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牽制
牽制④
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徳堂はあやちゃんの白い胸を鷲づかみにした。
爪の痕がつくくらいに、強く。
「やっ……痛……っ」
思わず漏れたあやちゃんの言葉尻を捕らえて、
「嫌? じゃあ、やめる?」
徳堂は相変わらず厭らしい笑みを浮かべながら面白そうに言う。
「いや……やめないで……」
あやちゃんが媚びるような甘い声で懇願する。
そんな彼女の様子に満足したのか、徳堂は片方の口元を持ち上げて意地悪く嗤うと、あやちゃんの胸に噛みついた。
「あぁぁぁぁ……んっ……!」
長く尾を引くような、あやちゃんの喘ぎ声が山の空気を裂いた。
徳堂は歯形が残るほど強く噛んだ後、その痕をちろちろと舌で舐め回している。
「んっ……」
あやちゃんは我慢できないというように、自分の胸元に顔を埋める徳堂の頭を抱え込んだ。
――どういうことだ、これは……?
付き合ってるのか、あいつとあやちゃんは……?
『辛いのはあんただけじゃないし……。報われない恋してんのも……あんただけじゃないからね』
彼女が言っていた言葉を思い出す。
もしかしてあれは……あやちゃん自身のことだったのか……?
俺が思案している間も、二人の情事は止まらない。
徳堂はあやちゃんを後ろ向きにすると、木に手をつかせた。背後から手を回して、あやちゃんの柔らかそうな胸を好きなように捏ねくり回している。
「あぁ……っ」
背中を反らせて悩ましげに喘ぐあやちゃんがお尻を突き出すような格好になると、徳堂が手を下ろして袴の紐をほどいた。朱い袴がはらりと落ちる。
そのまま白衣を留めていた腰紐もほどいてしまうと、白衣をはだけさせて、長い指を彼女の股間に差し込んだ。
ぐちゅ……。
奴の指に犯されるあやちゃんの脚の間から音が漏れ出す。
枯れ木で覆われた辺りの景色には似つかわしくない……ぐちゅぐちゅ、という生々しい水音が耳につく。
徳堂は彼女の腰を掴むと、立ったまま繋がった。
「はぁ……んっ……あっ……」
奴の動きに合わせて、あやちゃんが声を漏らす。
夕暮れの赤い光の中に、悦楽に仰け反る白い肢体が浮かび上がる。
神聖な巫女装束を脱ぎ捨てて……淫らに体を揺らす彼女を見ていると、俺の体まで熱くなってしまいそうだった。
俺は掌で自分の目を覆った。
普段のあやちゃんからは想像もつかないような、あられもない姿を見ていられなくて、そっとその場を後にする。
――ふざけんな……!
俺は山道を駆け下りながら、あの男への怒りを募らせた。
あいつの態度は、あやちゃんを大事に想っているようにはとても見えなかった。
あいつは楠ノ瀬のこともあやちゃんのことも弄んでいる。ついでに俺のことも揶揄って面白がっているんだろう。
――あいつの言うことなんて大人しく聞いてやる必要なんか、ない。
俺は徳堂の牽制を頭の中から追い払った。
そして、決めた。
楠ノ瀬を、あいつの手から奪ってやる……と。
爪の痕がつくくらいに、強く。
「やっ……痛……っ」
思わず漏れたあやちゃんの言葉尻を捕らえて、
「嫌? じゃあ、やめる?」
徳堂は相変わらず厭らしい笑みを浮かべながら面白そうに言う。
「いや……やめないで……」
あやちゃんが媚びるような甘い声で懇願する。
そんな彼女の様子に満足したのか、徳堂は片方の口元を持ち上げて意地悪く嗤うと、あやちゃんの胸に噛みついた。
「あぁぁぁぁ……んっ……!」
長く尾を引くような、あやちゃんの喘ぎ声が山の空気を裂いた。
徳堂は歯形が残るほど強く噛んだ後、その痕をちろちろと舌で舐め回している。
「んっ……」
あやちゃんは我慢できないというように、自分の胸元に顔を埋める徳堂の頭を抱え込んだ。
――どういうことだ、これは……?
付き合ってるのか、あいつとあやちゃんは……?
『辛いのはあんただけじゃないし……。報われない恋してんのも……あんただけじゃないからね』
彼女が言っていた言葉を思い出す。
もしかしてあれは……あやちゃん自身のことだったのか……?
俺が思案している間も、二人の情事は止まらない。
徳堂はあやちゃんを後ろ向きにすると、木に手をつかせた。背後から手を回して、あやちゃんの柔らかそうな胸を好きなように捏ねくり回している。
「あぁ……っ」
背中を反らせて悩ましげに喘ぐあやちゃんがお尻を突き出すような格好になると、徳堂が手を下ろして袴の紐をほどいた。朱い袴がはらりと落ちる。
そのまま白衣を留めていた腰紐もほどいてしまうと、白衣をはだけさせて、長い指を彼女の股間に差し込んだ。
ぐちゅ……。
奴の指に犯されるあやちゃんの脚の間から音が漏れ出す。
枯れ木で覆われた辺りの景色には似つかわしくない……ぐちゅぐちゅ、という生々しい水音が耳につく。
徳堂は彼女の腰を掴むと、立ったまま繋がった。
「はぁ……んっ……あっ……」
奴の動きに合わせて、あやちゃんが声を漏らす。
夕暮れの赤い光の中に、悦楽に仰け反る白い肢体が浮かび上がる。
神聖な巫女装束を脱ぎ捨てて……淫らに体を揺らす彼女を見ていると、俺の体まで熱くなってしまいそうだった。
俺は掌で自分の目を覆った。
普段のあやちゃんからは想像もつかないような、あられもない姿を見ていられなくて、そっとその場を後にする。
――ふざけんな……!
俺は山道を駆け下りながら、あの男への怒りを募らせた。
あいつの態度は、あやちゃんを大事に想っているようにはとても見えなかった。
あいつは楠ノ瀬のこともあやちゃんのことも弄んでいる。ついでに俺のことも揶揄って面白がっているんだろう。
――あいつの言うことなんて大人しく聞いてやる必要なんか、ない。
俺は徳堂の牽制を頭の中から追い払った。
そして、決めた。
楠ノ瀬を、あいつの手から奪ってやる……と。
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