ぼくはスライム

桃瀬わさび

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きみはスライム 3

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神社に着いた俺達は先ずお参りをする。

賽銭箱の前に行くといくらお賽銭するかの選択画面が出る。

お賽銭は1G~自由に決められるみたいだな、ここの運営だと賽銭した金額によって効果の内容が変わるとかありそうだけど…まぁ流石にこの運営でもそれは無いだろう。

俺は一応日本円で五円分の500Gを選択する。

選択して、所持金から500Gが減ったのを確認して鈴を鳴らす。

その後に二礼二拍手一礼をする。
俺の前のプレイヤーはやって居なかったがこのゲームには神が存在する。  
なので、こう言う神社ではしっかりとお参りをした方が良いと思うんだ。

最後に礼をして頭を上げるとゴブリン襲撃イベントの時に神と会った時の様な空間にいた。

目の前には前回見た時より大きくなっている人形…もとい神がいた。

前回は15㎝位だったが、今目の前に居るのは大体50㎝位になっている。

「それで、ここに連れてきたって事は何か用が有るのか?」

「いやいや、私はお礼を言うために君を此処に呼んだのさ」

お礼?俺は特に何もしてないのになんでいきなり?

「それはね、毎回のイベントでイベントPを大量に稼いでくれてるって言うのも有るけど、やっぱり君がクリスマスのイベントでシャドウサンタを倒してくれた事だよ」

シャドウサンタか…鑑定には邪神がどうとか書いてあったけど、それか?

 「そう、君がシャドウサンタを倒してくれなかったら邪神の封印が一気に弱まっていた可能性が高かったんだよ!」

神が言うにこのゲームのレベルとは魂の器の大きさらしい。
モンスターを倒す事で経験値という水が器に貯まっていき一定量を越すとレベルアップ、つまり魂の器が大きくなると、そしてレベルアップするとステータスが上がるのは体自体が魂の器に合った強度になるかららしい。

そしてモンスターに倒されると器に貯まっていた経験値が奪われる…つまりデスペナルティで経験値が無くなる事は、そういう理由らしい。

そしてモンスターの奪った経験値は邪神に献上され、邪神の封印が弱まる事になるみたいだ。

つまり、レベルの高いプレイヤーがモンスターに殺られるとそのプレイヤーが稼いでいた経験値の分邪神の封印が弱まり、フィールドモンスターが強くなったり、ゲームの難易度が高くなるのが早くなると言うことだ。

シャドウサンタは俺以外のプレイヤーでは倒せない強さだったらしい。

シュウでも第2形態の時にやられたからヘル達とパーティを組んでいたならともかく、他のプレイヤーでは勝てないのだろう。

だから、他のプレイヤーが殺られる前にシャドウサンタを倒してくれた事のお礼を言いたかったらしい。 

「それに、君がイベントポイントをガチャで使用してくれればくれる程私のちからも戻っていくからね!それについても感謝してもしたりないよ」

「それはどういう意味で?」

「ほら、イベントPを使用して引くガチャって、他のプレイヤーはシステムだけど、君のは私がやってるからだよ」

聞くとこの神は俺がガチャで使用したPを使ってアイテムを生成していたらしい。
そして、アイテムを生成する代金として、数%分のPを力の回復に使っているらしい。

「まぁそれを置いておいても実際に私は同じPを使ってもシステムの生成よりもいい性能のアイテムを作ってるからね、コレからもイベントでジャンジャン稼いで私の力の回復を手伝ってくれまたえ」

成る程…100万ポイントという破格のPを使用していたとしてもベルゼビュートや戦神、技神の籠手みたいなゲームバランスを壊す様なアイテムがガチャで出るのは可笑しいと思ってたんだが、そういう事だった訳か、それなら納得だな。

「それじゃあ伝える事も伝えたし、そろそろ意識を戻すよ、ちなみに時間の経過はしてないから気をつけてね」

そう言って神は消えて行った。

「ユウヤさん、ユウヤさん」

「ああ、何だ?」

シュウの声が聞こえたので急いで返事をする。

「いえ、何だかボーっとしていたみたいだったから何か有ったのかな、と」

意識が戻るまで少しだけ時間が掛かったみたいで、シュウ達から見たら10秒位ボーっとしていた様に見えたらしい。

「悪い、少し考え事をしてたんだ、心配掛けてごめんな」

「いえ、大丈夫なら良いんです、」

「そうそう、大丈夫なら良いって」

「おい!おみくじ売ってるぞ!買いに行こうぜー」

ユウの一言で俺達はおみくじを買うことになった。

結果は俺とヘル、ユウが中吉、ユイ、シュウが大吉、レンが凶だった。

「なんで俺だけ…」

「まぁまぁ、そんな事も有るさ、」

俺はレンを慰める。

「はぁ、まあ良いか、それじゃあ皆、イベントの説明が始まるまで解散しようぜ」

というレンの一言により、イベントの説明が始まる時間まで一時解散して、説明が始まる時間に中央広場に集合になった。
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