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夏休み編
夏祭り →side T
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いろいろ巻き込んでしまった誠士への恩返しというわけで、康史は夏祭り合コンを企画した。
俺は行く気ねえって最初は言ったけど、やっぱり、女たちと康史が遊ぶのはなんとなく気分が悪いので、結局一緒に行くことにした。
康史はなんだかデート気分だと言って、浴衣を1式俺にプレゼントしてくれた。
後ろに淡い水色の龍が入った白い浴衣で、渋くてカッコいい柄である。
康史の浴衣は、真っ赤に金糸の入った見た目からしてチャラい浴衣なのだが、どうしたことかヤスが着るとあまりチャラくは見えなくて、しっくりと決まって可愛い。
隣を歩いているが、引き締まった細い腰に巻かれた格子の帯がまた、可愛く見えて仕方がない。
俺は本当に康史のことが好きなんだなと心から思う。
「キャハッ、ハセガワじゃーん、オマエらも祭り行くンか?」
目の前を塞ぐ様にやってきたのら、よく絡んでくる東高のトップたちの集団だ。
糸目の男とオールバックの男、それとその取り巻きたちである。
俺は眉を寄せて明らかに不機嫌な雰囲気を出して、心から消えろと願った。
また、せっかくのデートを邪魔しねえでくれねえかなァ。
瞬殺すっけど、浴衣汚れちまうからなァ。
あんまり暴れるのは嫌だなァ。
「あァ、折角カッコよくキメてっから、今日は喧嘩しない子なンよ、俺」
「キャハハハ。俺らも、花火楽しみだから、ハセガワとは遊ばないつもり。流石に病院からは花火みれんしなァ」
軽く断ると、糸目の男は左右に手を振る。
相手も今日のところは、構える気はないらしく、ホッと息をつく。
「あ、今日はちゃんと断れたんだ。トール偉いね」
康史はわっしゃわっしゃと手を伸ばして俺の頭を撫でる。
「相変わらず、日高はイケメンだあね。じゃあ、イイ夏休みすごしとけェ」
ぞろぞろと柄の悪い男達は、俺の前から手を振って立ち去る。
とは言っても、俺もその100倍柄は悪いだろう。
まあ、アイツらはいつも絡んでくるから面倒臭いけどな。
ちらちらと屋台で何か焼いてるにいちゃんたちの熱い視線が気になってしまう。
「オレよりトールのほうがイケメンだけどね。ホント、トールは超かっけえよ」
「……マジ、照れっから…………そんな、言うな」
康史は扇子で風を仰ぎつつ、俺を上目遣いに可愛らしく見上げる。
「うわ、いたいた!やほーっ。東流、康史。二人でたってるとホント目立つよね。何そのオーラ」
紺のジンベエにでっけえ団扇を片手にこっちに誠士は向かって歩いてくる。
合コン企画は誠士ための慰労会である。
かなり世話になったのもあるが、俺ら二人でリア充を満喫するには、やっぱり誠士もリア充にさせないとならんという心意気である。
まあ、確かにダチ二人でくっついたら、ちっとはもの寂しい仲間はずれの気分かもしれないがな。
「強そうだろ」
俺は胸をはっていって見ると、誠士はぷっと吹き出して笑う。
「ぶっは………いやあ、東流はいつも強そうだから。っつか、セクシーオーラだしまくりって言いたかったんだが」
「ちょ、誠士、セクシーとかどんな了見だ」
しっしっとを追い払おうとする康史に、ぶんぶんと誠士は首を振る。
「待て、オマエとちげえから。俺は女の子がスキだっての。間違ってもこの筋肉バカには興味ねえですから」
「筋肉バカだァ?うーん……まあ………あたってなくもねえけども…」
「認めてどうすんだ、この天然筋肉が」
二人に同時に突っ込まれる。
なんだかんだ、俺は三人でいるこの空気も気に入っている。
「日高君、お待たせ」
っとそこに、3人の可愛らしく浴衣を着込んだ姿の女子が現れた。
俺は行く気ねえって最初は言ったけど、やっぱり、女たちと康史が遊ぶのはなんとなく気分が悪いので、結局一緒に行くことにした。
康史はなんだかデート気分だと言って、浴衣を1式俺にプレゼントしてくれた。
後ろに淡い水色の龍が入った白い浴衣で、渋くてカッコいい柄である。
康史の浴衣は、真っ赤に金糸の入った見た目からしてチャラい浴衣なのだが、どうしたことかヤスが着るとあまりチャラくは見えなくて、しっくりと決まって可愛い。
隣を歩いているが、引き締まった細い腰に巻かれた格子の帯がまた、可愛く見えて仕方がない。
俺は本当に康史のことが好きなんだなと心から思う。
「キャハッ、ハセガワじゃーん、オマエらも祭り行くンか?」
目の前を塞ぐ様にやってきたのら、よく絡んでくる東高のトップたちの集団だ。
糸目の男とオールバックの男、それとその取り巻きたちである。
俺は眉を寄せて明らかに不機嫌な雰囲気を出して、心から消えろと願った。
また、せっかくのデートを邪魔しねえでくれねえかなァ。
瞬殺すっけど、浴衣汚れちまうからなァ。
あんまり暴れるのは嫌だなァ。
「あァ、折角カッコよくキメてっから、今日は喧嘩しない子なンよ、俺」
「キャハハハ。俺らも、花火楽しみだから、ハセガワとは遊ばないつもり。流石に病院からは花火みれんしなァ」
軽く断ると、糸目の男は左右に手を振る。
相手も今日のところは、構える気はないらしく、ホッと息をつく。
「あ、今日はちゃんと断れたんだ。トール偉いね」
康史はわっしゃわっしゃと手を伸ばして俺の頭を撫でる。
「相変わらず、日高はイケメンだあね。じゃあ、イイ夏休みすごしとけェ」
ぞろぞろと柄の悪い男達は、俺の前から手を振って立ち去る。
とは言っても、俺もその100倍柄は悪いだろう。
まあ、アイツらはいつも絡んでくるから面倒臭いけどな。
ちらちらと屋台で何か焼いてるにいちゃんたちの熱い視線が気になってしまう。
「オレよりトールのほうがイケメンだけどね。ホント、トールは超かっけえよ」
「……マジ、照れっから…………そんな、言うな」
康史は扇子で風を仰ぎつつ、俺を上目遣いに可愛らしく見上げる。
「うわ、いたいた!やほーっ。東流、康史。二人でたってるとホント目立つよね。何そのオーラ」
紺のジンベエにでっけえ団扇を片手にこっちに誠士は向かって歩いてくる。
合コン企画は誠士ための慰労会である。
かなり世話になったのもあるが、俺ら二人でリア充を満喫するには、やっぱり誠士もリア充にさせないとならんという心意気である。
まあ、確かにダチ二人でくっついたら、ちっとはもの寂しい仲間はずれの気分かもしれないがな。
「強そうだろ」
俺は胸をはっていって見ると、誠士はぷっと吹き出して笑う。
「ぶっは………いやあ、東流はいつも強そうだから。っつか、セクシーオーラだしまくりって言いたかったんだが」
「ちょ、誠士、セクシーとかどんな了見だ」
しっしっとを追い払おうとする康史に、ぶんぶんと誠士は首を振る。
「待て、オマエとちげえから。俺は女の子がスキだっての。間違ってもこの筋肉バカには興味ねえですから」
「筋肉バカだァ?うーん……まあ………あたってなくもねえけども…」
「認めてどうすんだ、この天然筋肉が」
二人に同時に突っ込まれる。
なんだかんだ、俺は三人でいるこの空気も気に入っている。
「日高君、お待たせ」
っとそこに、3人の可愛らしく浴衣を着込んだ姿の女子が現れた。
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