53 / 219
第二章
夜 3
しおりを挟む
ドアがノックされ、店長がまた顔を覗かせる。なんの用だと眉をしかめると、「オーナーが来てるんだ。アル、悪いけど頼むよ。ちょっとだけ顔を出してくれないか」と拝み倒された。「彼を一人にしておけない」と断ると、「それならきみの友人たちにここでしばらく休憩してもらうよう頼んでくるよ」と店長は、ショーンとバズをフロアから半ば強引に引っ張ってきた。やれやれだ。
「うおっ! VIPルーム!」
歓声をあげて、ショーンはきょろきょろと室内を見回している。まるで田舎からでてきた観光客じゃないか。バズの方はそう驚いた様子でもないのに。これではまるきり反対じゃないか。
「適当に飲んでて。すぐ戻るから」
「しばらく彼を借りる分、サービスするよ。何がいい、ビール? それとも新作のカクテルを試してみるかい?」
やたらと愛想がいいな。相当オーナーにうるさく言われてきたのか――。
店長がそっと僕に目配せする。
一人で待つの、と不安そうな顔をしていたコウだったが、ショーンとバズを見て安心したみたいだ。今は顔をほころばせて二人と喋っている。これなら、しばらく間はもちそうだ――。
「じゃ、行ってくる」とコウに軽く手を振る。彼はにっこりと頷いてくれた。
個室を出て、オーナーの待つ部屋へと向かった。勝手知ったるというやつだ。
「アル! もう逢えないかと思ってたよ――」
ドアを開けると、ソファーで項垂れていたエリックがびくりと顔をあげる。そして次の瞬間には、両手を広げて僕に抱きついていた。
「今日の僕は客なんだけどな」
「分かってる。分かってるよ、アル――」
彼の背中をとんとんと叩いて宥め、ソファーに座らせた。いつものキスを受けとめた。酒臭い――。
「飲んでるね?」
「不安なんだよ。きみが僕を捨てていくなんて――」
「バニーのところへはまだ行ってないの? 話は通してあるって言ったろう? 彼は僕よりよほど実績のある優秀な心理士だよ。きっと、きみの力になってくれる」
「でも、アルビー、僕はきみでないと――」
エリックは水中で溺れてでもいるかのように、必死の形相で僕を抱きしめる。
ここを含めて市内に3店舗の系列店を経営するオーナーのエリックとは、僕が学生の頃からのつき合いだ。彼は30代に差しかかったばかりだというのに、重度のアルコール依存症に陥っている。だが傍からはとてもそんなふうには見えない、煌びやかで底抜けに明るく洒脱な、成功した青年実業家だ。
アルコールを売る店を経営する彼がアルコールに溺れているなんて、まったくもってどうかと思うよ。だが、彼の問題は根が深い。初めは友人として愚痴を聴いていただけだったのが、いつの間にか専門的なアドバイスをするようになっていた。面接室ではなくこの店で話を聴いていた。それが間違いだったと、最近になってこのままではマズいと、気がついた。
彼は、僕に寄りかかっているだけなのだ――、と。
だから、僕の留学話はこの関係を終わらせるにはいい機会だと思った。彼の僕への依存を断ち切り、本格的な治療へと向かわせるためにも。
「アル、僕がこの環境で続けてこられたのは、きみがいてくれたからじゃないか――」
エリックは瞳で僕にすがりつく。
彼の言う通り、ここには酒が売るほどある。けれど僕と約束した期間中、彼はこんな環境の中であっても、断酒を続けることができていたのだ。
「もう僕がいなくても充分やっていけるだけの強い意志を、きみはちゃんと持てているよ」
そう言って彼を宥めてやった。ともかく彼の件はバニーに引き継いでもらったのだ。僕が彼のためにできることはもう、なにもない。
「きみがいてくれたからだよ、アル。きみが励ましてくれたから僕は頑張ってこれたんだ。きみじゃないとダメなんだよ――」
なにが僕でないとダメだって言うんだ? しがみつける相手さえいれば、誰だってかまわないくせに――。僕のことなんて、なにも知らないくせに――。
「エリック、そんなに怖がらないで。大丈夫だよ。その気持ちをそのままバニーに話してごらん。彼ならきみに最適な治療法を組んでくれる」
「アル、頼むよ。きみさえいてくれれば、僕は大丈夫な気がするんだよ。アル、僕は僕自身を簡単に裏切ってしまう、弱くてダメな奴なんだって解ってる。でも、僕はきみのことは絶対に裏切らない。きみを失いたくないんだ」
僕はきみの嗜好品じゃないんだよ――、エリック。
もうかなりの期間落ち着いていたのに――。彼が再飲酒したのは、僕を自分に繋ぎ留めるためなのか。依存症を再発させることで、僕の留学を阻止しようとしているのか。心理療法に則って順調に回復していると見えていたのに。なんのことはない、彼はアルコールから僕への依存に乗り換えただけだった。
バニーのところへ行く気がないのなら、彼をここへ連れてくるまでだ。
「不安なのは解るよ、エリック。こんなのはよくある再飲酒だ。依存症再発じゃない。大丈夫、もう一度、いや何度でも回復への道のりを目指せばいいんだ」
僕ではなく、バニーとね――。
「アル――」
でも今は、彼の不安を受けとめてやった。唇を塞ぎ、侵入してくる舌に応えてやった――。はやく彼を宥めてコウのもとに戻らないと。そんな焦りの方が勝っていたのだ。
エリックの不安は、彼をつき動かし僕までも取り込もうとする――。鋭い牙で頭からガシガシと噛み砕くような律動だ。
ぼろぼろに粉砕されて唾液とともに不快に貼りつく、分化され粉々になったエリックの心。そして、密度の荒いぼこぼこの海綿のようなエリックの表皮が、僕に吸いつき吸収しようとねっとりと絡みつく。
そんな彼の表皮の内側では、空っぽの薄闇色の穴ぼこが呼吸するように伸縮している。その中で僕だけが呑まれることなく、ぼやりとした真珠色の光彩を放ちながら存在している。
これが、彼が教えてくれた彼の内的世界だ。
だがそれは彼の創りだした幻影。彼の描いた夢にすぎない――。
僕ではない。
彼は自分の表面的な習慣をいじくるだけで、決して自分自身と向き合おうとはしなかった。彼を内側から燃やしてくれるアルコールで忘却の時間を創造するように、今は、引き延ばした僕の虚像で巨大な虚空を埋めようとしている。
「ダメだよ。今日は一人じゃないんだ。友人と一緒で、」
やっぱり時間の無駄だ。絡みつく彼の腕を軽く拒んだ。コウが僕を待っている。それに、このシャツは皺になりやすいんだ。
「アル、そんなひどいことを言わないでくれ。僕にはきみが必要なんだ――」
ソファーの上で圧しかかってくる彼は、いつにも増して瞳に狂暴な色を湛えている。もっとも、この海のような青が凪いだところなど、誰も見たことがないのだろうが――。
「アル、」
深く諦めの息をついて、彼の頭を胸に抱えた。
瞬間、天井が赤く染まる。頭をのけ反らせて、ガラス越しのフロアに向けた。
天井から釣り下がる丸いいくつものオブジェに――、紫紺の空に散る星に見立てた、ランダムに吊り下げられた大小の銀色の球体の周囲に、赤く透き通った焔が、ぽっ、ぽっ、と花開くように燃え散っているではないか。
「まさか火事? 僕の店が――!」
エリックのその一言で我に返った。見とれている場合じゃない。彼はとっくに飛びだしていっている。
コウは? コウはぶじなのか!
あり得ない想像に恐怖し、僕も部屋を駆けでていた。
「うおっ! VIPルーム!」
歓声をあげて、ショーンはきょろきょろと室内を見回している。まるで田舎からでてきた観光客じゃないか。バズの方はそう驚いた様子でもないのに。これではまるきり反対じゃないか。
「適当に飲んでて。すぐ戻るから」
「しばらく彼を借りる分、サービスするよ。何がいい、ビール? それとも新作のカクテルを試してみるかい?」
やたらと愛想がいいな。相当オーナーにうるさく言われてきたのか――。
店長がそっと僕に目配せする。
一人で待つの、と不安そうな顔をしていたコウだったが、ショーンとバズを見て安心したみたいだ。今は顔をほころばせて二人と喋っている。これなら、しばらく間はもちそうだ――。
「じゃ、行ってくる」とコウに軽く手を振る。彼はにっこりと頷いてくれた。
個室を出て、オーナーの待つ部屋へと向かった。勝手知ったるというやつだ。
「アル! もう逢えないかと思ってたよ――」
ドアを開けると、ソファーで項垂れていたエリックがびくりと顔をあげる。そして次の瞬間には、両手を広げて僕に抱きついていた。
「今日の僕は客なんだけどな」
「分かってる。分かってるよ、アル――」
彼の背中をとんとんと叩いて宥め、ソファーに座らせた。いつものキスを受けとめた。酒臭い――。
「飲んでるね?」
「不安なんだよ。きみが僕を捨てていくなんて――」
「バニーのところへはまだ行ってないの? 話は通してあるって言ったろう? 彼は僕よりよほど実績のある優秀な心理士だよ。きっと、きみの力になってくれる」
「でも、アルビー、僕はきみでないと――」
エリックは水中で溺れてでもいるかのように、必死の形相で僕を抱きしめる。
ここを含めて市内に3店舗の系列店を経営するオーナーのエリックとは、僕が学生の頃からのつき合いだ。彼は30代に差しかかったばかりだというのに、重度のアルコール依存症に陥っている。だが傍からはとてもそんなふうには見えない、煌びやかで底抜けに明るく洒脱な、成功した青年実業家だ。
アルコールを売る店を経営する彼がアルコールに溺れているなんて、まったくもってどうかと思うよ。だが、彼の問題は根が深い。初めは友人として愚痴を聴いていただけだったのが、いつの間にか専門的なアドバイスをするようになっていた。面接室ではなくこの店で話を聴いていた。それが間違いだったと、最近になってこのままではマズいと、気がついた。
彼は、僕に寄りかかっているだけなのだ――、と。
だから、僕の留学話はこの関係を終わらせるにはいい機会だと思った。彼の僕への依存を断ち切り、本格的な治療へと向かわせるためにも。
「アル、僕がこの環境で続けてこられたのは、きみがいてくれたからじゃないか――」
エリックは瞳で僕にすがりつく。
彼の言う通り、ここには酒が売るほどある。けれど僕と約束した期間中、彼はこんな環境の中であっても、断酒を続けることができていたのだ。
「もう僕がいなくても充分やっていけるだけの強い意志を、きみはちゃんと持てているよ」
そう言って彼を宥めてやった。ともかく彼の件はバニーに引き継いでもらったのだ。僕が彼のためにできることはもう、なにもない。
「きみがいてくれたからだよ、アル。きみが励ましてくれたから僕は頑張ってこれたんだ。きみじゃないとダメなんだよ――」
なにが僕でないとダメだって言うんだ? しがみつける相手さえいれば、誰だってかまわないくせに――。僕のことなんて、なにも知らないくせに――。
「エリック、そんなに怖がらないで。大丈夫だよ。その気持ちをそのままバニーに話してごらん。彼ならきみに最適な治療法を組んでくれる」
「アル、頼むよ。きみさえいてくれれば、僕は大丈夫な気がするんだよ。アル、僕は僕自身を簡単に裏切ってしまう、弱くてダメな奴なんだって解ってる。でも、僕はきみのことは絶対に裏切らない。きみを失いたくないんだ」
僕はきみの嗜好品じゃないんだよ――、エリック。
もうかなりの期間落ち着いていたのに――。彼が再飲酒したのは、僕を自分に繋ぎ留めるためなのか。依存症を再発させることで、僕の留学を阻止しようとしているのか。心理療法に則って順調に回復していると見えていたのに。なんのことはない、彼はアルコールから僕への依存に乗り換えただけだった。
バニーのところへ行く気がないのなら、彼をここへ連れてくるまでだ。
「不安なのは解るよ、エリック。こんなのはよくある再飲酒だ。依存症再発じゃない。大丈夫、もう一度、いや何度でも回復への道のりを目指せばいいんだ」
僕ではなく、バニーとね――。
「アル――」
でも今は、彼の不安を受けとめてやった。唇を塞ぎ、侵入してくる舌に応えてやった――。はやく彼を宥めてコウのもとに戻らないと。そんな焦りの方が勝っていたのだ。
エリックの不安は、彼をつき動かし僕までも取り込もうとする――。鋭い牙で頭からガシガシと噛み砕くような律動だ。
ぼろぼろに粉砕されて唾液とともに不快に貼りつく、分化され粉々になったエリックの心。そして、密度の荒いぼこぼこの海綿のようなエリックの表皮が、僕に吸いつき吸収しようとねっとりと絡みつく。
そんな彼の表皮の内側では、空っぽの薄闇色の穴ぼこが呼吸するように伸縮している。その中で僕だけが呑まれることなく、ぼやりとした真珠色の光彩を放ちながら存在している。
これが、彼が教えてくれた彼の内的世界だ。
だがそれは彼の創りだした幻影。彼の描いた夢にすぎない――。
僕ではない。
彼は自分の表面的な習慣をいじくるだけで、決して自分自身と向き合おうとはしなかった。彼を内側から燃やしてくれるアルコールで忘却の時間を創造するように、今は、引き延ばした僕の虚像で巨大な虚空を埋めようとしている。
「ダメだよ。今日は一人じゃないんだ。友人と一緒で、」
やっぱり時間の無駄だ。絡みつく彼の腕を軽く拒んだ。コウが僕を待っている。それに、このシャツは皺になりやすいんだ。
「アル、そんなひどいことを言わないでくれ。僕にはきみが必要なんだ――」
ソファーの上で圧しかかってくる彼は、いつにも増して瞳に狂暴な色を湛えている。もっとも、この海のような青が凪いだところなど、誰も見たことがないのだろうが――。
「アル、」
深く諦めの息をついて、彼の頭を胸に抱えた。
瞬間、天井が赤く染まる。頭をのけ反らせて、ガラス越しのフロアに向けた。
天井から釣り下がる丸いいくつものオブジェに――、紫紺の空に散る星に見立てた、ランダムに吊り下げられた大小の銀色の球体の周囲に、赤く透き通った焔が、ぽっ、ぽっ、と花開くように燃え散っているではないか。
「まさか火事? 僕の店が――!」
エリックのその一言で我に返った。見とれている場合じゃない。彼はとっくに飛びだしていっている。
コウは? コウはぶじなのか!
あり得ない想像に恐怖し、僕も部屋を駆けでていた。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
霧のはし 虹のたもとで
萩尾雅縁
BL
大学受験に失敗した比良坂晃(ひらさかあきら)は、心機一転イギリスの大学へと留学する。
古ぼけた学生寮に嫌気のさした晃は、掲示板のメモからシェアハウスのルームメイトに応募するが……。
ひょんなことから始まった、晃・アルビー・マリーの共同生活。
美貌のアルビーに憧れる晃は、生活に無頓着な彼らに振り回されながらも奮闘する。
一つ屋根の下、徐々に明らかになる彼らの事情。
そして晃の真の目的は?
英国の四季を通じて織り成される、日常系心の旅路。
エートス 風の住む丘
萩尾雅縁
BL
「霧のはし 虹のたもとで 3rd Season」
エートスは
彼の日常に
個性に
そしていつしか――、生き甲斐になる
ロンドンと湖水地方、片道3時間半の遠距離恋愛中のコウとアルビー。大学も始まり、本来の自分の務めに追われるコウの日常は慌ただしくすぎていく。そんななか、ジャンセン家に新しく加わった同居人たちの巻き起こす旋風に、アルビーの心労も止まらない!?
*****
今回はコウの一人称視点に戻ります。続編として内容が続いています。初見の方は「霧のはし 虹のたもとで」→「夏の扉を開けるとき」からお読み下さい。番外編「山奥の神社に棲むサラマンダーに出逢ったので、もう少し生きてみようかと決めた僕と彼の話」はこの2編の後で読まれることを推奨します。
夏の嵐
萩尾雅縁
キャラ文芸
垣間見た大人の世界は、かくも美しく、残酷だった。
全寮制寄宿学校から夏季休暇でマナーハウスに戻った「僕」は、祖母の開いた夜会で美しい年上の女性に出会う。英国の美しい田園風景の中、「僕」とその兄、異国の彼女との間に繰り広げられる少年のひと夏の恋の物話。 「胡桃の中の蜃気楼」番外編。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
赤いトラロープ〜たぶん、きっと運命の
ようさん
BL
【完結】【第12回BL大賞参加作品】
※お詫び※R15(予定)ですが、オメガバース以外の各種地雷要素が少量ずつ含まれているかもしれません。ご注意ください(感じ方には個人差があります)
"BがLする地球に優しいお仕事小説@ちょいSMテイスト"
【攻】ご主人様にされてしまいそうな元ヤンキーの江戸っ子。SDGsと縛りにこだわる、心優しいノンケの会社員。
【受】世界が一目置くカリスマ経営者にして天才研究者。モデル並みのルックスを併せ持つスパダリかと思いきや、仕事以外はダメダメな生活能力ゼロM。
※第12回BL大賞参加作品。他サイトで過去公開していた作品(完成済)のリライトです。大賞期間中の完結を目指しています。
※R15(予定)ギリギリと思われるページのタイトルに⭐︎をつけてみました。グロはない予定。
※ 本作はフィクションです。描写等も含めて、あくまで物語の世界観としてお楽しみください。
#SM要素あり(微量) #家族 #SDGs #ちきゅうにやさしい #ストーリー重視 #ヒューマンドラマ #完結
【登場人物】
青葉恒星(あおば こうせい・29歳)三代続く造園屋の一人息子。江戸っ子気質で啖呵が得意なヤンチャな男だが、現在は普通の会社員に擬態中。
遠山玄英(とおやま くろえ・32歳)学生時代に開発したエコ素材の研究で会社を立ち上げた。海外育ちのエリートで取引先の社長。
堀田一人(ほった かずと・28歳)恒星の同僚で同期。ノリは軽いが根は体育会系の熱血男。
(※以下、ネタバレ要素を若干含みます)
水島課長 恒星の上司。叩き上げの苦労人
内川課長補佐 同上。水島をよく支えている。
古賀 玄英の右腕。法務担当。
ジェシカ、アンジェラ 玄英の部下
「マドンナ」のマスター 恒星の昔馴染み
青葉恒三(あおば こうぞう・70代半ば)青葉造園の社長で恒星を育てた祖父。
土井清武(どい きよたけ・40代前半)青葉造園の職人。恒星の兄代わりで母代わりでもある。
達(専務)、敏(職人頭)、伝 青葉造園の兄貴分のベテラン職人達
ダイ (20代)青葉造園では清武に次ぐ期待の若手。ベトナム出身の技能実習生。
ユーラ・チャン(39歳) 玄英のアメリカ時代の元ご主人様。SNS王と呼ばれる大富豪。
カーラ・イェン 大手アグリビジネス企業のCEO
遠山萌怜(とおやま もりー) 玄英の実姉
ンドゥール 萌怜の伴侶。アーティスト。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる