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ひとつ下の妹は物心ついた頃から破天荒だった。
「お姉様! 聞いてくださいませ!!!」
「ミッシェル!?」
9歳になったばかりの妹、ミッシェルが突然、部屋に勢い良く突っ込んできた。
「ミッシェルだめよ! この間頭を打ったから安静にしていなきゃいけないのよ!」
「お姉様! 私、カップラーメンが食べたいですわ!!!」
「……え?」
かっぷらーめん?
「なんでしょう、それは?」
「カップラーメンですわ! お湯を注いで、3分ほど待てば食べれる麺の料理ですわ!!!」
はて? そんな料理があっただろうか? 疑問符を浮かべている私に、妹は満面の笑みで答える。
「こうしちゃいられませんわ! 早速、シェフに交渉してきます!!」
「ミッシェル!?」
私はアリア・シュタワイナ。10歳。ここマラバント国の侯爵令嬢であり、シュタワイナ家長女だ。
妹のミッシェルと2歳の弟リトの三人兄弟である。
ミッシェルはひとつ下だからか物心ついた時から近くにいた。どこに行くにも常に一緒だった。
ただ、ミッシェルはすごくおてんばだった。
あれは何!?と興味を持てば駆けて行くミッシェルを追いかけ、せっかくメイドが洗ってくれた服の山に突っ込みに行くミッシェルを止め先に私が突っ込み、家をこっそり抜け、近くの山を登り、熊の後ろに乗ろうとするミッシェルを応援したりした。熊の後ろに乗って帰ってきた私たちに母は倒れてしまったが。
そんなミッシェルだけど、ジッとしていられない性格だからか、授業は大嫌いでよく抜け出していた。追いかけてくる先生から逃げる途中に転んで頭を打ってしまったのだ。
ミッシェルは3日ほど眠っていて、昨日目が覚めたばかりだった。
ミッシェルが眠っていた時はもう二度と目が覚めなかったら……なんて考えていたけど、やっと起きたミッシェルは落ち着かないどころか、今度は知らない単語を言い始めるなんてミッシェルの頭はもう駄目かも知れない。
「ミッシェル!私も手伝うわ!!」
慌てて追いかけて、厨房へと駆けて行くミッシェルに声を掛ける。
ミッシェルから目を離したら何をしでかすか、分からないわ!
こうして、ミッシェルの奇行に私は悩まされていくのだった。
「お姉様! 聞いてくださいませ!!!」
「ミッシェル!?」
9歳になったばかりの妹、ミッシェルが突然、部屋に勢い良く突っ込んできた。
「ミッシェルだめよ! この間頭を打ったから安静にしていなきゃいけないのよ!」
「お姉様! 私、カップラーメンが食べたいですわ!!!」
「……え?」
かっぷらーめん?
「なんでしょう、それは?」
「カップラーメンですわ! お湯を注いで、3分ほど待てば食べれる麺の料理ですわ!!!」
はて? そんな料理があっただろうか? 疑問符を浮かべている私に、妹は満面の笑みで答える。
「こうしちゃいられませんわ! 早速、シェフに交渉してきます!!」
「ミッシェル!?」
私はアリア・シュタワイナ。10歳。ここマラバント国の侯爵令嬢であり、シュタワイナ家長女だ。
妹のミッシェルと2歳の弟リトの三人兄弟である。
ミッシェルはひとつ下だからか物心ついた時から近くにいた。どこに行くにも常に一緒だった。
ただ、ミッシェルはすごくおてんばだった。
あれは何!?と興味を持てば駆けて行くミッシェルを追いかけ、せっかくメイドが洗ってくれた服の山に突っ込みに行くミッシェルを止め先に私が突っ込み、家をこっそり抜け、近くの山を登り、熊の後ろに乗ろうとするミッシェルを応援したりした。熊の後ろに乗って帰ってきた私たちに母は倒れてしまったが。
そんなミッシェルだけど、ジッとしていられない性格だからか、授業は大嫌いでよく抜け出していた。追いかけてくる先生から逃げる途中に転んで頭を打ってしまったのだ。
ミッシェルは3日ほど眠っていて、昨日目が覚めたばかりだった。
ミッシェルが眠っていた時はもう二度と目が覚めなかったら……なんて考えていたけど、やっと起きたミッシェルは落ち着かないどころか、今度は知らない単語を言い始めるなんてミッシェルの頭はもう駄目かも知れない。
「ミッシェル!私も手伝うわ!!」
慌てて追いかけて、厨房へと駆けて行くミッシェルに声を掛ける。
ミッシェルから目を離したら何をしでかすか、分からないわ!
こうして、ミッシェルの奇行に私は悩まされていくのだった。
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