【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan

文字の大きさ
上 下
29 / 32

真実

しおりを挟む


何が起きているのか理解できないまま、呆けたような表情を取り繕うことなく会場を後にする僕たち。


「面白かったな。シオン様の『へ?』っての。」

ジャンがクスクスと笑いながら言った。

「なぜ皆はそれほど驚いていないのですか?」
「そのマント。」
「マント?これが何か?」
「それ、正妃様しか着れないやつ。」

「えぇぇぇぇえええ!知らないよ。僕そんなのあるって知らない。」
「あぁ、シオン様は他国から嫁いだから知らないのね。他のみんなは知ってるわ。」


嘘だ・・・僕だけ知らなかったの?
だから会場まで案内してくれた使用人がよかったですねって言ったのか。
そして僕を見た側妃たちの反応・・・思い返せば、なるほどって思える。
このマントを見た時点で、みんなはこの発表の内容を理解していたということなのか・・・。
なんか僕だけバカみたい。


「そんな・・・僕だけ何の心の準備もないままこんな発表されて・・・。」
「それにみんなシオン様が正妃になるってのは分かってたから。」
「ですね。陛下はシオン様が成人すると同時に正妃にしようとしてたんだと思うけど、邪魔が入ったみたいだったわ。」

なぜみんなそんな朗らかな表情でそんなことを言うの?
正妃になりたいって思ってる妃もいたんじゃないの?


「え?何でそう思うのですか?僕はもう放逐される寸前かと・・・。
仕事のために僕を繋ぎ止めているのかと思っていました。」
「なるほど。それで一昨日のあれか。でもまぁあれで陛下が強硬手段に出たんだろうな。
シオン様はあのままでは消えてしまいそうだったから。」

あれは・・・なんて言うか思い出したくない。
今考えても自分が恥ずかしい。しかもジャンに頼んだってことがまた恥ずかしい。


「ジャンには迷惑をかけました・・・それと、ジャンとルークって何者?宰相は男娼って言ってたけど。」
「男娼だな。陛下に男を抱くテクを教えたのは俺たち。」
「そ、そうなんだ・・・、でも何で後宮に?」

「俺は衣食住保証するって言われて、男娼なんてそこそこ危険あるしね。まぁいっか~って。ジャンは?」
「俺は皇帝から、めちゃくちゃ中も感度も良くて美しい寵妃を楽しませたい、共に遊ぼうって言われてOKした。」
「それは俺も言われたわ~、確かにシオン様を最初に見た時、こんな綺麗な人がいるんだって驚いたし。精霊か何かかと思った。」
「・・・。」

「いや~でもあれは良くなかったね。皇帝もシオン様を楽しませたいと思ってるなら、ちゃんと事前に説明するべきだった。
何の説明もなく、逆らえないまま犯されて、それを好きな人に見られるとかシオン様が可哀想。」
「そういうことだ。気が向いたら遊んでやるよ。あんな切羽詰まった迫り方でなければな。」
「・・・。」

僕はガックリと膝から崩れ落ちた。

「陛下は僕のことが嫌いすぎて嗜虐的思考に走った結果なのかと・・・。」
「いや、全然違う。皇帝はむしろシオン様のことを愛しすぎている。」





※)以降はその後のお話ですが変態度が加速しますので、苦手な方はご注意下さい。
 

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない

すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。 実の親子による禁断の関係です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

処理中です...