6 / 11
これも計画のうち
しおりを挟む「オンブラ~、起きろ。起きないとまた抱くぞ。」
「んん、、セラータ、おはようございま、す・・・。腰が砕けているんですが・・・。」
私が意識を失っても続けたんだろう。
腰に力が入らず、痛くて体を起こすこともできなかった。
「身体強化使わなかったのか?」
「そんなの使う暇ありませんでしたよ。」
「俺、治癒は得意じゃないんだけど。仕方ないから使ってやるよ。」
「ありがとうございます。」
得意じゃない?私なんか治癒は使えないのに。
それにこれ、ただのヒールじゃないよな。ハイヒールか?
なるほど得意でないのにこれほど高度な治癒が使えるから吸血鬼は倒すのが大変なんだな。
このレベルで得意でないとなると、吸血鬼の中にはもっと高度な治癒を使える者がいるということか。
なるほど。やはり私が立てた計画は正しかった。まともにやり合って勝てる相手ではないということだ。
「ねぇオンブラ、俺のこと好きなのか?」
「ん?好きですよ。」
「そうかそうか。」
恐る恐るという感じで聞いてきたが、好きだと言ってみると、とても嬉しそうに笑った。ん?これはもしや。
色々とセラータを落とす計画はしていたが、もう落ちたのか?
「セラータ、大好きです。」
「そ、そうか。・・・俺も。」
畳み掛けてみると、なんとちょろいことか。消え入りそうな小さな声で『俺も』と。どう考えても可愛いのはあんただ。
そこからはもう、遠慮せずグイグイといった。
手をギュッと握って上目遣いに好きと言ったり、キスを強請ったりもした。
しかし、夜は多少キツかった。
毎晩求めてくるセラータの元気さに、身体強化をかけても対処しきれず、いつも終わると啼きすぎて枯れた喉と腰にヒールをかけてもらっている。
「オンブラ、ずっと気になっていたんだが、その首輪は気持ち悪い魔力を感じる。」
「でしょうね。私も気持ち悪いですよ。」
「なぜそんなものを着けている?」
「外せないんですよ。主人でないとね。」
「主人?どういうことだ?俺以外に愛する者がいるのか?」
「前に街で見たでしょ?奴隷。あれと同じ効果がある隷属の魔法がかけられているんです。」
「は?なぜだ。」
「私は国に囚われているんですよ。強大な魔力を持っていたから。」
「壊してやろうか?」
「無理に壊せば私は死にます。」
「そうか・・・。」
「大丈夫。そんなにキツイ命令はされてないので。それにセラータを愛することはできますから。」
この話をしたのも、セラータの同情を引いて私に縛り付けるためだ。
隷属の魔法はかけられているが、奴隷ほどではない。ただ魔力の一部を封印され、国に害を与えないようになっているだけだ。
11
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
くっころ勇者は魔王の子供を産むことになりました
あさきりゆうた
BL
BLで「最終決戦に負けた勇者」「くっころ」、「俺、この闘いが終わったら彼女と結婚するんだ」をやってみたかった。
一話でやりたいことをやりつくした感がありますが、時間があれば続きも書きたいと考えています。
21.03.10
ついHな気分になったので、加筆修正と新作を書きました。大体R18です。
21.05.06
なぜか性欲が唐突にたぎり久々に書きました。ちなみに作者人生初の触手プレイを書きました。そして小説タイトルも変更。
21.05.19
最終話を書きました。産卵プレイ、出産表現等、初めて表現しました。色々とマニアックなR18プレイになって読者ついていけねえよな(^_^;)と思いました。
最終回になりますが、補足エピソードネタ思いつけば番外編でまた書くかもしれません。
最後に魔王と勇者の幸せを祈ってもらえたらと思います。
23.08.16
適当な表紙をつけました
君が好き過ぎてレイプした
眠りん
BL
ぼくは大柄で力は強いけれど、かなりの小心者です。好きな人に告白なんて絶対出来ません。
放課後の教室で……ぼくの好きな湊也君が一人、席に座って眠っていました。
これはチャンスです。
目隠しをして、体を押え付ければ小柄な湊也君は抵抗出来ません。
どうせ恋人同士になんてなれません。
この先の長い人生、君の隣にいられないのなら、たった一度少しの時間でいい。君とセックスがしたいのです。
それで君への恋心は忘れます。
でも、翌日湊也君がぼくを呼び出しました。犯人がぼくだとバレてしまったのでしょうか?
不安に思いましたが、そんな事はありませんでした。
「犯人が誰か分からないんだ。ねぇ、柚月。しばらく俺と一緒にいて。俺の事守ってよ」
ぼくはガタイが良いだけで弱い人間です。小心者だし、人を守るなんて出来ません。
その時、湊也君が衝撃発言をしました。
「柚月の事……本当はずっと好きだったから」
なんと告白されたのです。
ぼくと湊也君は両思いだったのです。
このままレイプ事件の事はなかった事にしたいと思います。
※誤字脱字があったらすみません
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
王子様と魔法は取り扱いが難しい
南方まいこ
BL
とある舞踏会に出席したレジェ、そこで幼馴染に出会い、挨拶を交わしたのが運の尽き、おかしな魔道具が陳列する室内へと潜入し、うっかり触れた魔具の魔法が発動してしまう。
特殊な魔法がかかったレジェは、みるみるうちに体が縮み、十歳前後の身体になってしまい、元に戻る方法を探し始めるが、ちょっとした誤解から、幼馴染の行動がおかしな方向へ、更には過保護な執事も加わり、色々と面倒なことに――。
※濃縮版
眠れぬ夜の召喚先は王子のベッドの中でした……抱き枕の俺は、今日も彼に愛されてます。
櫻坂 真紀
BL
眠れぬ夜、突然眩しい光に吸い込まれた俺。
次に目を開けたら、そこは誰かのベッドの上で……っていうか、男の腕の中!?
俺を抱き締めていた彼は、この国の王子だと名乗る。
そんな彼の願いは……俺に、夜の相手をして欲しい、というもので──?
【全10話で完結です。R18のお話には※を付けてます。】
祝福という名の厄介なモノがあるんですけど
野犬 猫兄
BL
魔導研究員のディルカには悩みがあった。
愛し愛される二人の証しとして、同じ場所に同じアザが発現するという『花祝紋』が独り身のディルカの身体にいつの間にか現れていたのだ。
それは女神の祝福とまでいわれるアザで、そんな大層なもの誰にも見せられるわけがない。
ディルカは、そんなアザがあるものだから、誰とも恋愛できずにいた。
イチャイチャ……イチャイチャしたいんですけど?!
□■
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
完結しました。
応援していただきありがとうございます!
□■
第11回BL大賞では、ポイントを入れてくださった皆様、またお読みくださった皆様、どうもありがとうございましたm(__)m
オメガに転化したアルファ騎士は王の寵愛に戸惑う
hina
BL
国王を護るαの護衛騎士ルカは最近続く体調不良に悩まされていた。
それはビッチングによるものだった。
幼い頃から共に育ってきたαの国王イゼフといつからか身体の関係を持っていたが、それが原因とは思ってもみなかった。
国王から寵愛され戸惑うルカの行方は。
※不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる