視線を落としてから気を取り直したように俺をじっと眺め、一気にカツ丼を食べ終える。
「あのさ、士龍って呼んでもいいか?あと、オレのことも、虎王って…………呼んでほしい」
メシを食いおわった富田君あらため虎王が、耳元で俺の名前を囁いてくると、なんだかたまらず股間が疼いてくる。
「かまわねーよ、なんか、ちと股間にくっけど。……パブロンの犬だっけ。エッチの時に呼ばれてたから、たけおに呼ばれっとさ、ちんこ濡れる」
パブロンだかパブロフだったかな。
さっき精根尽きはてるくらい散々やったのに、また欲しくて仕方なくなっている。
「じゃァ、いつでも濡れてろよ。士龍」
耳元に唇を寄せて囁かれて、虎王が脅迫ってだけでなくて、俺に対するキモチがあったから今まで続けてたってことがわかって、なんだか俺もその気になっている。
もっと、沢山ほしいなという欲望。
身体だけじゃないから。
「俺、やっぱり、とんでもなくビッチになっちまったのかも。スゲー、今、オマエが欲しくてたまんねえや、たけお」
「とんだ、ビッチ発言にびびるわ」
「ビッチ?ちげえよ、俺は結構一途だぞ。安心しろ、お前のしか入れる気はねぇから」
決めたことは絶対に守るし、ビッチだったら誰でもいいって意味になるけど、そんなことは絶対にない。
「あのな。どこが好きかって聞かれて、最低な答えは顔と体なんだぞ」
げんなりとした表情だが、それでもどこか嬉しそうなのでいいのではないかと思う。
どっちにしろ、セックスの虜になったのも大きな一因でもある。
もぐもぐとカツ丼を食べ始めながらまだ不満がありそうな富田君に告げる。
「俺はさ、まだ富田君のことは体しかしらねーからよ。体だけでも情は移るし、唯一ちゃんと知ってる体を好きだと言ってんだが、それって問題あるのか?」
いつも終わると身体を綺麗に拭いてくれたりとか、なんだかんだ気遣ってくれていたのも知ってるし、だから気持ちが動いたのはある。
だけど、まだそこまでしか知らない。
「問題は、ねえけど」
「でも、たまに優しく笑った時は、すごく可愛いって思うぞ。普段は眉のとこがしわしわになってて、恐い顔してるからな。……メシ冷めるから早く食えよ」
箸を咥えて、まだカツ丼に手をつけていない富田君に促すと、うんと頷いていただきますと食べ始める。
「本当は、オレは眞壁にテッペンとって欲しかったんだ。だから派閥に入った。……そのためなら、何でもできたのに」
食べながらぽつりぽつりと胸の中を吐露する様子に、俺はつきんと心が痛む。
テッペンをとるのが面倒とかいうのは俺の事情だ。
派閥があるっていうことは、それを目指す集まりなんだということは、前に五十嵐さんに聞いたことがある。
下の気持ちに誠意で返してあげてなかったのは俺の方である。
富田君の言葉に心からゴメンと謝った。
「…………元々、そういう争い苦手で、今の派閥は面倒みてくれた五十嵐さんていう先輩から預かっただけだからさ。ちゃんと1年だった富田君たちに言ってなくてゴメン。喧嘩はさ、大事なもん守るためだけでしかしたくねえんだ」
分かってくれるとは思えなかったけど、でも自分の気持ちだけで周りを振り回しているのは、十分分かっている。
それでもついてくる人だけ、周りにいればいいと傲慢に考えていた。
「分かってンよ。アンタがオヒトヨシなのはさ。でも、なんで脅迫してたオレも許してくれんだよ……」
泣いて引き止めた癖に、釈然としていないようだった。
「気持ちよかったし、別に最初からイヤじゃなかったし。脅迫されてるってあんま思ってなかった」
最初から嫌じゃないって言ったら、なんだか本当に淫乱みたいだけど。
「でも、続けてると癖になるし、違う欲がでちまうからな」
「……脅迫じゃなかった…………か。そうだよな……」
視線を落としてから気を取り直したように俺をじっと眺め、一気にカツ丼を食べ終える。
「あのさ、士龍って呼んでもいいか?あと、オレのことも、虎王って…………呼んでほしい」
メシを食いおわった富田君あらため虎王が、耳元で俺の名前を囁いてくると、なんだかたまらず股間が疼いてくる。
「かまわねーよ、なんか、ちと股間にくっけど。……パブロンの犬だっけ。エッチの時に呼ばれてたから、たけおに呼ばれっとさ、ちんこ濡れる」
パブロンだかパブロフだったかな。
さっき精根尽きはてるくらい散々やったのに、また欲しくて仕方なくなっている。
「じゃァ、いつでも濡れてろよ。士龍」
耳元に唇を寄せて囁かれて、虎王が脅迫ってだけでなくて、俺に対するキモチがあったから今まで続けてたってことがわかって、なんだか俺もその気になっている。
もっと、沢山ほしいなという欲望。
身体だけじゃないから。
「俺、やっぱり、とんでもなくビッチになっちまったのかも。スゲー、今、オマエが欲しくてたまんねえや、たけお」
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