あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十四楽章 2度目の中日吹

無言

「、、、！」

「、、、！」

雨宮と小林は目が合う。
しかしお互い声はかけない。
こういうときって本当にプライドが邪魔する。

お互い楽器を準備する。
まぁまだ喋らなくてもいいかな。

「では大会の反省会を始めます。
栗本先生も後から来るのでよろしくお願いします。」

「はい！」

雨宮は席に座る。
まわりをみる。
すると大海と目があった。
口パクで「大丈夫か？」と話してきた。
そう聞こえた。

い、い、か、ら、ま、え、み、ろ！

「えー、、昨日はみなさんお疲れ様でした。
全日吹まで時間はあるようで短いです。
僕はこのメンバーなら必ず全国へ行けます。
まだまだできる。
一つずつやっていきましょう。」

「はい！」

「あのーいいですか？」

「うん、どうぞ。」

すると手を挙げたのは椎名だ。

「私は今のままではダメな気がします。
東海大会はおろか県大会も怪しいです。」

「俺も椎名の意見に賛成です。
正直いってなんかいつもの練習通りをあまり出せてないような気がしたんですけど。」

すると歌川も言った。
今年の一年生はみんなしっかりしてんなぁ。

「あのさー、お前ら自分の演奏はどうだったんだよ。お前ら2人もいまいちだっただろうが。」

「あ？なんだよ常田。」

「別に。お前チューバだろ。
しっかり音出せよ。それでも経験者だろ？」

「てめぇ、、！」

竹下が反抗する。
なんだよ急に険悪な、、。

「2人ともやめなさい。常田。言い過ぎ。
次そんなこと言ったら部活やめてもらうよ。」

「ういーす。すんませーん。」

市ノ瀬先輩が止める。
本当に常田って問題児なんだよなぁ。

「そうですね。みなさんすみません。
遅れてしまって。」

「栗本先生！
全員！礼！よろしくお願いします！」

「よろしくお願いします！」

「はい。では話しましょうか。」

こうして一悶着あったが栗本先生の話がスタートした。