俺たちの××

怜悧(サトシ)

文字の大きさ
上 下
117 / 353
二学期編

SOS →side T

しおりを挟む
電話に出たのに、康史は腰の動きを止めない。
声を出させようとしているのもわかり、息をこらえるので必死なのだが、聞こえて来た声は聞き慣れた西覇の声じゃなかった。
快感で流されそうな、朦朧とした頭の中で考える。
『あ。すみません、俺………ええっと西覇の……』
電話の声もひどく呼吸が乱れていて、少し辛そうに聞こえる。
弟の西覇には、俺なんかよりもっとダチはいない。

たしか、こないだ、会ったことがある、西覇のカレシだったか。

「あ、セーハの彼氏か。………セーハは、……怪我でもしたかァ?」
電話できない理由は、かなり限られてくる。
怪我してる、意識がない、拉致られるの、いずれかだ。
俺の声の様子でら漸く康史は腰の動きをとめて、
「なんか、あったのか?」
と、俺の様子に心配そうに聞いてくる。

『いや……喧嘩に巻き込まれて……東高の奴等に拉致されて……』
西覇はそれなりには強いが、俺たちとは違って喧嘩なれはしていないし、技術ばかりでフィジカルはとぼしいからな。
それに、このカレシを守るというハンデがある。

「……どこ?」

とりあえず、カレシと合流して助け出さないとな。
アイツは俺と違ってうたれよわい。

『え、えっと、今は大山の方面です』
東高は大山の先の尾道という場所にある。
ここからなら、歩いて30分くらいかかるかな。バイクならもう少し早くつけるか。
せっかくのいちゃいちゃタイムだが、なにしろ弟が心配だ。

「………ヤス、とりあえずちんこ抜いて。セーハ、助けに行く」
電話を切ったあとでも良かったが、今は早くシラフにもどんないとならない。

「わかってるよ。オレも行くから」

康史は、ゆっくりとカラダを離してふうと深く息を吐き出す。
「ン………っ、っと、連れ込まれた場所とか分かったら電話くれ。そっち向かうわ。何人くらい?」
『15人以上いましたけど、西覇が10人は倒したんで』
「5くらいなら………まあ体力ねえけどいけるかなァ。ヤス、バイク乗せてって。なんとか10分くらいでいくから、とりあえず、場所だけよろしく」
一方的に伝えて電話を切る。

「ヤス、すまんな。セーハを助けたい」

「分かってるって、とりあえずカラダを拭いてやるから。オマエの弟はオレの弟だ。帰ってきたら、利子つけてやるからな」

恐ろしいことを言い出す康史をちらと見やり、俺は衣服を身に付け始めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

親父は息子に犯され教師は生徒に犯される!ド淫乱達の放課後

BL
天が裂け地は割れ嵐を呼ぶ! 救いなき男と男の淫乱天国! 男は快楽を求め愛を知り自分を知る。 めくるめく肛の向こうへ。

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

制限生活

澄玲 月
BL
R18作品です。ほぼ全部。 監禁だったり、もうすべてエロいことしまくります。

処理中です...