俺たちの××

怜悧(サトシ)

文字の大きさ
上 下
136 / 353
冬休み編

クリスマス →sideT

しおりを挟む
クリスマスを迎えたと同時に抱きしめた康史の体は、まだ沸騰しそうに熱くてじっとりと汗ばんでいた。
脳みそが真っ白になるくらいの快感から、漸く浮遊するような心地に戻り、俺はしがみつくようにその体を抱きこんだ。

体が欲しがるって言うのは、こういうことなんだなと、こころから実感する。
恋とか愛とか、自分でもそういう類のことは、はっきりよくわからねえけど、コイツを本当に体ごと俺のものにしたいと、心から願った。

だから、達成された充足感はいつもの比じゃない。

「メリークリスマス……トール。本当に腹時計なの?狂いがないのが、怖すぎなんだけど。…………だいじょうぶ?」
覗き込んでくる顔は、俺が気に入っている綺麗な顔を少し曇らせた心配げな顔。
俺は、康史のこの顔がずっと好きだなと思い、手を伸ばして指先で輪郭をたどる。
「……ン……キモチ……ヨ、すぎて……、まだ…アタマ、ぶっとんでる……」
康史のアタマの裏に回した、いつもより力が入らない手でくしゃくしゃと綺麗な栗色の髪をかき回す。
全身がまだじんじんと痺れているみたいで、呼吸もまだ早くて、熱が収まらない。

「いつもより、エッチな顔してる…………ほんとにとろとろの顔で可愛い」
「ん…………いまおれ……あたま、やべえ……し。…………オトナになったら、サンタさんこねえ、理由がわかったぜ……」
ぼそっと俺が呟くと、康史は一瞬唖然とした表情を浮かべ、ちょっと噴出すと俺の鼻に唇を押し当てる。

「なんか何となくわかっちゃうけど、一応聞くね。理由って……ナニ?」

「……こんな日によォ、煙突から入ったら……流石に、セックスの邪魔になるだろ」

康史は俺の答えを予想していたようで、可笑しそうに腹を抱えて笑い、俺の背中に腕を回してくる。
「別に入ってきても、オレは見せてやるけどね。むしろサンタさんに視姦してもらっちゃう」
いたずらっぽい表情で、俺に挑むような目を向けてくる。
そんな煽られてもな…………。

「……ホント……ヘンタイだよな……」
「トールだって、見られた方が、いつもより感じるだろ?」
耳元で吐息を吹きかけるように囁かれて、俺は康史の髪をぐっと引っ張る。
「そんなこたねえよ…………今日のが、一番感じた」
「クリスマスだから?意外に、まさかのイベント好き?」
本気で意外そうな表情で言われて、俺は、考えながら天井に目を向ける。
クリスマスだから、感じたのか?
いや……そういうわけじゃないな。……違うな。
俺は、プレゼントをあげたときの康史の涙に可愛いと思った。
そこからは、欲情して、ずっとヤリてえなと思っていた。
それで、エレベーターでキスだけで達するほど欲情はたかまりすぎていた。

「クリスマスとか関係ねえな。なんか……オマエがすげえ可愛いかったから……だ」

康史は、俺の言葉にちょっと驚いた表情を浮かべて暫く押し黙ると、俺の背中をゆっくりと撫でる。

「……トールは、ホントすげえよ。ガキの頃からブレねえもんなあ……。ガキの頃から、他のヤツに可愛いとか言われるの、すげえむかついたけど、トールにだけは、オレは可愛いといわれるのいやじゃなかったし」
「……今でも、オマエが、一番可愛いぞ」

我慢ができなくなって、唇に吸い付き舌先で康史の唇をこじあける。
今日の俺は、ホントに我慢ができないみたいだ。

クリスマスっていうのも手伝っているのかもしれねーけど、欲望のままに康史の唇を貪りつくした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

親父は息子に犯され教師は生徒に犯される!ド淫乱達の放課後

BL
天が裂け地は割れ嵐を呼ぶ! 救いなき男と男の淫乱天国! 男は快楽を求め愛を知り自分を知る。 めくるめく肛の向こうへ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

制限生活

澄玲 月
BL
R18作品です。ほぼ全部。 監禁だったり、もうすべてエロいことしまくります。

処理中です...