俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

※大阪事変 →side T

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「こりゃ、絶倫やね。こんなにザーメン塗れなんに、まだ強欲だすとか、かなわんわ。おら、弟くん、おにーちゃん助けたってや」
何本突っ込まれたか、もはや分からなくなっている。
ボスは西覇の背中をとんと押して、俺の前に突き出す。
無様、晒して悪いがこれは最後のチャンスだな。
「兄弟どんぶりとか、売れそうなネタや。ほら、あんなに腰振っておねだりしとる、おにーちゃん、かわいそやない?」
西覇は、放心したような表情で動揺しなが、俺を見下ろす。
俺は求めるように演技をして腰を押し付けながら、軽くアイコンタクトをしようとするが、西覇にはまったくわかってないようだ。
だめ、か。
「はよ、入れたりいや。おねだりしまくって、かわいそやろ」
西覇は、俺の腰を掴むとゴメンとつぶやいて、硬くなったペニスを胎内へとずくっと挿しこむ。
「……ッハァ……っ……っ……はあ」 
グイグイと中をダイレクトに擦りあげて、脆い箇所を突き上げるので。俺も余裕がくなる。
俺の演技が迫真すぎたのか。
「…………ッく……あ、あっ、セーハ…………キスして……」
精液まみれで悪いなあと思いながら唇を開いて、ゆっくり押し付ける。
ここに来る前に歯の裏にしこんだ、小さいカッターを西覇の唇の中に押し込み、視線で合図する。
漸く西覇は俺の意図に気がついた表情を浮かべ、口に含んだカッターをわからない角度で吐き出して、俺の腰を掴みながら中をかき混ぜるふりをして、俺の拘束をカッターで外していく。
「……ッはあ、あ、あ、ッふか、……ッいっ」
演技はうまくないが、甘えるように身体を寄せて脚や腕の縄を切らせる。
「アニキ……ッ……いッく……ッ」

西覇は、何を考えたのか本当に中で出しやがったので、思わずギリッと睨みつけたが、西覇は俺を見返してフンッと鼻先で笑いにらみ返された。

とりあえず、全部解けたのを確認して、西覇がゆっくりと身体を離すのに合わせて、俺は、ボスに殴りかかり腹に1発入れる。
西覇はヒデオ係を取り押さえて、ビデオを破壊するのを見やる。
ボスを完膚無きまでに殴り倒すと、俺は裸のままで周りをみ回し、ニヤリと笑って言い放つ。

「全員、処刑な」


なんだかんだ、奴らを片付けて漸く倉庫を出ると、すでに日暮れ近かった。

「アニキ、もう、気が済んだし。帰ろうか」

ホテルに帰りシャワーを浴びて、なんとか気力を取り戻した俺に、西覇は、精魂付きはてたといった表情でそう言った。
「俺なら大丈夫だぜ。帰りは1日遅れちまうかもしれねーけどさ」
明日の朝のフェリーに乗ればいいかな、と、安易に俺は考えていた。
「ん…………結局、オレは先輩が戻ってきても、守れないじゃないかって、すげえ自信なくした。今回だって、アニキが身体を張ってくれなきゃ、オレ自身さえどうにもできなかった」
俺は、西覇の頭を撫でて、そんなこたねーよと気休めの言葉を告げた。
「それに、浮気しちゃったしさ……」
「は?!」
「アニキごときでイクとか、最大の裏切りだよ」
ぼそりとつぶやいた西覇に、仕方ないだろと返す。
「俺のアナルは名器なんだし」
ちょっと威張って言うと、西覇ら目を見開き、次の瞬間大爆笑する。
「…………アホだろ……ホント。まあ、色々どうしようもねーから、帰るよ。アニキは、ちゃんと、ヤッちゃんに謝れよ」
まあ、危機管理のこともあるし、許してくれんかもしれないな。
覚悟しないとな。…………怖いけど。
許してもらえなければ、腹でも切るかな。

「でもよ、オマエとのことはいわねーから、オマエも墓までもってけよ」
西覇は、ただ、わかってるよとだけ、答えた。
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