俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

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「視界が黄色い」

ゲームで瀕死になると黄色くなるのは、きっとこういうことなのかもしれない。
康史が、記憶を思い出した後、なんか盛り上がっちまってそのまま5回戦くらい朝までかましてしまった。

その前にも散々気を失うくらいヤッてたので、さすがの俺もグロッキーで歩いて帰るので精一杯だった。

部屋に帰ると、士龍と恋人の虎王は既に着替えて帰支度できている様子だった。
まあ、昼前だしな。
ドサッとソファーに身体を沈めると、士龍が大丈夫?と声をかけてくる。

「う……ん、ダイジョバねえ」
ぼそりと返すと、心配そうに視線を向けてくる。

「ヤッちゃん、ホドホドにしないと。まあトール君は頑丈だろうけど」
思わずといったていで、士龍は康史を諭してくれるが、しれっと康史は笑いながら微笑む。
「可愛くてついついガッついちゃうんだよね」
まー、いいか。
可愛くはねーんだけどな。

あ、そうだ、士龍たちに出かける前に、康史が自慢のオモチャを貸してたっけ。
こいつらも盛り上がったかなあ。
「シロたちも、オモチャで楽しんだ?」

「んー、久しぶりで俺はオモチャよりちんこが欲しかったからなー」
士龍は臆面なく言い出す。
まあ、帰国子女だし、いうことがいちいち素直すぎんだよなぁ。
俺は寝そべりながら、栄養をとろうと康史が出してきた菓子の中からクッキーぽいものを口に運ぶ。
「そんなにイイの?えっとタケオ君の持ち物は」
康史が身を乗り出して面白がるように士龍に聴く。
「オンナとするよりヤミツキになっちゃうかな」
顔でもなんでもなく、身体で選んだってだけあるな。
でも、ピンピンしてっからヤリすぎるってことはしてねーんだろうな。
「でも、まー、可愛イイんだよな。弟だったのはビックリだけど、まー、ほら、俺はとーちゃん似だし、たけおはたけおのかーちゃんに似てるから血が引き合ったのかもな」
「それはあるかも。トールのオヤジさんは、オレの母さんに片想いしてたし、俺は母さんにそっくりだし」
康史は、へへっと笑い自分の綺麗な顔を指さして言う。
「この顔に生まれたのは感謝だね」
まあ、康史のその顔を守りたいって気持ちや、ずっと見てたいってのは、俺の天命だしな。
普通の顔の幼馴染みだったとして、今こうしているかはわからない。
普通なら、俺が守る必要はねーし。
今のように喧嘩を繰り返してべったり一緒にいたりはしないだろう。
まあ、もしもなんて、考えるだけ無駄なんだけどな。

「さて、送っていくよ。バイクにする?」
バイクに乗る体力はねえし。
もう跨るのはなー、しばらくヤダな。
「ヤス、車だして。しばらく、バイクのりたくねー」
「昨日は乗馬しすぎたからかな」
康史は立ち上がっで俺の頭をファサファサと撫でる。

「えと、ヤッちゃん。とーちゃんの病院寄ってくわ。細かいところ見てもらわないとだし、かーちゃんにも転んだと言い訳してもらいたいし」
駅前に逆戻りか。久しぶりに美人な士龍のかーちゃんも見てみたかったな。
まあ、でもこの怪我、転んだで通用すんのかな。銃弾当たってんだけど。

「了解。トール、いくよ」
康史が俺の肩をバシッとたたく。
「大丈夫か?トール君は休んでたら?」
まあ、行きは士龍と虎王がいるかもしれねーけど。
だけど、帰りは1人になっちまう。
東高の様子がわかんねえ限りは、1人にするのは避けたい。
グロッキーだからっつて、助けられなかった、あの日の二の前はゴメンだ。

「ヤスを1人にはしねーよ、二度と」

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