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二人でいること(ロード視点)

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リヒトが襲われかけた日、リヒトが俺のことを好きだと思ってくれていると分かった日、俺はすぐに王城へ行った。
リヒトを俺のものにするために。奴隷ではなく嫁にしたいと。
しかし奴隷は結婚できないと言われて、先に奴隷解放の手続きをした。
モタモタしている事務員たちにイライラしながら待って、そして解放したら戸籍を作るのにまた時間がかかり、その間にリヒトを襲おうとした馬鹿には脅しをかけておいた。
上官には、あいつが戦地を希望していると言っておいたから、俺の後釜のゲリラ部隊の指揮官として戦地に向かうことになるだろう。

あとは教会で結婚の手続きをするだけだな。
そんな風に浮かれて家に帰ると、ソファーの横でグッタリとしているリヒトを見つけた。

随分窶れている。まさか飯も食わずに俺の帰りを待っていたのか?

手続きだけしたら、リヒトをゆっくり休ませてやろうと、リヒトを抱えて教会へ向かった。

せっかく結婚したんだからと、リヒトに服を買ってやり、俺1人では入れないようなカフェでランチプレートとケーキを食べ、記念にお揃いの腕輪も買った。

家に帰ると、俺もここ数日はろくに寝ていなかったことを思い出してリヒトと一緒にベッドに入った。

俺の胸に擦り寄ってくるリヒトは本当に可愛い。こいつは絶対に俺が守ると誓った。



リヒトを傷つけるくらいなら別に挿入なんてしなくてもいいと思っていたけど、やはり愛しているとリヒトが欲しくなる。
2年も我慢したのは自分でも偉かったと思う。

「リヒト、もうそろそろ俺を受け入れてくれるか?」
「???」
「愛してるからリヒトを抱きたい。怖いか?」
「大丈夫。」
「本当かよ。無理だったら言うんだぞ。」

最近は少しずつだが、リヒトも自分の意見を言ってくれるようになった。

緊張した様子だったから、たくさんキスをして抱きしめた。
リヒトは目を閉じた。

「リヒト、乱暴になんてしないから、ちゃんとお前の夫である俺を見てろ。」
「はい。」

洗浄剤を入れてもやっぱり緊張しているみたいだった。
やっぱり俺のせいか?

「指、入れるぞ?」
「はい。」

「ふ、、う、、、くっ、、、」

久々だから狭いな。今日最後までするのは厳しいかもな。まずは痛くなくて気持ちいいものだと知ってくれればいい。

「リヒト、愛してるよ。」
「うん。私もロードのこと愛してます。」

「ひゃ、、え?、、んん、、ぁ、ぁ、、やだぁ、、こんなの、知らない、、ロード、、」

リヒトの前立腺を探り、優しく触れた。
やっぱりリヒトは感度がいいんだ。
可愛いな。不安そうに揺れる瞳も可愛いが、ピクピクと波打つ体と上気していく頬も可愛い。


「リヒト可愛い。ここ、気持ちいいだろ?」
「ロード、、気持ちいい、、あ、やぁ、、あ、あ、あぁ、、まって、まって、、ロード、、なんかくる、、まって、、ぁ、んんん、」

リヒトは中でもイケるのか。
ますます可愛い。

ビクビクと痙攣を繰り返すリヒトを抱きしめてキスを繰り返す。

「私は、どうしてしまったんでしょう?こんな感覚は初めてです。」
「ん?中でイッたことなかったのか?」
「無いです、無いです、痛くて怖くて苦しくて、それだけだったから・・・。」
「そうか。ごめん。もうそんなことしないから。」
「ロード、ずっと我慢させてごめんなさい。私はロードの優しさに甘えてしまって、ずっと勇気を出せませんでした。」
「リヒトが謝ることなど何も無い。」
「頑張ります。だから、入れて下さい。」
「分かった。」

「ロード、、きて、、」

リヒトは仰向けになると、自分で膝を抱えた。
小さく華奢なリヒトに、こんなものを入れても大丈夫なんだろうか?
あの時は立つことすらできずに崩れ落ちたし・・・。

今日は浅いところだけにしておくか。
そうしよう。

「くっ、、う、ロード、、大丈夫だから、、奥まで来てください。」
「無理すんなよ?キツかったら言えよ。」
「はい。」

絡み付く腸壁を掻き分けて、ゆっくりと奥へ奥へと進んでいく。
気持ちいい。さっき一度イッているからか、俺を包み込んで細かく痙攣しているのが気持ちいい。

「あぁ、、ロード、優しい、、あ、あ、こんなのはじめて、、あ、あ、、」

可愛い。フルフル震えながら目にいっぱい涙を溜めて、甘い吐息がリヒトの小さな口から吐き出される。

「、、あ、あ、、ロード、どうしよう、、苦しいけど、気持ちいい、、あ、あ、あ、あぅ、、、」
「ここか?」

「そんなにしちゃダメ、、あ、あ、だめぇ、ぐりぐりしちゃだめぇ、、ゃぁぁああ、、あ、あ、」

俺のものをリヒトがギュウギュウと締め付けてくるから俺もヤバイんだが・・・。
ゆるく抽挿を繰り返しているだけでもうイキそうだ。

「ロード、、いたくない、こわくない、こんなのはじめてだよ、、、ロード、、あ、あ、、、」

セックスなど、ただただ欲望のままにガツガツと貪るものだと思っていた。リヒトを相手にしていると、そんなことよりも胸の奥底から温かい気持ちが湧いてきて胸がいっぱいになる。
これが幸せというものなのか?

戦争でぐちゃぐちゃに荒れた俺の心はいつの間にか凪いでいた。

「リヒト、愛してる。これからもずっと一緒にいような。」
「はい。」


「ロード、結婚してれてありがとう。ロードは私にとってスーパーヒーローです。
私を幸せにしてくれたロードを、私も幸せにしたいです。」
「ん?もう俺は幸せだぞ。リヒトがいるからな。」
「そっか。そうなんだ。嬉しい。」



「リヒト、おいで。」
「はい。」
「お前は可愛いな。」

俺は彼を抱きしめてサラサラな髪を撫でた。


(終)
 
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