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13.運命の女神は円環を断ち切る
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サートゥルヌスは盗人の前にしゃがみ込むと彼女の肩に手を置いて、視線の高さを合わせて慰めの言葉をかけた。
一見、慰めているように見えるその姿。でも、気のせいかしら? 私には、抱きつこうとしている盗人の肩をサートゥルヌスが押さえて、近づかせないようにしているように見えるのだけど。
「ひどいの! モルタってね、すっごい意地悪なんだよ。あたしのことバカにして悪口言ってきたり、階段から突き落としたり、サートゥルヌスと引き離そうとしたり」
「殿下。私はそのようなこと何一つしておりません」
「黙れブス! 証人だってちゃんといるんだよ」
盗人の呼びかけで出てきたのは例の取り巻きの男たちだった。皆一様に虚ろな目をしていて、とても正気とは思えない。その中にはアイアースもいた。
「パルカエ男爵令嬢がアブンダンティア様を階段から突き落とすところを見ました」
「パルカエ男爵令嬢がアブンダンティア様を侮辱している場面を見ました」
「パルカエ男爵令嬢は嫉妬からアブンダンティア様とエトルリア様を引き裂こうとしていました」
抑揚のない声で淡々とあげられた私がやったという嫌がらせ。どれも証拠と言えるようなものではなく、さすがに呆れることしかできなかった。
「サートゥルヌスぅ。サートゥルヌスもあのブスになんか言ってやってよぉ」
サートゥルヌスは立ち上がると、私の方へとまっすぐ歩いてきた。
「モルタ・パルカエ男爵令嬢」
そして、私の目の前にひざまずく。
「ちょっ、サートゥルヌス⁉」
わめく盗人を無視し、サートゥルヌスは私をまっすぐ見上げてきた。
「モルタ……全部忘れちゃって、ごめん。なんにも思い出せなくて、ごめん」
そして他人行儀ではない、懐かしい、あのいつものサートゥルヌスの口調で謝罪をしてきた。
「憶えてないけど、でも、ダメなんだ。俺、モルタを失いたくない! もう二度と、失いたくないんだ‼」
全部忘れてしまったとあなたは言ったけど、そんなことなかった。あなたは、ちゃんと憶えてくれていた。でなきゃ、「もう二度と失いたくない」なんて言葉、出てこないもの。
「忘れてしまったのなら、もう一度積み上げればいい。思い出せないのなら、新しい思い出を作ればいい」
しゃがんで、今にも泣き出しそうなサートゥルヌスの頬に手を添えた。周囲の人に宥められながらも依然きぃきぃ叫ぶ盗人の声が聞こえているけど、今はそれどころじゃないの。悪いけれど無視させてね。
「トゥルス。もう一度私と、恋をしてくれる?」
「モルタ。もう一度俺と、恋をしてください!」
私とサートゥルヌスの声が重なった。そして一瞬の沈黙のあと、私たちは揃ってふき出した。
「ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなーーーー‼」
激昂して怒りのままわめく盗人。直後、周囲の空気が鉛のように重くなり私たちにのしかかってきた。
「死ね、クソブス!」
そして動けない私達の元に、盗人が短剣を構えて勢いよく飛び込んできた。サートゥルヌスが私を庇おうと手を伸ばす。
「モルタ‼」
だから私は、反対にサートゥルヌスを守るように抱きしめた。私なら大丈夫。だって――
「ぎゃっ!」
サートゥルヌスがくれたペンダントから光り輝く魔法陣が展開されて、盗人は飛び込んできた勢いのまま跳ね返された。
と同時に私たちを戒めていた重力が消え、直後、盗人の輪郭が揺れてアブンダンティア様とは別の人物が重なった。
「クソガキ、今だ!」
「了解、クソ師匠!」
サートゥルヌスは懐から取り出した小さな人形を床に放り投げると、いくつもの複雑な魔法陣を瞬く間に空中に書き出した。
「死の神オルクスよ! 肉を失いし迷える魂をあるべき場所へ導きたまえ‼ 続いて忘れられし神プロメーテウスよ! この土人形に迷える魂を宿らせたまえ‼」
サートゥルヌスの詠唱が終わると、全ての魔法陣からまばゆい光が放たれた。
「やだ、やだぁぁぁぁぁ!」
アブンダンティア様ではない、聞いたことのない女性の声が響き渡った。
※ ※ ※ ※
光がおさまり辺りを見回すと、先ほどまでは誰もいなかった場所に見知らぬ裸の女性がうずくまっていた。
「魔術師団、対象を確保」
女性はお父様の指示でやってきた人たちによって連れていかれた。おそらくだけど、あの人がアブンダンティア様の中に入っていた人だったのだろう。
「トゥルーエンド到達、おめでとぉ」
くすくすと、どこか揶揄うような調子の女性の声。一度だけ聞いたことのある声。
「女神ラウェ――」
「しぃ」と私の唇に人差し指を当て沈黙を促したのは、サートゥルヌスの体を乗っ取ったラウェルナだった。
聞こえてくる声はラウェルナなのに姿はサートゥルヌスだから、なんだか変な感じ。それにサートゥルヌスが女性の仕草をするというのも……なんだか新鮮な感じで、意外と似合っている? ような気がする。
「転生悪役令嬢ちゃんの逆ハー阻止、破滅回避、そしてざまぁ。うん、こっちはこっちで楽しかったぁ」
所々わからない言葉があるけど、要約すると「満足した」でいいのかしら。
「あの、一つお聞きしてもよろしいでしょうか」
「あなた、物怖じしないのねぇ。いいよ、なぁに」
「終わった……のですよね?」
「うん、終わったよぉ。だってぇ、もうコンテニューできないもん」
ラウェルナの言葉はやっぱりよくわからなかったけれど、でもとにかく終わったらしい。ようやく、ようやく解放された。
「これ以上やるとぉ、ヤーヌスちゃんに本気で怒られちゃうから。ヤーヌスちゃん、異世界の扉開くといっつもめっちゃ怒るんだもん」
「……はぁ」
「というわけだから。じゃあねぇ、ヒロインちゃん」
気まぐれな女神は唐突に現れ、そしてあっさりと消えてしまった。
「あんのバカ女神! 俺の体でなにしてくれてんだ‼」
「落ち着いて、トゥルス。そして安心して、かわいらしかったわ」
「嬉しくないからね⁉」
現場の後処理でばたばたしていたためか、私たちの会話を聞いていた人は誰もいなかった。というより、周りの誰も私たちを気にしていなかった。まるで強力な隠密の術がかかっていたみたい。おそらくだけどこれ、女神の力よね。
「ねえ、トゥルス。アブンダンティア様はどうなったのかしら」
「わかんね。悪霊女は引き剥がしたけど、あの中に本人の魂があるかどうかまではわかんなかった」
この半年間、散々好き勝手に体を使われてしまった少女。もし中に本人の魂がいたのなら、きっとひどく傷ついていることだろう。すでに逝ってしまっている方が幸せなのか、体を取り戻して目覚めるのが幸せなのか……
「では、その引き剥がした方の人は? 先ほど連れていかれた人がそうなのよね?」
サートゥルヌスはうなずくと、説明してくれた。
「うん。王女の中に入ってた魂を引き剥がすために使ったのが死の神オルクスの術。で、引き剥がした魂を閉じ込めるために使ったのが忘れられた神プロメーテウスの術」
「人から魂を引き剥がすって……そんな恐ろしい術があるの?」
「安心して。オルクスの術は生きてるやつには使えないんだ。捕まえられるのは、死んで肉体との繋がりが切れた魂だけ。だからプロメーテウスの術と合わせてホムンクルスを造るときとか、捕まえた魂を死体に固定する死霊術として使うのが定番かな」
それでも十分怖いと思う。だって、例えば私が死んだとき、誰かがその術を使ったら私の魂は捕まってしまうってことじゃない。その誰かにものすごく心当たりがある身としては、恐怖しかないのだけど。
「さっきの人はホムンクルスになった……ということで合ってる?」
「うん。ちなみにさっきのあれが悪霊女の本当の姿だよ。魂から肉体を復元したから」
先ほどの女性、どう見ても私よりも年上だった。うずくまっていたから顔は見えなかったけれど、肌の感じや髪に白いものが混じっていたことから、おそらくお母さまよりも、もう少し上の年齢なのだと思う。
「あの人はどうなるの?」
「七日後に消える」
「それって、死罪になるってこと?」
「違う違う。ホムンクルスの寿命は七日なんだ。だから何もしなくても、あいつは七日後には寿命で死ぬ」
女神の気まぐれで連れてこられた、ある意味では被害者でもあった人。でも、あの人がやったことは許されることではない。だから、同情なんてしない。
※ ※ ※ ※
ユーノーの月二十日。
あの運命の日を乗り越え、ようやく私の時間は流れ始めた。
この日のために用意した純白のドレスに身を包み、お父様に手を引かれ、今日、私はモルタ・パルカエからモルタ・エトルリアになる。
「その健やかなるときも、病めるときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くすことを女神ユーノーに誓いますか?」
神官様の言葉に私たちは声を揃えて答えた。
「何度死が二人を分かったとしても、愛し、慈しみ、貞節を守ることをここに誓います!」
一見、慰めているように見えるその姿。でも、気のせいかしら? 私には、抱きつこうとしている盗人の肩をサートゥルヌスが押さえて、近づかせないようにしているように見えるのだけど。
「ひどいの! モルタってね、すっごい意地悪なんだよ。あたしのことバカにして悪口言ってきたり、階段から突き落としたり、サートゥルヌスと引き離そうとしたり」
「殿下。私はそのようなこと何一つしておりません」
「黙れブス! 証人だってちゃんといるんだよ」
盗人の呼びかけで出てきたのは例の取り巻きの男たちだった。皆一様に虚ろな目をしていて、とても正気とは思えない。その中にはアイアースもいた。
「パルカエ男爵令嬢がアブンダンティア様を階段から突き落とすところを見ました」
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「パルカエ男爵令嬢は嫉妬からアブンダンティア様とエトルリア様を引き裂こうとしていました」
抑揚のない声で淡々とあげられた私がやったという嫌がらせ。どれも証拠と言えるようなものではなく、さすがに呆れることしかできなかった。
「サートゥルヌスぅ。サートゥルヌスもあのブスになんか言ってやってよぉ」
サートゥルヌスは立ち上がると、私の方へとまっすぐ歩いてきた。
「モルタ・パルカエ男爵令嬢」
そして、私の目の前にひざまずく。
「ちょっ、サートゥルヌス⁉」
わめく盗人を無視し、サートゥルヌスは私をまっすぐ見上げてきた。
「モルタ……全部忘れちゃって、ごめん。なんにも思い出せなくて、ごめん」
そして他人行儀ではない、懐かしい、あのいつものサートゥルヌスの口調で謝罪をしてきた。
「憶えてないけど、でも、ダメなんだ。俺、モルタを失いたくない! もう二度と、失いたくないんだ‼」
全部忘れてしまったとあなたは言ったけど、そんなことなかった。あなたは、ちゃんと憶えてくれていた。でなきゃ、「もう二度と失いたくない」なんて言葉、出てこないもの。
「忘れてしまったのなら、もう一度積み上げればいい。思い出せないのなら、新しい思い出を作ればいい」
しゃがんで、今にも泣き出しそうなサートゥルヌスの頬に手を添えた。周囲の人に宥められながらも依然きぃきぃ叫ぶ盗人の声が聞こえているけど、今はそれどころじゃないの。悪いけれど無視させてね。
「トゥルス。もう一度私と、恋をしてくれる?」
「モルタ。もう一度俺と、恋をしてください!」
私とサートゥルヌスの声が重なった。そして一瞬の沈黙のあと、私たちは揃ってふき出した。
「ふざけんなふざけんなふざけんなふざけんなーーーー‼」
激昂して怒りのままわめく盗人。直後、周囲の空気が鉛のように重くなり私たちにのしかかってきた。
「死ね、クソブス!」
そして動けない私達の元に、盗人が短剣を構えて勢いよく飛び込んできた。サートゥルヌスが私を庇おうと手を伸ばす。
「モルタ‼」
だから私は、反対にサートゥルヌスを守るように抱きしめた。私なら大丈夫。だって――
「ぎゃっ!」
サートゥルヌスがくれたペンダントから光り輝く魔法陣が展開されて、盗人は飛び込んできた勢いのまま跳ね返された。
と同時に私たちを戒めていた重力が消え、直後、盗人の輪郭が揺れてアブンダンティア様とは別の人物が重なった。
「クソガキ、今だ!」
「了解、クソ師匠!」
サートゥルヌスは懐から取り出した小さな人形を床に放り投げると、いくつもの複雑な魔法陣を瞬く間に空中に書き出した。
「死の神オルクスよ! 肉を失いし迷える魂をあるべき場所へ導きたまえ‼ 続いて忘れられし神プロメーテウスよ! この土人形に迷える魂を宿らせたまえ‼」
サートゥルヌスの詠唱が終わると、全ての魔法陣からまばゆい光が放たれた。
「やだ、やだぁぁぁぁぁ!」
アブンダンティア様ではない、聞いたことのない女性の声が響き渡った。
※ ※ ※ ※
光がおさまり辺りを見回すと、先ほどまでは誰もいなかった場所に見知らぬ裸の女性がうずくまっていた。
「魔術師団、対象を確保」
女性はお父様の指示でやってきた人たちによって連れていかれた。おそらくだけど、あの人がアブンダンティア様の中に入っていた人だったのだろう。
「トゥルーエンド到達、おめでとぉ」
くすくすと、どこか揶揄うような調子の女性の声。一度だけ聞いたことのある声。
「女神ラウェ――」
「しぃ」と私の唇に人差し指を当て沈黙を促したのは、サートゥルヌスの体を乗っ取ったラウェルナだった。
聞こえてくる声はラウェルナなのに姿はサートゥルヌスだから、なんだか変な感じ。それにサートゥルヌスが女性の仕草をするというのも……なんだか新鮮な感じで、意外と似合っている? ような気がする。
「転生悪役令嬢ちゃんの逆ハー阻止、破滅回避、そしてざまぁ。うん、こっちはこっちで楽しかったぁ」
所々わからない言葉があるけど、要約すると「満足した」でいいのかしら。
「あの、一つお聞きしてもよろしいでしょうか」
「あなた、物怖じしないのねぇ。いいよ、なぁに」
「終わった……のですよね?」
「うん、終わったよぉ。だってぇ、もうコンテニューできないもん」
ラウェルナの言葉はやっぱりよくわからなかったけれど、でもとにかく終わったらしい。ようやく、ようやく解放された。
「これ以上やるとぉ、ヤーヌスちゃんに本気で怒られちゃうから。ヤーヌスちゃん、異世界の扉開くといっつもめっちゃ怒るんだもん」
「……はぁ」
「というわけだから。じゃあねぇ、ヒロインちゃん」
気まぐれな女神は唐突に現れ、そしてあっさりと消えてしまった。
「あんのバカ女神! 俺の体でなにしてくれてんだ‼」
「落ち着いて、トゥルス。そして安心して、かわいらしかったわ」
「嬉しくないからね⁉」
現場の後処理でばたばたしていたためか、私たちの会話を聞いていた人は誰もいなかった。というより、周りの誰も私たちを気にしていなかった。まるで強力な隠密の術がかかっていたみたい。おそらくだけどこれ、女神の力よね。
「ねえ、トゥルス。アブンダンティア様はどうなったのかしら」
「わかんね。悪霊女は引き剥がしたけど、あの中に本人の魂があるかどうかまではわかんなかった」
この半年間、散々好き勝手に体を使われてしまった少女。もし中に本人の魂がいたのなら、きっとひどく傷ついていることだろう。すでに逝ってしまっている方が幸せなのか、体を取り戻して目覚めるのが幸せなのか……
「では、その引き剥がした方の人は? 先ほど連れていかれた人がそうなのよね?」
サートゥルヌスはうなずくと、説明してくれた。
「うん。王女の中に入ってた魂を引き剥がすために使ったのが死の神オルクスの術。で、引き剥がした魂を閉じ込めるために使ったのが忘れられた神プロメーテウスの術」
「人から魂を引き剥がすって……そんな恐ろしい術があるの?」
「安心して。オルクスの術は生きてるやつには使えないんだ。捕まえられるのは、死んで肉体との繋がりが切れた魂だけ。だからプロメーテウスの術と合わせてホムンクルスを造るときとか、捕まえた魂を死体に固定する死霊術として使うのが定番かな」
それでも十分怖いと思う。だって、例えば私が死んだとき、誰かがその術を使ったら私の魂は捕まってしまうってことじゃない。その誰かにものすごく心当たりがある身としては、恐怖しかないのだけど。
「さっきの人はホムンクルスになった……ということで合ってる?」
「うん。ちなみにさっきのあれが悪霊女の本当の姿だよ。魂から肉体を復元したから」
先ほどの女性、どう見ても私よりも年上だった。うずくまっていたから顔は見えなかったけれど、肌の感じや髪に白いものが混じっていたことから、おそらくお母さまよりも、もう少し上の年齢なのだと思う。
「あの人はどうなるの?」
「七日後に消える」
「それって、死罪になるってこと?」
「違う違う。ホムンクルスの寿命は七日なんだ。だから何もしなくても、あいつは七日後には寿命で死ぬ」
女神の気まぐれで連れてこられた、ある意味では被害者でもあった人。でも、あの人がやったことは許されることではない。だから、同情なんてしない。
※ ※ ※ ※
ユーノーの月二十日。
あの運命の日を乗り越え、ようやく私の時間は流れ始めた。
この日のために用意した純白のドレスに身を包み、お父様に手を引かれ、今日、私はモルタ・パルカエからモルタ・エトルリアになる。
「その健やかなるときも、病めるときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くすことを女神ユーノーに誓いますか?」
神官様の言葉に私たちは声を揃えて答えた。
「何度死が二人を分かったとしても、愛し、慈しみ、貞節を守ることをここに誓います!」
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