上 下
569 / 600
第十五楽章 進化

東星学園高校

しおりを挟む
「うーん、、。もう暑いよ、、。」

季節も5月の終盤に差し掛かり
暑くジメジメした天気が続く。

雨宮は村上先生のところへ行く途中だったのだ
暑くてたまらなくなったので
自販機で飲み物を買った。

「ふー、、、」

「あれ?もしかして雨宮?」

「、、宮園。」

宮園太一。小学校のときの友達だったやつだ。
3月にあって以来か。

「、、、あー、、生き返る。
甘い。
洸はいつもそれだよね。
カルピス。」

オレンジジュース。
確か昔もよくオレンジジュース飲んでた気がする。

「体にいい気がするから。」

「あはは、、。」

「、、聞いてもいいか?
なんで戻ってきたんだ?」

「うーん、、まぁ親の転勤とか色々ね。
今は東星学園に。
歌川先生からスカウトされてね。」

「そうか。」

「それよりさ、この前一緒にいたのって彼女?」

「は?いやいや!違うわ。
同じ部活の。」

「そうなんだてっきりそうかと。
確かアルトサックスやってる子だよね。」

「知ってるのか?」

「うん。去年の全国大会の動画見たよ。
星の旅よかった。」

「そうか。ありがとう。」

「アルトサックスの子とフルートのソロを吹いてた子は際立ってた。
でも1番は低音だね。」

「低音?」

「うん。ベースがよかった。
低音がしっかりしてればソロもメロディーもさらによく聞こえるから。
指揮者の先生が多分低音をやってたんじゃないかな?」

「おう。よくわかったな。」

「まぁたまたまだよ。
でも今年、全国へ行くのは東星だよ。
今年はスカウト組が多い。歌川先生の効果もあるけど全国へ行くために編入して来た部員がたくさんいるんだ。」

「、、うるせえよ。わかってるわ。
なんとなくそんな気がしてた。
だったらテレビの取材なんか来ないだろ。」

「まぁね。上手くなってるのは事実だし。」

前言撤回。
こいつに会えて少し嬉しい気持ちがあったのは最初だけだ。ムカつくやつだ。

「有名どころだとトランペットの渥美裕子。
クラリネットの澤裕樹。
チューバの堤下。」

「、、、!」

だいたいわかる。
名前を聞いただけでも有名な実力者が多い。
宮園が誘ったのか?

「あと足りないのはホルン、、。
洸。来ない?東星に。」

「え?、、、、。」

急に言われたのでドキっとした。
だけどそれは自分の中に選択肢はない。

「いやだね。俺は嫌いなんだよ。強いところ。
強いところを倒すために北浜にいるんだ。
お前とやるなんて死んでもごめんだね。」

「、、そっか。
ねぇ来栖は?知らない?彼女もいいけど僕が知ってる中では1番素質あるから彼にも声かけたいんだけど今どこにいるかな?
千葉県の高校いっちゃったらしいんだけど。」

「知らねえよ。それに言っとくけど俺と来栖はもう一度演奏するという選択は選ばない。
それに!!1番は北浜だ!」

「よかった。洸ならそう言うと思ったよ。
じゃあ雨宮。でも後悔しても知らないよ。」

「望むところだ。」




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

神様自学

天ノ谷 霙
青春
ここは霜月神社。そこの神様からとある役職を授かる夕音(ゆうね)。 それは恋心を感じることができる、不思議な力を使う役職だった。 自分の恋心を中心に様々な人の心の変化、思春期特有の感情が溢れていく。 果たして、神様の裏側にある悲しい過去とは。 人の恋心は、どうなるのだろうか。

秘密のキス

廣瀬純一
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

the She

ハヤミ
青春
思い付きの鋏と女の子たちです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【実話】友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
青春
とあるオッサンの青春実話です

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...