150 / 353
三学期編
ツーリング →side T
しおりを挟む予定は途中の休憩をいれて2泊3日だ。
ツーリング旅行は康史と初めては行きたかったが、仕方ない。
無事に卒業が決まったのは、ひとえに西覇のおかげでもある。
俺の頭じゃ、何が要点なのかとかはさっぱりで、全くわからない。
とりあえず、要点を整理して覚えやすくしてくれたので、かなりイイ得点で追試を合格した。
先生も何故進学しなかったんだ、と、惜しそうな顔をしたくらいの結果は出せた。
四国の高知まで、とりあえず地図もスマホのアプリ見ればいいだろうし記憶力は任せろだ。
まあ、でも西覇がいればなんとかなるかな。
「アニキ、荷物、こんだけなの?」
俺が背負ったナップサックを見て、少し心配そうな顔をする。
でも、別に観光するわけじゃねえし、シャツと下着の変えがありゃ問題ないだろう。
「それに、ンな重いもん持ってけねーぞ。早くタンデム乗れよ。連休中に帰ってくっからな」
「アニキ、もう自由登校だろ?」
「俺はな。でもお前は優等生なんだから、ちゃんと登校しないとだろォ」
メットを西覇のあたまにかぶせると、俺はメットを被ってスロットルを回してエンジンを蒸す。
高速に乗れば9時間くらいだが、20歳以上じゃないと2人乗りの高速は走れないので、下道でいかなきゃならない。
大阪からフェリーに乗ってくから、大阪で1泊していくかな。
のちのち、この選択に後悔することになるが、その時の俺には知るよしもなかった。
高速に乗れば昼には大阪まで着けるが、下道だと夜になるかもしれない。フェリーに乗って明日の昼には高知につけるか。
地元を抜けて、山を超える冬の風は冷たい。
西覇は落ちないように俺の腰をグッと引っつかむ。
下道でも混まないとこを、走り抜けるかな。
スピードをあげていくと、西覇がつかむ腕の力が強まる。
紗南や北羅をタンデムしたことはよくあったが、西覇を乗せたことはあまりなかった。
緊張してるみたいだな。
山をバイクで降りていくと、大阪までの国道へと入ってバイクを走らせる。
先に、昼飯を取ったほうがいいか。
近くのファミレスに入りバイクを停める。
「飯だ、飯。俺ァ、ハラが減ったぞ」
メットをとって、西覇を振り返った。
0
お気に入りに追加
358
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる