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番外編
目隠しと自慰2 〚ケヴィン〛
しおりを挟むかぁっと頬に朱が差したのは、羞恥からか、怒りからか。
どちらでも、この上なく愉しい。
くつくつと笑いながら彼を腹の上に抱え上げ、奥まで入らないようにその腰を支える。
とろりと溶けた茶色の瞳は、どこか虚ろに宙を泳ぐ。意識はすべて内壁に向かっているのだろう。
結腸へと続く細やかな襞をぬちぬちと舐るだけで、甘やかで切なげな声があがる。欲しい欲しいと全身で示す彼が、体重を掛けて腰を下ろそうとする。
もっとも、こんな細い身体の体重など、私にとっては猫のようなものだ。
「駄目ですよ。きちんと命令して頂かねば。ここに入っても、よろしいのですか?」
「いっ、いいっ…!いいからぁっ……!!」
半泣きで叫んだ彼に免じて、ぐぷりと奥まで突き込んで嬲る。もちろん、一度だけ。
ご命令がなくては動けませんよ、と示すように両手を上げて、さて次は?と笑う。
淫らな身体を抱え、自慰さえも堪えた数日間。
高飛車な王子様とて、つらい日々の後の快楽には箍が外れてしまうらしい。
はくはくと声もなく喘ぐくちびるから涎をこぼし、もどかしげに腰を揺らしてから、はっとしたように私を見た。
「み、るなぁ…!」
「ご命令とあらば」
投げられたのは、唾液で湿った黒の目隠し。
それを速やかに目に巻きつけて、視界をシュヴァルツのものと切り替える。
闇に浮かぶ白い身体。艶かしくくねる様も、汗ばんでどこか艶めく肌も、欲を煽ることこの上ない。
「ほら、これで見えませんよ。私の身体を、好きなように使えばよろしい」
どう使うのか、少し愉しみに思いながら両手を差し出す。
すぐにそれをぎゅうっと握った彼がそれを支えにゆらゆらと腰を揺らし、たっぷりと躊躇いながら脚を広げた。
膝を折り、寝台に足の裏をしっかりとつけて、腰を持ち上げて下ろす。
その瞳はじっと私を見つめ、どこか見せつけるように、婀娜っぽく大きく腰を上下させる。
すがるように掴んでいた手を乳首と花芯に導き、それに自ら擦り付けるように動いて。
―――本当に、この方は。
「っん、ふ、………はぁっ、も、ケヴィンっ……!」
限界が近いのだろう。
きゅうきゅうと内壁が締め付け、花芯も張り詰めて震えている。
甘くすがるように名前を呼ばれるまま、乳首を捻り上げて花芯の先端を抉った。
下から激しく突き上げて、背を反らし逃げようとする彼の鈴を引っ張って押しとどめる。
「やぁあああっ!らっ、なんっ……!」
「嫌だなど。こんなに悦んでいるのに?」
やだ。だめ。なんで。
閨の際の彼の常套句だが、これほど正直に全部晒しながら言われるそれらを鵜呑みにする男などいない。
なんで、というのは見えていないと思っているからか。本当に、可愛らしいひとだ。
「ほら、いいと言って頂かないと、続けられませんよ」
「いいっ…!いいって、言ったぁっ…!」
身も世もなく身悶えて、堪えられないと言うようにぼろぼろと泣く。
もっとですか?と聞けばぶんぶんと頷く彼は、理性を取り戻したときにいったいどれほど恥じらうのだろうか。
赤くなって声さえ出せずに布団に隠れる姿のために、より一層乱れさせたくなる。
高飛車な王子様の化けの皮を無理矢理にはいで、それをまた被り直すまでのひとときのために。
小さな絶頂がずっと続いているらしい彼に搾り取られそうになって、すんでのところで腹筋に力を入れて耐えた。
荒い息を笑みに隠し、そろそろと言いながら敢えて抜く素振りを見せる。
もちろん、抜く気などない。
それまでの突き上げより長く引き抜かれた彼が、察した途端に泣き出すところが見たいだけ。
「やだやだぁっ!このまま……っ!!!」
「……ふ、では、ここに。」
臍を撫で、そのままキツく花芯を掴む。
とろとろと蜜を零し続けるそれは、もはや性器ではないかのようだ。
彼の性器はぱっくりと割れた蕾であり、これはただの淫らな飾り。……今度、このささやかな飾り毛も剃ってしまおうか。
ぐぷんっと音がするほど深く埋め込み、そのままぐじぐじと襞を嬲る。
とろけきった顔でまた身を震わす彼が、欲しがるようにきつくきつく締め上げてくる。
その締め付けに耐えかねて、奥の奥に白濁を放った。女であれば確実に孕むほど深く深く、塗り込めるようになすり付ける。
「ぁ…………」
ふにゃ、と嬉しそうに笑った彼が、そのままくったりと身を預けてくる。
その柔らかな髪を撫でながら、目隠しをむしり取って自分の瞳で彼を見る。
快感の名残りにびくびくと震える姿を。
少しずつ戻ってくる理性に、赤く染まった耳の先を。
―――やはり、自分の瞳がいちばんですね。
ふっと小さく笑みが漏れて、未だ痙攣する華奢な背中を撫で下ろす。
今度は、逆に彼を使って自慰でもしようか。
さっき彼がしたように目隠しをして、動けないようにきつく縛って。たまには鞭も使って差し上げよう。
小さな悲鳴をキスで呑み込み、もう一度深く突き入れた。
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