あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十五楽章 進化

美爆音

「もっとあれだな！もっとパキッと割れた音が欲しいな。」

「パキッ？」

市ノ瀬が首を傾げる。

「ごめんごめん、はっきりした音。」

トランペットの澤村先生。
すごいがっしりとして筋肉ムキムキだ。
栗本先生と同じ楽団って言ってたけど個性的な人多いよな。
志柿先生もそうだったし。

すると睦月が澤村先生に質問する。

「どういう感じですかね。
大きくってことですかね。」

「うーんそうだね。
こんな感じ。」

すると澤村先生はトランペットでメロディー吹き始めた。
澤村先生はカッと目を開き大きな音で吹き始めた。
一つ一つの音が強く強調されてる。
最高の音。

井口は目を奪われた。
その澤村先生の姿はまるで野生の獣。
これがトランペットの音。

「うーん。少しイマイチだったなぁ、、。」

パチパチと松原と須山は拍手していた。

「あ、あー拍手？」

「あ、、すいません。」

「いやいや、いいの。ありがとう。
最近、自分も伸び悩んでてね。
楽団で上手く自分の音に自信が持てなくて。」

「そうなんですか？全然そんなこと感じなかったです。」

井口は驚く。
自分だったら澤村先生くらい吹けたらいいほうだ。

「本当に正解はないんだよね。
満足できない。
自分の目指すべきところ、、、。
よしもう一度！！」

「はい！！」